一般心理学:心理学研究法 (21)

yougokaraoboeru

量的研究

量的研究とは、数値で表現されたデータに基づく研究で、統計的な分析をもとに仮説の検証を行うもので自然科学に代表的な論理実証主義に基づき、厳密な実験デザイン・標準化された尺度を用いるもの。量的研究に対し、質的研究がある。

Continue reading...
yougokaraoboeru

アクションリサーチ

アクションリサーチとは、1940年代にレヴィン・Kによって提唱されたもので、グループ・ダイナミックスに基づいて、産業、経営工学、社会心理学の分野で進められた実践と研究を統合した研究法である。具体的には、問題の共有と定義から、具体的な実践計画と実践、結果の分析、実践の評価と次への課題、研究発表という形をとる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

横断的研究

横断的研究とは、発達研究における主要な方法のひとつである。研究法は、短期間に異なる年齢集団に属する被験者(群)を観察・測定することで発達的変化の実態を捉えようとするもの。横断的研究の長所とは、短期間に少ない労力・費用で多数のデータが 得られまた測定変数を変えて探索的研究ができること。短所は、個人の発達の軌跡が把握できず、対象年齢群の県境や資質の等質性を維持することが、難しいことである。よって縦断的研究との併用が望まれる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

縦断的研究

縦断的研究とは、発達研究における主要な方法のひとつである。研究法は、同一被験者(群)を長期にわたって継続的に観察・測定することで変化・発達の原因を探るもの。縦断的研究の長所は、複雑で個別的・経年的な発達経過、環境の影響や歴史的条件など を明らかにできることでダーウィン依頼、発達研究の基本とも言えるものであるが、短所としては、時間・費用・労力がかかり、少数のデータしか得られず、対象を長期間、追跡・保持するのが難しいことである。よって横断的研究との併用が望まれる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

観察法

観察法とは、心理学における最も基本的な研究法のひとつである。大きく分けてふたつ、自然的観察法と実験的観察法がある。またフィールドワーク、臨床的な事例研究においては、参加観察がその中間形態として重要となる。自然観察法は、仮説設定の準備段階にあたるもので、観察対象を、できるだけ主観を加えずに正確に記述し記号化するものである。一方、実験的観察は、仮説検証のため、独立変数の操作を行い従属変数となる対象の行動や状態の変化を観察測定するものである。

Continue reading...
yougokaraoboeru

コホート分析

コホートとは、本来古代ローマの歩兵隊を意味するものであるが、1940年代以降、人口統計学などの分野で「一定の時期に人生における同一の重大な出来事を体験した人々」の意味で用いられるようになる。コホート分析では、このようなある共通の特性を持った集団について継続的に追跡調査を行うことにより、コホートの下位集団についてのコホート内比較・分析、他のコホート集団との比較・分析が行われている。

Continue reading...
yougokaraoboeru

参加観察法

参加観察法とは、古くから文化人類学や社会学のフィールドワークで、用いてきた研究法で、研究者自身が研究対象となる現場に身をおいて、状況内部から観察したり、共通体験を持ったりすることにより、生態学的妥当性の高い現象把握を行うものである。社会学・教育学などの実践研究では、アクションリサーチとして位置づけられている。

Continue reading...
yougokaraoboeru

実践計画法

実践計画法とは、1920年代フィッシャー,R.A.によって導入された研究法である。具体的には、被験者を実験群と統制群、あるいは実験群と対象群に振り分け、ある因子(要因)に関して実験操作を行い、それぞれの反応を測定すること。しかし同じ条件でもデータにばらつきが生じるものであり、この偶然変動による誤差を最小にする為に、繰り返し・無作為化・局所管理の原理に基づく乱塊法・ラテン方格法・多因子要因計画などが開発され、そこから得られたデータの分散分析によって各種因子が検出されることになる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

実験アプローチ

実験アプローチとは、仮説となる要因を独立変数として他の条件をできるだけ統制した上で、結果となる従属変数との関係を見ること。内的妥当性は高いものの、限定された条件のもとでの結果となる為、外的妥当性に欠けるものである。

Continue reading...
yougokaraoboeru

相関アプローチ

相関アプローチとは、同一の被験者群から、操作を加えずに2つ以上の変数を集め、その変数間の関係をみること。個人差を対象として、変数間に因果関係だけでなく様々な解釈を許すもの。

Continue reading...
yougokaraoboeru

事例研究法

事例研究法とは、一事例あるいは少数事例について調査・テスト・実験・面接・観察などを通じて、対象の個性的・全体的理解を追及する方法である。記述にあたっては、質的・量的データも利用することにより、包括的な対象理解が必要。さらに他の事例を比較考察することで、モデル形成を目指す統合的事例研究法が提唱されているのである。

