脂肪酸代謝の第一段階。
結局、脂肪酸がCoAとエステルを生じる反応だが、当然エネルギーが必要である。
そのエネルギー源として、ATPを使用するため、反応は2段階反応となる。
反応の第一段階は、脂肪酸が直接ATPと結合する反応。
この反応では、ピロリン酸が生じるので、これにより、反応全体が推進される事が分かる。
次の段階として、CoAがアシルAMPを攻撃し、アシルCoA を生じる。
反応は2段とも可逆反応であり、系全体の平衡定数は、ほぼ1である。
しかし、ピロリン酸の加水分解が起きることを考慮すると、反応が逆行しない事が分かる。
また、生化学に関する一般的な事項として、「カルボキシル基の活性化を行なう際に、中間体として、酵素と結合したアシルAMPを生成する」事があり、この反応も、その一種と言える。他に、タンパク質合成時にも、同種の反応が見られる。