エステルとは「酸のOHをORで置換した化合物」というのが正式な定義ですが、これじゃ訳が分からないですよね。
一般論で話を始めると、難しいので、まず一般論や厳密さを無視して、具体例で話をしましょう。
酢酸とメタノール(メチルアルコール)を混ぜて、濃硫酸を加えて加熱します。 (この場合の濃硫酸は脱水剤です)
こうしてできた、をもつ化合物を、エステルと言います。(本当はそうとは限らないけど、取り敢えずそう言っておきます)
この場合、酢酸とメタノールでできたエステルで、酢酸メチルと言います。エステルの名前は、原料になったカルボン酸とアルコールの名前を、(カルボン酸を先にして)つないで名前とします。
どういう時にこの結合ができるかと言えば、カルボン酸とアルコールを混ぜて脱水すればできますよね。
ですから例えば他には、
こんなものがあります。(酢酸フェニルはカルボン酸+アルコールではないですが、やっぱりエステルですね)
エステルとは一般に、難水溶性です。
またエステルは一般に良い香りがしまして、果物や花の香りの元なんです。
例えばバナナの香りは「酢酸-n-ペンチル」が香りの元ですし、パイナップルは「酪酸エチル」が香りの元です。
また、エステルを合成する事を「エステル化」と言うのですが、この反応は有機化学の後半で、とても大切なので、気に留めておいて下さいね。
では、エステルの各論に進みましょう。
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