- ラテンアメリカのお国案内 -
作者が赴任したラテンアメリカのお国を案内するサイト
■はじめに| ■案内| ■概論| ■文化| ■ラテンパワー| ■投資| ●リンク| ◆掲示板| @メール| ★管理者|
■パナマ| ■ブラジル| ■パラグアイ| ■アルゼンチン| ■ラテンアフリカもいかがですか|

南米の楽園パラグアイ

Counter
Since 2003.4

目次


パラグアイ国一般情報

 1.パラグアイ概要
 2.基礎データー
 3.ブロードバンドTV情報
 4.パラグアイ経済の基礎
 5.パラグアイ社会の特徴
 6.観光名所
 7.歴史
 8.生活スタイル
 9.関係リンク


パラグアイの魅力

 1.木から女が降ってくる国
 2.グアラニー文化の遺産
 3.イエズス会の理想郷
 4.メノニータたちの独立村
 5.パラグアイの英雄チラベル
 6.グアラニー語


パラグアイの報道

 1. 日系ジャーナル
 2. El Diario Noticias
 3. ABC Color
 4. Ultima Hora
 5. La Nacion
 
パラグアイの情報サイト

 1. LANIC
 2. LatinWorld: Paraguay
 3. Governments on the WWW: Paraguay
 
パラグアイでのロングステイ

 1. 国際協力ボランティア型


2003年2月25日作成

ご意見・ご質問などは
  [email protected]








パラグアイ社会の特徴


パラグアイの首都アスンシオンの夜景



 パラグアイは強い産業もなく、観光的にも特に目玉となるようなものもありませんが、長年安定が続いた政治、経済そして社会環境などがヨーロッパやアジアの騒がしい環境に疲れた人たちをひきつけてきました。日本からも一旗千金を狙った人たちとは対照的になにもしない平和な老後生活だけを求めて移住してくる人も少なくありません。

 そうです、パラグアイは静かな田舎といったイメージのあるところです。もちろん首都アスンシオンには、先進国なみのデパート、ショッピングセンター、スーパーマーケットなどの買い物をする場所や、各種のクラブ、スポーツセンターなどの娯楽施設もあり、日本と比較すると物価が安い分、日本なみの収入があれば、日本より贅沢で高級な暮らしができます。しかし、たとえそうはいかなくても、つまり、現地標準の収入で暮らすことにしても日本よりはゆとりのある生活ではないかと感じる人が多いようです。

 パラグアイの安定した社会環境と治安の秘密

 パラグアイの昔からの魅力のひとつは、安定した社会環境と治安の良さでした。しかしそれには、アンダーグラウンドビジネスと背中合わせのような一体化した政府機関の特殊な構造があったのでした。それは密輸とか、麻薬取引とか、偽造産業とか、途上国では珍しくない裏ビジネスがパラグアイでは、暗黙の了解の下に表のビジネスと背中合わせで存在し、パラグアイでは表の経済以上に大きいといわれていました。

 多くの場合、政府関係者のサイドビジネスとしてしっかりとしたルールやしきたりのものに管理された独占ビジネスとなるので縄張り争いや、紛争などのない平和な社会環境を作り上げてきました。

 ところが、軍事政権が終わり、民政化が進むにつれてこの伝統が崩壊するにつれ、治安の悪化が進み、最近ではコントロールのない犯罪が多発するようになっています。

アンダーグラウンドビジネスの原因

 パラグアイは海に面しておらず、農林業以外には、大した産業もありません。19世紀後半、当時の大統領が帝国建設を夢見た結果、周辺のアルゼンチンとブラジルという2つの大国に対して無謀な戦争を挑み、壊滅的な敗北をして、国土の半分を奪われ、人口も戦死と領土割譲によって半分以下に減ってしまったという歴史もまた、パラグアイの貧しさの原点になっています。また隣のブラジルやアルゼンチンが工業化していますが、彼らとの工業製品の競争に入ることは難しいため、地理的立地条件を生かして流通拠点となりました。

 これらの背景があるため、アンダーグラウンド方面の活動で食っていかざるを得なかった、ともいえるようです。人口約500万人のパラグアイの国内総生産は、表向きは100億ドル弱ですが、これとは別に、統計に表れない地下経済が120億ドルほど存在していると推測されています。

 海賊版の生産流通のほか、武器の国際流通、隣国ボリビア産の麻薬の取引、マネーロンダリングなども盛んなようです。


2足わらじの公務員職

 最近はだいぶ改善されてきたようですが、パラグアイの国家公務員の給料は伝統的に最低労働賃金の半分とか、四分の一といった考えられない額が支払われたりしていました。
 これはパラグアイ人が伝統的に農牧業を営んできたため、公務員といえど農場や牧場をもち、自給自足ができたため、公務職は社会的な地位と権力を得るものとして捉えていた部分があったようです。(田舎にいけば今でもそういう感覚は残っている)そういう経緯からか、現在では牧場や農場を所有できる人間は少なくなりましたが、公務員は副業をもったり、アルバイトをしたりできる風習があります。そのため、役所関係は午前中の半日だけというところがまだ多いようです。
 特に税関職員や警察官などの半日勤務で対応できない現場の職員は、別に副業をもつことが難しいので賄賂を収入の補充にあてることで組織の暗黙の了解が出来上がったようです。
 しかし、一方で有能な技術者や特殊技能者を確保する時には2−3人分の給料をあてがってその人材を維持しようとします。その代わりその人間は責任も増えて時間的な自由は効かなくなります。

 パラグアイにはヤクザやマフィアが育ちませんでしたが、それはそれらの裏経済を牛耳っているのも軍人や公務員だったるすることが多いからです。権力をもった人間が裏ビジネスをすれば他のものは太刀打ちできません。そういうわけで、警察官や軍人が水商売や夜の風俗ビジネスの経営者だったり、店長だったりすることは珍しくありません。昼はのんびりとあくびをして平和なおまわりさんは、実際夜の副業が忙しいため、昼はエネルギーを充電中ということもあるわけです。 

 そしてこれらの裏ビジネスにがんばる警察官、政治家、そして「賄賂」や「袖の下」で仕事をする公務員などと話をすると、「こうでもしなければ食べていけない」というしかたのない現状を見せられます。「日本の建設業界の談合風習」などよりもっともっと深刻な、厳しい実状をみせられると「しかたがないか」となっとくさせられてしまいます。
 ですから公務員に払わなければならない賄賂も、こちらも苦しければ、事情をはなして負けてもらうことができます。一例としては、市役所が財政が苦しくなると、交通警察の取り締まりが厳しくなり、収入を増やすためになんでもかんでも適当に不当な罰金を課せられることがありますが、警官のほうから「罰金は高いので五分の一の賄賂にまけてやる」と持ちかけられますが、こちらの事情も大変な時には(金が全然無い時)事情を話せば全額許してもらえることもあり、日本の人情や情けなどより、もっと太っ腹の「アミーゴの世界」がよく見られました。(最近は少ないようですが)

アミーゴの国

 そういうことで、パラグアイでは、アミーゴ(友だち)こそ一番の財産だといわれますが、それは人間同士のレベルだけではなく、国と国との関係でもよく言われます。
「日本はアミーゴだから特別にしてあげます」ということをリップサービスとして聞いていましたが、実際にはヨーロッパ系やアメリカ人にはそういうことは間違っても出ないとのことでした。ですから外交上でも「日本はわが国の友好国(アミーゴ)だから」といって本当に融通を利かせてもらうことが多く、日本人はこの国では大変優遇されています。



Hosted by www.Geocities.ws

1