一般心理学:知覚・認知心理学 (53)

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アフォーダンス

アフォーダンスとは、ギブソン,J.J.により提唱されたもの。環境世界が生物個体に対して与える、生物個体の群れを支えている資源を指し示す。生態学的知覚理論の中心概念。具体的には、地面の固さは「歩くこと」を、きめは「奥行きがあること」をアフォード(可能とする)というように、生物個体に環境の意味や価値を与えるもの。

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アルゴリズム

アルゴリズムとは、60年代によく研究された、探索的問題解決における代表的な方略。情報処理の手順に従って全数探索を行う機械的方法。対するものに、ヒューリスティクスがある。

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ヒューリスティクス

ヒューリスティクスとは、60年代によく研究された、探索的問題解決における代表的な方略。蓋然性の高いものや類似性に基づき時間と労力を節約する、創造的思考による人間的・発見的探索法である。対するものに、アルゴリズムがある。

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アブダクジョン

アブダクションとは、仮説的推論と訳されるもので、パース,C.S.の用語である。既知の知識から仮説を生成するような推論で、創造的思考の構成要素となるもの。三段論法における大前提と小前提から適切な中前提を見出す推論であり、一般から特殊へ向かう演繹的推論や特殊から一般へ向かう帰納的推論といった論理的推論に対して、必ずしも正しい推論になるとは限らない日常生活の中で行われている人間推論である。

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國とは、刺激あるいは刺激の差異が、初めてそれとして知覚あるいは意識される量のこと。精神物理学において重要な概念となるもの。恒常法・極限法・調整法など、精神物理学的測定法によって計測。感覚や反応が生じるための量低の刺激量を刺激國、感覚的に識別できる最小の量的・質的差異を弁別國という。

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意思決定

意思とは、ある動機のもとで、ある目的に向かって、ある行為を遂行する心理過程であり、複数の動機が競合するときに選択的行動となり、意思決定が行われる。決定に当たっては、理想的な公理系と、そこから導かれるルールに従うとする規範的アプローチと、現実の判断は直感的な判断に基づくものとする記述的アプローチとがある。認知科学においては、コンピューターを利用してエキスパート・システムが、専門家の代わりとなったり、援助となったりする。

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概念形成

概念形成とは、概念を学習するプロセスのことで、ある対象や出来事を抽象化するとともに、その特性をあるグループに含まれる対象や出来事に一般化するプロセスである。概念の定義は、従来の論理学的なカテゴリーに基づく定義的立場、最も代表的なプロトタイプ(ロッシュ)に基づく確率論的な立場、ある環境のもとで生活体の有する体系化された知識に基づく知識ベース的な立場へと遂行してきているのである。

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拡散的思考

拡散的思考とは、ギルフォード,J.P.が知性の構造モデルの中で提唱した概念である。問題解決において、既知の情報から論理的な飛躍・発想の転換なども含めて多面的なアプローチを採る創造的思考・水平的思考(デボノ博士が提唱)であり、多様な答えが想定される。拡散的思考に関わる因子として、流暢性・柔軟性・独自性が挙げられており、多面的知能のひとつとして注目される。

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収束的思考

収束的思考とは、ギルフォード,J.P.が知性の構造モデルの中で提唱した概念である。問題解決において、従来の知能検査に見られるような、既知の情報から論理的に唯一の答えを求める思考・垂直的思考。

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学習性無力感

学習性無力感とは、統制不能の電気ショックを与えられ続けた犬が、別の統制可能な状況においても、電気ショックから逃げようとしなかったことから、セリグマン,M.E.P.により提唱される。強制的・不可避的不快経験やその繰り返しの結果、何をしても無駄だというネガティブな感覚・あきらめが支配的になること。また、人間のある種の抑鬱・学業不振の形成にも、同じメカニズムが働くと考えられ、臨床的にも幅広く応用研究が行われている。

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感覚遮断

感覚遮断とは、感覚器官の一部あるいは全体に対し、外部からの情報を遮断あるいは低減させることである。人間の場合、アイソレーション・タンクを使った実験では2~3日が限界、幻聴や幻視など変性意識状態が生じる。瞑想や長距運転などでも生じるもので、生体にとって、常に何らかの刺激情報に接していることが必要であることを表している。

