一般心理学:統計 (23)

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因子分析

因子分析とは、回帰分析法と並んで、多変量解析の中で最もよく使われる手法のひとつである。もともと、心理学において知能テストの結果から心的能力を発見しようとして考えられた方法。代表的なものとしては、スピアマンの二因子論とサーストンの多因子論がある。

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カイ二乗検定

カイ二乗検定とは、度数や比率で表されたデータについて、カイ二乗分布を用いた検定のことである。標本が正規分布していなくても、小標本について検定できるノンパラメトリック検定のひとつで、3件法による判断や性格型の分類など名義尺度による度数分布に適用されている。個々の次元を行・列に配列したクロス表を作り、各セルの値と理論度数との逸脱の程度を示すものがカイ二乗値であり、この値が大きいほど、次元間の帰無仮説が棄却され、有意差を表すものとなる。

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間隔尺度

間隔尺度とは、心理学的測定に用いられる尺度のひとつである。摂氏で示された温度計、標準化されたテストによる学力、心理テストによる性格特性の尺度などのような、尺度の等間隔性は有しているが絶対的な零点がなく、比率を示す機能がない尺度のことである。要素間で加減算をすることはできるが、乗除算をすることはできない。データからは、平均値・標準偏差・相関係数などを求めることができます。

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クロンバックα係数

クロンバックα係数とは、内的整合性の観点から見た、テストの測定値の信頼性係数のことである。内的整合性とは、テストに含まれる項目群が、同一の心理尺度の特性を示す程度を表すもの。テストの等質性とも言われている。内的整合性を検討する為に、尺度に含まれている全ての項目対について、相関や平均を求めることが必要であるが、その近似として、α係数が用いられる。項目間の相関が高く、項目数が多い程、α係数は高くなる。

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交互作用

交互作用とは、2つあるいはそれ以上の要因が同時に作用する事で生じる特別効果の事である。1つの要因についての分散分析を行うものを一元配置法と言い、2つの要因についての分散分析を行うものを二元配置法と言う。全体の中に占める、それぞれの要因の効果である主効果の検定を行う事ができるが、二元配置法では、さらにこの交互作用を検定することができる。

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自由度

自由度とは、カイ二乗分布・エフ分布・ティ分布などのパラメータを指すもので、dfと略して表すことができる。正規分布から先の3つの分布を導き出すことができるが、これらの分布の自由度は、互いに独立に正規分布に従う確立変数の個数に対応している。具体的には、母集団からn個の標本を取り出すとき、標本はそれぞれ独立であるから、n-1個の標本の値が分かっても残りの1個の値を推測することができず、これをn個の自由度があると言う。

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順序尺度

順序尺度とは、心理学測定に用いられる尺度のひとつである。鉱物の硬度、順位法による尺度、学力テストの順序、美醜の程度など、測定対象の各要素間に序列はつけられても、差や比率を示す機能がない尺度である。要素間で加減乗除をすることはできないが、データについての中央値・百分位・範囲・四文位偏差・順位相関係数などを求めることができる。

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信頼性

信頼性とは、テスト理論の用語である。テストがその目指すものを測定する用具として恒常的で一貫性があることを意味し、再テスト法・折半法によって吟味され、標準誤差・相関係数・信頼性係数などがその指標となる。テスト得点自体の性質である。

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妥当性

妥当性とは、テスト理論の用語である。50年代までは、テストが測ろうとしているものが、測れているということを意味していたのだが、現在ではテスト得点の解釈とそれに基づく推論の正当性の程度を意味するものとなっており、内容的妥当性・基準関連妥当性・構成概念妥当性が問題とされている。測定の目的との関係・文脈によってその評価が決まる。

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正規分布

正規分布とは、ガウスによって発見されたもので母集団の分布の中で、標本の平均値が、標本の実現の可能性が最も高い値である最尤推定量となっている分布である。別名ガウス分布・誤差分布とも言われている。二項分布のnを無限大に近づけていくことで得られる。形状は、平均を通る軸を中心に対称的な釣鐘型であり、身長・体重及び知能・学力など各種心理測定などがこのような分布をすると考えられる。

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生態学的妥当性

生態学的妥当性とは、ブルンスウィック,E.の用語で、有機体にとって、感覚受容器に与えられた刺激である近刺激が、環境的事象に到達するための手がかりとして役立つ程度を示す概念である。一般の心理学的実験は人為的で、日常性から切り離された状況・課題を用いる為に、このような実験で与えられる刺激情報は、生態学的妥当性が低いとされている。ブルンスウィックの確率論的機能主義では、物理的に外在する対象である遠刺激と近刺激の間に凸レンズ的な多義的・確率的媒介過程を想定しており、経験的なものを考慮した刺激情報は生態学的妥当性が高いとされている。

