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教育内容
自分を生かす職と芸





 「スイスの聖者」と称される法学者で思想家のヒルティーは「自分の仕事を知り、それをなせ」と言いました。

   「人生での本当の幸運」とは宝くじにあたることでもなく、買った土地が暴騰することでもなく、試験でやまがあたる程度のことではありません。自分の「天職」を見つけることです。自分がこの世の中で何をするのかという自分に相応しい仕事を見つけられること以上の幸運はないのです。

 しかし、もし自分の本当に好きなことが音楽とか、演劇とか、芸術とか、または天文学や考古学の研究など特殊で社会的ニーズが小さいものであれば、好きな仕事以外に社会のニーズから自分が比較的向いている仕事をもつ必要があるでしょう。芸術やを学問的研究職を仕事として暮らせる人はごく一部なのです。しかし、本当に好きなことならあきらめる必要はありません。事業家となってお金持ちになれば好きな芸術や研究は趣味で楽しめるようになり、またそれから職業として成功させた人もいるからです。

 1. 技能教育/師弟関係による技術伝授の職業訓練

 我々が住む現代社会は、過度な販売競争や宣伝競争による結果として出来上がった、資源やエネルギーを無駄に使う「多量消費型社会」です。しかし、資源には限界があり、エネルギーを集める力と容量にも限界があることを理解すれば、いつまでも続くものではないことが分かります。
 バブル景気のような一時的な社会ではなく、持続可能な発展を続ける社会とは資源やエネルギーを大切にし、消費を減らすだけではなく、できるかぎり再利用することで自然がそうであるように、「持続的循環型消費社会」を作らなければならないと思います。
 つまりこれからは新しいものを生産するよりも、既に生産されたものをどれだけ有効に使うか、または再活用するかということが重要になってくるものと考えます。そしてそのためには、電気製品や自動車などを整備できる人間、またはそれを改造して別なところで新しい活用をできる人間が必要だと考えます。
 コンピューターは使い捨て道具のような感覚で普及していますが、廃棄物処理上の問題で他の電気製品や家具類と同じように環境の汚染源になってきています。リサイクル思考が強まっている中でパソコン整備の技術や個人ベースで開発技術をもった人間が必要になってきます。
 そのために優秀な職人が必要とされる時代が来ています。私が尊敬する松下幸之助は生産メーカーが社会に大きな役割をもつ時代に入ることを確信し、企業家の使命として物の生産に励みました。しかし次の時代は生産よりもあるものを有効活用、再利用、リサイクルする職人やサービス業の時代に入るのではないかと考えます。

 ベテラン職人より直接学ぶ師弟制度

 本学園では、学生はまずなにになるか自分が従事したい職業を決めて(決まらなければ試し的に)その仕事を学ぶための師匠に弟子入りさせます。

 日本のシニアボランティア制度を利用したり、または直接スカウトしたベテラン職人などを集めて教師たちとは別に師匠陣を作り、それぞれの弟子達を手伝わせながらいい仕事をして金を稼ぐことに繋げていく努力をもって弟子育成をします。ラテンアメリカで腕のある職人が弟子を育てようとしないのはメリットがないどころかライバルを作ってしまうことになるからであるが、私の考えでは、弟子が独立できどんどん仕事をして収入も増やせるよう師匠は独立から独立後においても指導をし面倒をみる代わり、弟子の稼ぎの10%は師匠にいくように制度化する。 稼ぎの多い弟子が12ー3人育てば師匠は余生を左うちわで暮せる(その弟子も自分で弟子を育てて早く楽ができるようにがんばるといった発展性がある)。それが確実に成り立つシステムを長年考えてきました。



 独立資金の融資制度

 そしてこの多様な職種にまたがる師弟グループを自立させるための財政バックアップの組織をつくる必要もあります。これには日本政府や米州開発銀行、国際機関などにある中小企業育成基金のような制度をうまく利用するのが得策ですが、そのためにNGO組織を中核に据えて中小企業を育成するという形で独立した職業活動を展開していくのが今の時勢にあったやり方かと考えています。