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観察学習

観察学習とは、直接経験を通しての学習ではなく、他者の行動を観察するだけで代理強化となり行動変容を引き起こす学習のこと。模倣学習がモデルの機械的再生であるのに対し、観察学習は、認知的要素も加えた象微的表象の習得が問題となるもので、攻撃行動・性行動・性役割・道徳判断・言語行動などに関して、幅広く発達的・教育的・臨床的研究がなされているのである。

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感情知能

感情知能とは、新しい知能観である多面的知能のひとつで、サロヴェイ,P.、メイヤー,J.D.により提唱される。自己や他者の感情の認知・感情の調節・自己の動機付け・共感性・人間関係の調整に関わる能力で、IQが学問的知性を表しているのに対し、感情知能はIQを活かす力、実生活でより良く生きる力、人格的知性・社会的知性を表すものである。発達的には、幼児期において基本的な基礎が形成され、生涯を通じて発達していくもの。

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強化

元来、パヴロフが、レスポンデント条件付けにおいて条件刺激と無条件刺激とを対呈示することで、条件反射の強度を増加させること。及び、その操作を強化と呼ぶ。後にオペラント条件付けにおいては、ある状況下で、ある自発的反応に対し、報酬や罰といった強化刺激を付与することで、その自発的反応頻度を増加させること。及び、その操作を指すのに用いられるようになった。

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消去

消去とは、無条件刺激の対呈示を止めたり、強化刺激を中止したりすることにより、反応行動を低減させること。及び、その操作を消去と呼ぶ。

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作動記憶

作動記憶とは、短期記憶の一種で、感覚記憶からの大量の情報を処理して、リハーサルしながら長期記憶へと送り込んだり、長期記憶から検索を行ったりする機能のことである。構造としては、言語処理として音声ループから、視覚・空間的情報処理として視空間スケッチ帳からなるモデルが提出されている。

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サピア・ウォーフ仮説

サピア・ウォーフ仮説とは、言語相対仮説とも言われるもので、言語は単に記号やコミュニケーションの手段であるだけでなく、無意識において、それを使用する主体側の認識や思考パターンをも形成するという仮説のこと。文化人類学的フィールド調査から、「それぞれの言語体系に応じて、その数だけの世界観が存在する」と仮説が立てられ、欧米語を中心にして言語観に大きな影響を与えた。言語決定論とも言えるもの。それに対し文化・環境決定論的な立場からの反論もなされている。

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試行錯誤

試行錯誤とは、問題解決に当たって採られる方略のひとつ。動物心理学において、ソーンダイク,E.L.が、問題箱における動物の行動観察において見出したもの。動物はランダムに反応しているうちに、成功により報酬が得られた行動を学習するという効果の法則を発見、S-Rの連合学習理論、後の強化による学習理論の基本となる。

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実用的知能

実用的知能とは、新しい知能観である多面的知能のひとつ。スタンバーグ,R.J.が文脈理論で提唱。日常生活や職業生活の中で使用される知能のこと。個人的でインフォーマルである。

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社会的知能

社会的知能とは、新しい知能観である多面的知能のひとつ。スタンバーグ,R.J.が文脈理論で提唱。対人関係において使用される能力で、他者の動機・振舞い方・協調の仕方の理解・自己理解・自己伝達などに関わるもので、心の理論とともに発達的な感心が向けられているもの。

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馴化

馴化とは、刺激に対する反応が減少していく過程のことである。慣れとも呼ばれ、生体にとって無意味な刺激が長時間繰り返し与えられることにより生じるもの。刺激の差異に敏感に反応し、脱馴化や新たな定位反応が生じ易いもの。

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順応

順応とは、刺激に対する反応が減少していく過程のことである。生活体が環境条件に適合していく過程を指すもの。神経細胞の刺激閾の上昇や疲労により応答率が低下する感覚的順応、社会的・文化的環境への適応といった社会的順応がある。

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条件付け

条件付けとは、人や動物に対して、一定の操作により特定の反射や反応を引き起こすよう学習させることである。レスポンデント(古典的)条件付けとオペラント(道具的)条件付けがある。レスポンデント条件付けは、パヴロフにより開発され、ある刺激(無条件刺激)に対する生得的に決定された自律的反射を基に、中性の刺激(条件刺激)との組み合わせによって、新たな反射行動を形成しようとするもの。それに対し、オペラント条件付けは、スキナーにより開発、ある環境の基での生体の自発的な行動に強化刺激を随伴させることで(三項強化随伴性)、目的行動を学習させようとするもの。