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相関

相関とは、複数の変数間の相互関係のことである。実験研究が、独立変数を操作することにより従属変数に対する因果関係を見るものであるのに対し、調査研究は、変数間の相関関係を見るものである。

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代表値

代表値とは、測定値の分布の中心的傾向を示す要約統計量であり、分布全体をひとつの数値で代表させるものである。算術平均は、分布が左右対称ですべての測定値を考慮するときに用いられ、幾何平均は、測定値が比で表されているときに用いられ、調和平均は、極端に大きな値の影響を減らすときに用いられている。中央値は、順序尺度・間隔尺度・比率尺度で極端な値があったり、分布が左右非対称であったりするときに用いられ、モードは、階級の大きさや階級の数によって影響を受け易い為、名義尺度で用いられている。

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t検定

t検定とは、統計的仮説検定の手続きのひとつで、ティ分布を用いる検定法の総称である。ティ統計量は、自由度n-1のティ分布に従い、母集団の平均に関する推論等に用いられている。その分布形は、自由度が大きいときは標準正規分布によく近似するが、自由度が小さいときは、正規分布より裾が重たい形を示す。t検定を使う為には、二組の標本が相互に独立であり、それぞれの標本の属する母集団の確立分布が等しい分散値を持つ正規分布であることが必要とされる。

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統計的有意差

統計的有意差とは、統計的仮説検定によって、比較する群間において測定された数値の差が、母集団における本質的な差であると認められることである。統計的仮説検定の手続きにおいては、検定仮説H0(帰無仮説となることが多い)が正しいときに棄却してしまう第1種の誤りを避けるため、この誤りの生じる確率の上限を0.05あるいは0.01といった有意水準(危険率)と定め、例えば群間の平均値の差がこの水準内であれば、母平均の差と考えられることになるのである。

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二項分布

二項分布とは、確率pで起こる事象を独立にn回観測したとき、そのうちr回その事象の起こる確立p(r ;n)の分布のことである。Nの値が大きくなるにつれて正規分布に近づく、最頻地は、平均値又はその近傍に見出される。確率実験で最も簡素なものは、コインの裏と表のように結果が2通りしかないベルヌイ試行であり、社会統計の標本調査・工場の品質管理・各種心理実験結果の解析などに広く用いられる。

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パス解析

パス解析とは、生物学者ライトによって考案されたもので、同一個体から得られた複数の変数間に何らかの因果モデルが仮定される場合に、各変数をつなぐ道であるパスの効果を量的に表す統計的分析法である。具体的には、重回帰分析をいくつか組み合わせたもので、パス係数は、説明変数を標準化した場合の重回帰分析の偏回帰係数となる。形式的には、どのようなデータにも適用できるが、変数間の因果関係については、モデルがなければ実質的な規定力は持たない。

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パラメトリック検定

パラメトリック検定とは、2群のデータの平均値に関するt検定の場合のように、両群のデータが正規分布する母集団を持ち、その分散が等しいという母集団の分布およびその母数に関する仮定を含む検定のことである。

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ノンパラメトリック検定

ノンパラメトリック検定とは、観測値の母集団分布に関する仮定を必要とせずに、順序尺度・名義尺度によって得られたデータに対して適用できるものである。少量のデータに適し、計算も簡単で、心理学の研究に適している。

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比率尺度

比率尺度とは、心理学的測定に用いられている尺度のひとつである。重さや長さのように、同一性・順序性・差の等価性の上に絶対的零点を持つ、比の可能性を有する尺度。主に物理的尺度であって心理学的測定ではあまり適用されていない。比率尺度により得られたデータからは、平均値・標準偏差・相関係数・幾何平均・調和平均を得ることができるのである。

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分散分析

分散分析とは、フィッシャーが農場実験の分野で実験計画法による実験結果の分析の方法として確立したもので、ANOVAと略される。現在は、自然科学・行動科学の諸分野に普及。具体的には、ある集団について量的変数Xの観測が行われたとき、別の変数Yによってその集団をいくつかの群に分けることができれば、集団全体について変動―群間のXの変動+群内のXの変動が成立し、前者はYによる効果で、後者は誤差と考えられるというもの。

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名義尺度

名義尺度とは、心理学的測定の尺度のひとつである。電話番号のように他と識別するための数で、性格の類型による分類のように各要素はカテゴリーに分類されるだけで要素間での加減乗除ができず、度数分布・最頻値・属性相関を見ることができるだけである。

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ラテン方格法

ラテン方格法とは、実験計画法のひとつである。ラテン方格を用いて分散分析を行い、各要因の効果を見るもの。ラテン方格とは、m人の被験者にm種類の実験をするときにm列m行に配列し、どの列・行にも同じ実験が一回ずつ含まれるように配置したもので、すべての被験者に同じ実験を違った順序で行うことができる為、順序の効果を除いて各被験者に平等の実験条件を与えることができるという長所がある。

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