現象学

現象学とは、本来物自体と区別された現象の学を示すもの。人間の認識は、カントにとってはこの現象界に関わる経験的な実在的なものであり、ヘーゲルにとっては絶対精神の発現である意識の発展段階の記述を示すものであった。しかしフッサール,E.は、20世紀初頭、実証主義・心理主義・生の哲学・歴史主義などを批判し、現象の真ある普遍的認識の基礎を求め「事象そのものへ」回帰することを提唱。具体的には、現象学的記述・還元・判断停止などの方法により、志向性・生活世界・間主観性などの概念を提出、心理学・精神病理学・社会学・教育学など広く現象学派を形成。