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神経伝達物質

神経伝達物質とは、神経細胞の接合部であるシナプスを介しての信号伝達を行う化学物質のことである。神経活動は、脳内の神経細胞間の電気シグナルを媒介とする、巨大で緻密なネットワークにより維持される。神経細胞を伝わった電気シグナルは、シナプス伝達において化学シグナル(神経細胞内に蓄えられている科学物質)となり放出され、神経細胞の受容体に取り入れられ、電気シグナルに変換。ドーパミンの過剰は分裂病を、セロトニン・ノルアドレナリンの欠乏はうつ病を引き起こすなど、神経伝達物質のバランスが崩れることで、心の異常が発生。

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図とは、ルビン,E.J.により名付けられたもので、様々な知覚経験の場面において、背景から分離されて知覚される部分のことを指す。それ以外の部分のことを、地と呼ぶ。図は、輪郭線によって形を持つものである。

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地とは、ルビン,E.J.により名付けられたもので、様々な知覚経験の場面において、背景となるもののことを指す。それ以外の部分のことを、図と呼ぶ。

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生成文法

生成文法とは、1950年代に、音韻論や形態論に焦点を当てていた構造主義的な言語理論への批判から、チョムスキー,Nにより提唱された文法論理のこと。伝統的な文法が、文の実例から様々な統語現象を個別的に記述しようとするものであったのに対して、この文法理論は、明示的な規則や原理により文法的・非文法的な文を区別する体系的なものとなっている。子供の言語習得・運用能力に見られるように、限られた経験から無限に生成することができる言語の深層構造・変形規則を、明らかにしようとするもの。

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選択的注意

選択的注意とは、多数の感覚情報の中から特定の情報を取り出して認識することで、カクテルパーティ効果が代表的なもの。50年代に、両耳分離聴と追唱課題により実証的手続きが開発され、物理的刺激に対するフィルター説といった情報処理システムのモデルは、認知心理学的研究の先駆けとなった。認知的葛藤はストループ効果として、乳児の視覚行動における認知は選好注視法により研究される。

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素朴理論

素朴理論とは、人は日常生活の中で、経験的に自然発生的にある思い込みにより、概念形成を行っているという考え方のこと。その思い込みを素朴概念もしくは、誤概念とも言う。最近では、単に誤っているというよりは、ひとつのまとまりを持ったもうひとつの概念という考え方がなされている。ある対象理解におけるメンタル・モデル(心的イメージ)の活用とともに、学習の初期においては促進効果を持つものであり、また実在物と混同することで誤解を生むものでもある。

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大脳辺縁系

脳は大きく見て、高次機能を司る大脳半球、運動機能を司る小脳、生命維持機能を司る脳幹で出来ている。大脳半球の中でも、大脳新皮質の内側にあって、間脳や大脳基底核を取り囲んでいる領域を、大脳辺縁系という。これは、すべての哺乳動物で共通した構造と機能を持つもので、扁桃体・海馬を含み、それぞれ情動と記憶という根源的な機能を担っている。

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短期記憶

短期記憶とは、感覚器が受け取る情報を、すべて一時的に(聴覚で数秒、視覚で数百ミリ秒)保持される記憶を感覚記憶と言い、そこから作動記憶により30秒ほど保持される貯蔵庫へ送られるもののこと。

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長期記憶

長期記憶とは、感覚器が受け取る情報を、すべて一時的に(聴覚で数秒、視覚で数百ミリ秒)保持される記憶を感覚記憶と言い、そこから作動記憶により30秒ほど保持される貯蔵庫へ送られ(短期記憶)、さらに海馬を通して永続的な貯蔵庫へと送られるもののこと。精緻化・体制化により無限の容量を持ち、認知・行動レベルでの手続き的記憶と、エピソード記憶・意味記憶といった言語レベルでの宣言的記憶に分かれるものである。

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適正処遇交互作用

適正処遇交互作用とは、クロンバック,L.J.により提唱された概念。学習者の個人的特性と特定の学習法・教授法との間にある交互作用を指すもの。教育心理学において、個人的な特性に応じた学習法の理論的基礎となるものである。元来、実験心理学においては処遇の主効果に、相関心理学においては個人差の相関研究に焦点が当てられていたことに対する批判から、交互作用を分析することで、個人的特性に合った教育効果を最適化することを目指すもの。

