生態学的妥当性

生態学的妥当性とは、ブルンスウィック,E.の用語で、有機体にとって、感覚受容器に与えられた刺激である近刺激が、環境的事象に到達するための手がかりとして役立つ程度を示す概念である。一般の心理学的実験は人為的で、日常性から切り離された状況・課題を用いる為に、このような実験で与えられる刺激情報は、生態学的妥当性が低いとされている。ブルンスウィックの確率論的機能主義では、物理的に外在する対象である遠刺激と近刺激の間に凸レンズ的な多義的・確率的媒介過程を想定しており、経験的なものを考慮した刺激情報は生態学的妥当性が高いとされている。