カルボン酸でありケトンであるのが、「ケト酸」である。
中でもα位(カルボキシル基が直接付く炭素)にケトン基があるのが「αケト酸」、β位(カルボキシル基が直接付く炭素の隣の炭素)にケトン基があるのを「βケト酸」という。この2種類は、生体反応に重要である。
以下に、その重要な生体反応の一例を記す。
ピルビン酸は、もっとも構造の易しいαケト酸である。
この反応は有名であるが、いずれにしても、脱炭酸が起きやすい事が覗えるだろう。
脂肪代謝で重要な反応。
βケト酸の主反応は、脱炭酸反応である。
その際、脱離するのは、カルボキシル基の部分である。
この反応は、マロン酸の熱分解に極めて似ている事に注意。
二つのエステルからβケト酸を合成する方法で、原理はやはり、カルボニル基のα水素が脱離し易い事による。
最初に、α水素を引き抜く必要があるので、強塩基触媒を用いる。
アルドール縮合と比べてみよう。