 師匠が保証人

 しかしこの弟子たちが卒業し、独立資金の融資を得られるためには、まず師匠が始めに弟子の保証人になることで、弟子が独立する時のリスクを一緒に負う制度にします。これでは中途半端な指導はできませんし、また独立させるために自分の全ての経験と知識を注ぎ込んで成功させるための万全の努力をしなければなりません。つまり師匠が、弟子の成功を確信できなくては卒業させられないシステムです。
 もちろんこのためには、師匠が実際に成功した職人でなくてはなりませんし、実際社会から認められた腕と経営能力を弟子達に見せれなくてはなりません。

 相互支援の組織

 そしてこの職業には技工系のものだけではなく、商売もサービス業も全部このシステムで人を育て、経済的自立から独立した企業へ成長させていく訳ですが、しかし一方では外部の不正な競争や悪質な手段で圧力や攻撃をかける企業や組織に潰されないための助け合える組織を作る必要もあります。


 学生時代から私にはユダヤ系、アラブ系、華僑系の人間たちとの広範囲にわたる縁があり、友人が沢山います。かれらのサバイバル感覚から多くの影響を受けていますが、私はかれらの民族的サークルには入れないので、あらゆる民族や文化、思想を受け入れた教育機関を作ることを考えてきました。
 多様文化、多様民族を一つにまとめてしまうのではなく、民族的アイデンティティーやそれぞれの伝統文化をお互いに尊重し、共存することのできる共存型国際社会モデルともなる学園として考えています。




 2. 国際人教育/語学と文化訓練

 国際化社会に通用する人間となるために、当学園では語学教育と多様な文化理解たのめの学習に力を入れます。それは異なった国の人間や違った文化伝統をもつ人間と一緒に働いたり、暮らしたり、協力しあったりする上で重要となるものがコミュニケーションだと考えるからです。そしてそれには相手の言語をどれだけ理解でき、そしてその言語でどれだけ自分の考えや気持ちを伝えることができるかというのが基本となります。しかし一方では、適切で正しいコミュニケーションを成立させるためには共通の常識となる文化土俵にたつ必要がありますが、このためには相手の文化についての幅広い知識がなければなりません。

 相手の考え方をどれだけ理解できるのかということは大切です。
そのためにはまず、相手の人間の文化を知ることは基本ですが、相手個人の教育と仕事なども知らなければならないし、さらに思想や信仰なども知ることができれば理解力がますことでしょう。

1) 言語学科
当学園では訓練コースにおいても必修科目として母国語以外の二つの言語を学びます。 スペイン語、日本語、英語、ポルトガル語を中心に、中国語やロシア語、その他の現在の国際社会の需要に合わせた言語教育をネイティブな教師を揃えて行います。

2) 国際文化学 (比較民族、比較経済、比較政治、比較宗教他)
世界にある様々な文化、民族などを幅広く知る事で視野を広げ、偏見や間違った先入観で人や地域を判断せず、自分がかかわり合いをもつ人間をポシティブに理解でき、違いを受け入れ尊重しあえる共存性を育てることを目標にします。



 3. 危機管理教育/武道訓練

 現代社会のグロバリゼーションによるの地域社会の国際化、民族多様化などは、同時に多くの社会問題も増加させ、途上国社会の貧困問題が先進国にも影響したり、犯罪者の進出などが見られたり、社会の野蛮化がアメリカ、ヨーロッパ、日本などでも年々増えているのが見られます。これについて日本では今まで国や地方行政の仕事として治安管理がなされていましたが、最近になって個人的危機管理の必要が認識されるようになってきました。「人をみたら泥棒と思え」という諺があるように人間はたとえ、いい人であっても「背に腹は代えられない」ということばもあるように、問題や必要によって変わってしまうことがあるのです。

 この不安定な人間の性質と社会の傾向をよく見極めことも大切です。そしてこれに対する対応能力というものを身につけねばなりません。これは日本に住む日本人は途上国の人間から学ばなければならない常識が沢山あります。この中には「自分の身は自分で守る」という国際社会の常識なども含めたサバイバル常識を学ぶ必要があります。

 当学園では毎日の体操に空手や剣道などの基礎訓練を取り入れ、体力強化と、護身術習得、反射神経強化、人を見極める眼力訓練などを促します。そして好きな武道やスポーツなどのクラブ活動を奨励し、外部組織との交流をも図ります。

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