パラダイム

パラダイムとは、科学理論の歴史的発展を分析するため、1960年代、クーン,T.S.により提唱された概念である。科学者共同体に共有されている科学理論の基本的枠組を指す。この基本的枠組は、問題の設定・解法を含み、教科書・教師・啓蒙書などを通して学習され、「通常科学」を形成する。この通常科学の範囲では、パラダイムは意識されることはないが、新しい科学理論が生まれようとする時や、時代・社会・人間集団が異なるときには、同じ概念について語っていても、理論的枠組が異なることで、語り手は全く異なる意味を考えているという、共約不可能性の問題が生じることとなる。