Continue reading...
yougokaraoboeru

双生児法

双生児法とは、身体・心理・行動発達に対する遺伝と環境の要因を明らかにするために、双生児を用いる古典的な方法である。遺伝子を100%共有する一卵性双生児の相関と約50%共有する二卵性双生児の相関とを、環境変化のもとで比較することで、その発達形質の遺伝性を見る。

Continue reading...
yougokaraoboeru

単一事例実験

単一事例実験とは、一人の人間を被験者として行われる実験デザインである。臨床や教育など、多くの被験者を集めにくい領域での研究や、個人内の変化に着目する研究で、広く用いられる。特にスキナー,B.F.の動物を対象とした実験的行動分析、人間を対象とした応用的行動分析などでは、処遇導入前の測定であるベースラインから処遇による変化をグラフから読み取るもので、ABデザイン、ABAデサイン、ABABデザイン、多重ベースデザインなどを開発。

Continue reading...
yougokaraoboeru

調査法

調査法とは、観察法・実験法・テスト法と並ぶ科学的データの収集法である。心理学において、性・年齢・性格・知能・生活環境など、変数操作が困難なものについて相関研究を行うのに用いられている。事例研究とは対照的に、多数の対象に質問紙法や面接法を実施し、得られたデータを統計的に処理し、一般的傾向を導き出そうとするもの。

Continue reading...
yougokaraoboeru

テストバッテリー

テストバッテリーとは、個人の心理的諸側面を理解するために、複数のテストを組み合わせて実施すること、及び組み合わされたテスト全体を指し、単一テストの限られた情報に対して、多面的に情報を得ることができることである。具体的には、①重回帰方程式を用いるもの、②複数の臨界点を設けるもの、③臨床的判断によるものなどがあり、テスト結果を有機的に組み合わせることで、総合的・力動的に対象を理解していくこと ができる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

テスト法

テスト法とは、個人に対して一定の条件のもとで決められた課題を課し、それに対する解答や反応を一定の基準に照らし合わせて、量的あるいは質的に記述する組織的なデータ収集法である。テストには、母集団との比較が可能な標準化テストと、不可能な非標準化テストがある。標準化テストには、知能テスト・学力テスト・性格テストなどがあり、非標準化テストには、態度や価値に関する様々な質問紙・評定・ソシオメトリー・ 投影法などが含まれる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

ナラティブ分析

ナラティブ分析とは、研究対象者の語る自らの経験や人生について語り、物語であるナラティブを対象者に即して読み解いていく作業である。臨床心理学では、アメリカにおける家族療法の発展の中で、システム論に代わり、80年代末から脱構築の思想とともにナラティブセラピーが提唱され、セラピストとクライエントとの対話を通して新たな物語の共同制作を行っていくことが目指されている。

Continue reading...
yougokaraoboeru

フィールドワーク

フィールドワークとは、参加観察を用いた調査研究で、文化人類学や社会学の主要な研究法のひとつである。研究者の客観性・中立性を求める自然観察とは異なり、研究者自身が観察現場に居合わせ、集団とのラポールを形成し、集団の一員としての役割を演じることによって、感覚・身体・実体験を通してフィールド全体の理解を目指す。研究に先立って充分な事前調査も必要であるが、積極的参加者としての研究者の姿勢が何よりも問われる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

プロトコル分析

プロトコル分析とは、観察対象者により言語として発話されたプロトコルデータの詳細な分析を通じて、対象者の内的認知過程を分析する認知心理学の方法である。内観分析と会話分析がある。内観分析は、ヴントの内観法の認知心理学からの見直しで、問題解決場面での認知主体者の認知的処理・変容過程を推測するもの。会話分析は、言語学における談話研究やエスノメソドロジーにおける方法で、二人以上の主体者のコミュニケーション過程を分析するもの。

Continue reading...
yougokaraoboeru

面接法

面接法とは、一定の場所である目的の為に、対象者と対面して話し合い、観察する方法である。言語・非言語コミュニケーションを通じての対象理解である為、対象者とのラポールが最も重要となり、また対象理解も、より全体的でより深いレベルのものとなる。

Continue reading...
yougokaraoboeru

質的研究

質的研究とは、記述的なデータを使って、量的なものに還元できない言語的・概念的分析を行うもので、エスノメソドロジーを始めとする様々なフィールドワークに代表的な現象学的視点に基づき、探求的・仮説生成的・関与的なアプローチを取るもの。質的研究に対し、量的研究がある。

Continue reading...