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洞察学習

洞察学習とは、ソーンダイクが、問題箱を使って試行錯誤による学習を明らかにしたのに対し、ケーラー,W.は、類人猿を被験動物として用い、道具を組み立てて餌を取る実験を行い、試行錯誤ではなく、過去経験や状況を統合して解決の見通しを立てる、洞察的な課題解決学習が行われることを解明。結果的にそこでの学習は、悉無律的な不連続曲線となる。

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トップダウン

トップダウンとは、人間の思考の働きについて認知科学的に見たものである。仮説演繹的に文脈による期待や知覚の構えから全体を想定して、部分的な構成要素を推測していくもののこと。

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ボトムアップ

ボトムアップとは、人間の思考の働きについて認知科学的に見たものである。分析―帰納的に感覚レベルでの部分的情報処理から全体像を推測していくもの。

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内言

内言とは、人間の発話レベルを二つに分けた、ヴィゴツキー,L.S.の用語である。音声を伴わない内面化された思考の道具としての内的言語のこと。述語中心の構造を取り、圧縮・省略が多く、単語同士が非文法的に結合している。

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外言

外言とは、人間の発話レベルをふたつに分けた、ヴィゴツキー,L.S.の用語である。通常の音声を伴う伝達の道具としての社会的言語のこと。主語中心の構造を取り、文法的に整合性を持つという特徴を持っている。

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認知スタイル

認知スタイルとは、認知的課題の処理形式における個性のこと。人間を、外界からの情報を受動的に知覚処理するものとしてでなく、独自に必要に応じて変換や操作を加えて、意味を見出して行動するものであるとする視点から生まれたもの。知覚・記憶・思考といった知的過程から人格過程に至るものまで、個人差を対象として研究される。具体的には、記憶内容の変容過程における強調化/水準化、ケイガンによる熟慮型/衝動型、ウィトキンによる場依存/場独立のタイプ分けがなされている。

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般化

般化とは、学習実験に用いられる用語で、特殊な規則や特性を一般化させること。古典的条件付けでは、条件刺激と異なる刺激にも同様な反応が生じることで、物理的類似性だけでなく意味的類似性に対しても生じ、条件反応も類似の反応が生じる場合がある。反対は弁別。

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弁別

弁別とは、学習実験に用いられる用語で、類似した刺激の中からある特定の刺激だけに反応するようになることで、分化とも言われる。等質な全体が個々の特性を持った部分に細分化されること。弁別を確認する為には、般化の範囲を確定することが必要であり、両者が相補的に働いていると言えるものである。

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ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは、ピグマリオン(彫刻家)が、自ら作った彫像に恋をし苦しんでいるのを、アフロディティが助け、彫像に命を与えたというギリシア神話に因んで、ローゼンソール,R.が命名した用語である。教師が児童・生徒に対して抱く期待が無意識のうちに影響して、将来的な実現効果を持つことを指摘したものでもあり、教師期待効果とも呼ばれている。また一般的な実験状況において、統制外の要因として、実験者の存在が間接的に被験者に影響する実験者効果とも類似しているのである。

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ビッグ・ファイブ

ビッグ・ファイブとは、性格特性論において、ゴールドバーグ,L.R.が、オールポート,G.W.以来の研究を統合して、5つの因子にまとめたもののこと。対人関係や外界に対する働きかけによる積極性を示す外向性、対人関係による共感性や思いやりに関わる協調性、仕事面によるセルフコントロールや責任感に関わる誠実性、情動による情緒安定性、知的関心による開放性が指摘されている。それに基づく実証研究も多数されており、文化差・民族差を越えた普遍性を持つものとされている。

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プライミング効果

プライミング効果とは、手続的記憶のひとつで、先行刺激の受容が、後続刺激の処理に無意識的に促進効果を及ぼすこと。直接プライミングと間接プライミングがある。直接プライミングは、知覚的プライミングと概念的プライミングに分かれる。間接プライミングは、プライム刺激の認知により、テスト刺激の認知を促進させるものである。理論的には、脳内の特定位置の記憶検索が隣接領域の記憶を活性化させるという、コリンズ・ロフタスの活性拡散モデルにより説明されている。

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プレグナンツの法則

プレグナンツの法則とは、視野に与えられた図形が、全体として、最も単純で最も規則的で安定した秩序ある形にまとまろうとする傾向で、ゲシュタルト心理学の中心概念とされている。ヴェルトハイマーは、「よい形態の法則」と呼び、具体的には、近接・類同・共通運命・閉合・よい連続・よい形・客観的態度の要因など群化・体制化の法則に従う。

