生涯発達心理学

従来の発達心理学は、乳幼児・児童・青年を対象として、身体的・
精神的・社会的成長に伴う変化を見ることを目的としていたのに対し、
中年期・老年期まで広げて、認知的にも学的知だけでなく生活知の
あり方として多面的知能の面から、生活史・伝記的要素も取り入れて
個人特異的要因を考慮した多面的な人間理解を行うとするものが、
生涯発達心理学である。発達の方向性も、成長・獲得と衰退・喪失
といった二面性、可塑性とその限界、普遍的発達と社会文化・
歴史的文脈の要因などを持つため、学際的要素が強いものと
なっているのである。