例えば、糖尿病においては、細胞がグルコースの正常な取り込みを行なえないため、細胞飢餓状態に陥る。
このため、脂肪を代謝して、エネルギーを補おうとする。
このように、糖と脂肪酸の消費バランスが崩れると、体内にケトン体が蓄積され、ケトーシス、ケトアシドーシスを生じる。
以下、その事に関して説明する。
糖尿病や飢餓状態では、オキサロ酢酸が、グルコース再生に使用されるため、濃度が低下する。
TCA回路を考えると、オキサロ酢酸の濃度が低下すると、アセチルCoA が余ってしまい、濃度が上がる。
そのため、余ったアセチルCoA を減らすため、別な経路が作動し、ケトン体が生じる。
ここでケトン体とは、アセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸(D-3-ヒドロキシ酪酸)を指す。
これが酸性を示すので、血液予備アルカリを低下させ、アシドーシスとなる。これがケトアシドーシスである。
ケトアシドーシスは、吐き気、嘔吐等の症状を呈し、最重症になれば昏睡をきたし、予後不良となる。