現存在分析

現存在分析とは、フロイトの弟子であったビンスワンガー,L.とボス,M.により創始された精神医学の学派、及びそれに基づく心理療法のこと。人間を客観対象化する自然科学的・還元主義方法をとった20世紀初期の心理学と精神医学を批判し、世界内存在としての人間を直接にありのままに理解しようとする現象学的立場を強調した。フッサールの現象学やハイデッガーの存在論を基礎として、クライエントの内的世界を重視し、同じひとりの人間として見ていこうとする。この姿勢は来談者中心療法と共通する。