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文脈効果

文脈効果とは、刺激の知覚過程いおいて、前後の刺激の影響で、対象となる刺激の知覚が変化する現象のこと。本来、語や文の理解にとって、文脈の持つ統語的・語用論的曖昧さを減少させる効果を指すものであったのが、知覚一般に拡張された概念。ヘルソンは、有機体にとって、過去・現在すべての刺激が総体化されることで、ある刺激の順応水準が決定され、同化・対比といった文脈効果が生じるとしている。

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ホメオスタシス

ホメオスタシスとは、生理学者キャノン,W.B.の提唱した概念のこと。体温調節のように、生活体が環境の変化に対して諸器官を変化させることで、内部環境の動的平衡状態を維持しようとする自動的な機構や過程を示す。対概念はヘテロスタシスと言い、フロイトの死の本能に近いものである。心理学的に拡張されて、ホメオスタシスの不均衡が一次欲求の動因とされ、ハルの動因低減説の理論的根拠・ストレス発生・家族システムの変容についての基礎理論ともされている。

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メタ認知

メタ認知とは、自己の認知過程に関する判断・知識・操作などを指すもので、認知についての認知のことである。70年代のメタ記憶の研究に始まり、認知発達の研究に大きな影響を与えている。自己の認知活動に対するモニタリングやコントロールの機能が問題とされる。教育臨床などにおいて、学習不振児や発達遅滞児におけるメタ認知の欠如、教育の効果として自己学習力、熟達化との関連が指摘される。

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メタ理論

メタ理論とは、理論に対する理論で、個々の理論に対してメタ(上位の)レベルからその前提・モデル・アナロジーを問い返そうとする試みのこと。60年代、科学論において、クーンの科学諸理論の共約不可能性、ハンソンの観測(見ること)の理論負荷的性格(概念のゲシュタルト)、ペパーの世界仮説としてのルート・メタファ説などが提唱されており、心理学においても、実証主義に対する反省から理論心理学・認知心理学が発展しているのである。

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メディア・リテラシー

メディア・リテラシーとは、インターネットや電子メールといった電子メディアの操作能力のこと。リテラシーは、識字・読み書き能力を表すものであるが、情報化社会において、デジタル情報を操作することが必須となってきている。これには単に情報機器の操作だけではなく、情報ネットワークの活用能力も含まれ、ネチケット問題など、全般的なコミュニケーション能力が含まれているのである。

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目撃証言の信憑性

目撃証言の信憑性とは、記憶の変容のひとつで、事故や犯罪の目撃者の証言についての、信頼性の問題のことで、記憶の正確さと客観的な正確さとが一致しないことが多いということ。要因としては、目撃時のストレス、対象に対する関心、ステレオタイプ、事後情報効果、自我関与の程度などが挙げられる。ロフタス,E.F.らの実験では、記銘時における加工、事後情報の記憶内容への取り込みによる記憶変容、再生時の記憶の再構成などが指摘されている。

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ラテラリティ

ラテラリティとは、一般的には、生物個体の左右対称的な器官の一方が、他方よりも優れている現象で、特に左右の大脳半球の機能的非対称性を表すものである。これは、スペリーらの分離脳の実験、脳損傷・両耳分離聴の実験などを通じて明らかにされてきた。左半球は、言語的処理能力など分析的・継持的・部分的認知に優れており、右半球は、空間認知・図形・パターンの認知・メロディの認知・感情認知など総合的・同時的・全体的認知に優れているのである。

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REM睡眠

REM睡眠とは、睡眠段階のひとつで、急速眼球運動を伴い、夢を見ている状態とされるもののこと。通常睡眠は、入眠段階・浅い眠りの段階・中等度睡眠段階・深睡眠段階のノンレム睡眠とREM睡眠とで、合わせて90分の周期を4~5回繰り返すもの。REM睡眠では、脳波は覚醒パターンに似た低振幅の波形を描いており、自律神経系の活動が高まり、記憶の体制化との関連が指摘されている。また選択的断眠実験によるREM睡眠の剥奪では、注意力の低下・精神的な不安定が生じるなど、精神衛生上の意義が指摘されているが、その機能については未知の部分が多いのである。

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