 作者がもっているラテンアメリカについての基礎知識をまとめてみたもの |
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1.アメリカ大陸について 2.アメリカ大陸の発見と開拓 3.ラテンアメリカ地域 4.ラテン人とラテンアメリカ人
1.はじめに 2.スペイン語 3.ポルトガル語 4.フランス語 5.グアラニー語
1.ラテン文化 2.ラテン音楽 3.踊り、舞踊、ダンス 4.ラテンアメリカ料理 5.ラテンアメリカの格闘技 6.ラテンアメリカの民芸品
1.最強事業家：カルロス・ゴーン 2.隠れ天才： ルベン・ブラデス
ブラジル パナマ パラグアイ アルゼンチン
国際サバイバル道場 ユートピアへの挑戦    |
アメリカ大陸は、1492年にイタリア人のコロンブスがスペイン女王の財政支援のもとに計画された探検によって発見されました。そしてこの大陸の開拓が始められたのもスペインによるものでした。コロンブスが「新世界」に初めて到達したとき彼は自分が「発見」した土地は中国や日本がある東洋だと信じていたので、その土地を「インディアス」と名づけました。この「インディアス」は「インド」ではなく、広く東洋一般を指していました。 「アメリカ」という名前は、その後南米を探検し新大陸の全体像の地図を作りあげたイタリア人「アメリゴ・ベスプッチ」の名前にちなんでつけられました。 マンネリ化した変化のない文化生活で刺激を求めていた15世紀のヨーロッパは、インディアスから入ってくる香辛料や嗜好物、食材、陶芸品や生地などに高い関心がありましたが、それを商っていたのは中東のアラビア人たちでヨーロッパ人が東洋へ出かけることは大変でした。だからあのマルコ＝ポーロの「東方見聞録」も、このようなヨーロッパ人の欲求をますますかき立てました。 
また、異教徒であるアラビア人の手になる東方貿易では、費用がかさみ、入手も不安定なところがありました。ここに異教徒が支配する地中海東部を通らないで直接、アジア特にインドと交易をしようとする欲求が生まれたのでした。そしてこれが、当時ヨーロッパの２大勢力であったスペインとポルトガルの大航海進出の直接的動機でした。一般にはコロンブスによるアメリカ発見が知られていますが、実際にはコロンブス以前にポルトガルの探検船隊がアメリカ大陸を発見していたそうですし、ノルウエーのバイキングたちもグリーンランド経由で北米にたどりついていました。ただこれらのような小国は、その新しい世界を探検し、開拓する財政力も十分になかったため、公表すれば他国に取られてしまうことを恐れ、新大陸発見を隠していました。
一方、先住民の子孫にとっては、ヨーロッパ人が入ってきた時にこの大陸の文明は終わったと言われ、今でもコロンブスがアメリカ大陸を発見した記念日である１０月１２日は、ヨーロッパ系移民の子孫たちがお祝いをする一方で、先住民にとっては悲しい日として喪に服した行事を行うところがあります。 しかし、たとえヨーロッパ人による略奪や搾取がなかってとしても、この大陸の先住民たちの中にも他の部族を侵略し奴隷にして自分たちの勢力を広げていく歴史があり、そしてそれらの部族が奴隷とした他部族の労力を使い広大な帝国を築いていたので、ヨーロッパ人の侵略がなければ新大陸は平和な楽園だったとは考えられないでしょう。 それどころか、この大陸にさまざま国から様々な人種や、宗教、文化が入り込んでグローバルな共存社会が誕生したことは地球レベルから見れば、有意義な転換だったのではないでしょうか。 一般には北米はアングロサクソン人が開拓し、中南米はラテン人が開拓したという感じで認識されていますが、実際にはアメリカ大陸は、1492年にコロンブス率いるスペインの探検隊によって発見されてからスペインの領土として、スペイン国王の名のもとに領土探査と開拓が始められたのでした。そして1513年からメキシコやパナマを拠点として北米探検に繰り出し、フロリダからカリフォルニアまでの北米南部地帯を次々と開拓していました。イギリス人の殖民が始まったのは1世紀近く後の1607年です。現在知られた北米のカリフォルニアから、アリゾナ、オレゴン、テキサス、ニューメキシコ、フロリダなどは元々スペイン人が承認された領土として先に開拓していたのです。しかしスペインは当時他にもカリブ、中米、南米とあまりにも広範囲な地域を開拓していたため、後から入ったイギリスとの北米での領土争いにはかなわず、多くの領土を失い、さらに独立後のアメリカにも取引で譲渡されたり、売られたりして北米南部地域は現在のアメリカ合衆国に吸収されたのでした。だから今でもその地域の地名はスペイン語の名称なのです。 つまりアメリカ大陸における西洋文化の進出（侵略？）と発展はスペインやポルトガルのラテン人の冒険心と勇気（野心と無謀性？）によって始まったのです。そしてラテン人の冒険心と積極的な行動力が新しい世界への道を切り開き、現在のパワフルで発展的な文化圏を誕生させるに至ったという興味深い事実があったのでした。 |