確証バイアス
たとえば、自分と知り合いが同じ情報を取得しているのに、結論が正反対になってしまったという経験はありませんか?
あるいは、スポーツ観戦をしていて、審判が明らかに自分の好きなAチームに不公平だと確信するときがあります。
しかし、同時に相手チームのファンが、審判が実はあなたが応援しているチームをひいきしていたのだと訴えるのを聞いて驚くことがありませんか?
このような状況では、相手も、そしておそらくあなたも確証バイアスと呼ばれる誤りに陥っているのだと思います。
確証バイアスとは
確証バイアスとは、自分の考えを支持する情報だけに注目する心理です。
また、その考えと矛盾する情報を無視したり拒絶したりする傾向で、確証バイアスは希望的観測と密接な関係があります。
誤った信念を持ち続け、それに反する強力な証拠があっても変えようとしない理由の1つは、人が反論となる情報を無視したり誤って解釈したりする確証バイアスに陥っているからです。
確証バイアスの例
以下は、確証バイアスの影響を非常に強く受けている有名な例です。
・星座や占いを信じている人は、すべての占いを試して「当たる」ものを重要視する
・13日の金曜日は不運だと信じている人はネガティブな出来事を見て、ポジティブなことを無視する
・効果のない治療法の有効性を信じる……治療後に改善が見られた場合はその治療法のせいとし、改善が見られない場合は他の要因のせいにする
確証バイアスへの対処法
子どもたちは、家庭や学校でいろいろなことを教わります。
しかし、十分に教えられていないことのひとつに、批判的に考える方法があります。
フェイクニュースの出現により、確証バイアスを避けるために子どもたちが批判的な思考方法を学ぶことが重要です。
この問題は、子供たちが学校や家庭で批判的思考を教えられていないことです。
そして、このようなスキルがなければ、確証バイアスやフェイクニュースに陥りやすくなってしまうでしょう。
クリティカルシンキング(批判的思考)は、現代を生きるすべての人に必要な能力です。
プロだけでなく、一人ひとりにとっても大切なことです。あらゆる意思決定において、批判的・合理的な思考力は不可欠です。
確証バイアスは、自分が信じていること、あるいは信じたいことを確認する情報を求めるという人間の自然な傾向であるため、排除することは困難です。
しかし、練習と鍛錬によって、クリティカルシンキングのスキルは効果を発揮することができるのです。
確証バイアスの影響
残念ながら、確証バイアスは、状況を客観的に見ることを妨げます。また、意思決定に影響を与え、誤った選択をする可能性もあります。
こうして、自分の思い込みの虜になってしまうこともあるのです。
確証バイアスが人々に与える影響については、さまざまな分野で多くの事例があります。
政治運動をどう見るか
例えば、選挙期間中は、人々は自分の好きな候補者を有利に導くようなポジティブな情報を探す傾向があります。
科学的研究の進め方
科学者はしばしば確証を得ることを好みます。これは、研究の進め方や、対立仮説を確認するためにデータを選択的に分析する場合などに見られます。
投資方法について 投資家は、ある銘柄の価値について自分が現在信じていることを確認する情報に、より多く依存しています。
ステレオタイプな見方
確認バイアスは、ステレオタイプの出現の仕方にも影響を与えます。
私たちは、特定のステレオタイプを確認する人に非常によく出会います。
インターネットの検索サービス Googleは匿名の検索エンジンではありません。
実は、検索エンジンは、これまでの検索行為と一致する結果を表示することで知られているため、偏った結果を得ることになるのです。
上記の様々な例から、このバイアスは、あなたが純粋に合理的に情報を判断していると思っていた人も含めて、誰にでも起こりうるものであることがわかります。
関連心理学用語
ステレオタイプ
ステレオタイプとは対象の人を一般化・固定化すること。
ハロー効果
ハロー効果とは、環境や特性について感じた第一印象の方向に進み、それを強化しようとする情報の選択的解釈に基づく認知バイアス。
バーナム効果
バーナム効果とは、性格の説明は実際には誰にでも当てはまる情報で満たされているにもかかわらず、個人が自分に特別に当てはまると信じてしまうときに起こる現象。
正常性バイアス
正常性バイアスとは、人が災害の可能性を過小評価する心理現象。
認知的不協和
認知的不協和とは、人の知識と行動の間に矛盾があるときに存在する個人の状態のこと。