TCA 回路では、一周する間に、2個の二酸化炭素を放出して、クエン酸からオキサロ酢酸に変化する。
この過程での二酸化炭素放出には、ジカルボン酸熱分解の過程を利用している。
例えば、 イソクエン酸 → オキサロコハク酸 → αケトグルタル酸 の過程、
を詳しく見ると、
となり、これはマロン酸の熱分解と全く同じ過程である事がわかるだろう。
なお、イソクエン酸 → オキサロコハク酸 の段階では、NAD+による脱水素酸化が行なわれているので、ATP の産生に直接関わっている段階である。
もう一段の、二酸化炭素放出過程は、上の反応の直後に続く反応である。
これは、カルボニル基の正に帯電した炭素に対するSN2反応である。
この段階も、二酸化炭素を放出すると同時に、NAD+による脱水素酸化が行なわれているので、ATP の産生に直接関わっている段階である。