確証バイアス

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確証バイアスとは

確証バイアスとは、自分に都合の良い情報を求め、自分に都合よく情報を解釈する傾向のこと。

自分の考えに反する情報を無視します。

つまり、人はすでに信じていることを確認する情報を好むため、一度納得したことはなかなか断ち切ることができないということです。

例えば、ある人が「左利きの人は右利きの人よりもクリエイティブだ」という信念を持っているとします。

この人は、クリエイティブな左利きの人に出会うと、自分がすでに信じていることを裏付ける証拠をより重要視してしまうのです。

この人は、その信念をさらに裏付けるような証拠を探し、その考えを支持しない例を無視することもあります。

確証バイアスが起きる原因

情報を効率的に処理するため

確証バイアスは、利用可能な情報を十分に処理する能力が限られているために、情報を中立的かつ科学的に解釈することができないことが原因で起きます。

良く言うと確証バイアスは、情報を効率的に処理する方法だと言うことができます。

自尊心を守るため

ある人があることを信じていて、その信念が間違っていることが分かったら、その人は悪者にされます。

そのため、自分の考えが正しいことを示すために、自分の信念を裏付けるさまざまな情報を探す傾向があります。

認知的不協和の解消のため

認知的不協和とは、互いに矛盾する2つの信念を持ったときに起こる心の葛藤のことで、不快な気分にさせます。

例えば、タバコは健康を害するのでやめたいけどやめられない喫煙者は、タバコを我慢することはストレスになるので良くないという情報を信じます。

このように自分とって都合がいい情報を信じます。

確証バイアスの事例

犯罪捜査

刑事が捜査の初期の段階で容疑者を絞ると、対象の人が犯人であることの証拠ばかり探そうとします。それを否定する証拠を探そうとはしない。

医療

医療従事者は病気の初期診断にうのみにして、その初期診断を裏付ける証拠ばかりを探すことになるかもしれません。

広告

薬の広告にはほとんど食事、運動などのヘルスケアメッセージに関する情報が含まれていないため、広告を見た人は運動、食事や他の健康的な行動は効果がないか、薬よりも重要でないと感じることができます。

インターネット

検索エンジンやソーシャルメディアでは、ユーザーが好む情報だけを表示する「フィルターバブル」を使用することで、確証バイアスが強固なものになっていきます。

確証バイアスに関する実験

子どもの親権に関するフィクションの物語に対して、被験者がどのような反応を示したかという実験が行われました。

被験者には親Aは平凡な子育てをし、親Bは子供と仲が良いが仕事で頻繁に子供と離れていると説明しました。

その後、どちらの親が親権者にふさわしいかという質問をすると、大多数の参加者が親Bと答えました。

この結果は、質問に基づいてほとんどの人が肯定的な態度だけを見るということが分かりました。

なぜなら「親権を与えるべきではない親はどちらか」という質問に対しては、ほとんどの人が親Bと答えたからです。

この場合は、マイナスの質問に基づいて、人はマイナス面ばかり見ていることを意味します。

確証バイアスは危険

確証バイアスにとらわれることは、異なる視点から物事を見ることを拒否することになります。

自分の好きな情報だけをフィルタリングすることになるので、他の同様に重要な情報を見逃してしまう可能性があります。

そのため確証バイアスは誤った判断をすることにつながります。

関連心理学用語

ステレオタイプ

ステレオタイプとは、社会心理学用語である集団全員を一般化して見ること。

バーナム効果

バーナム効果とは誰にでも当てはまることなのに自分のことを言い当てていると思い込む心理。

ハロー効果

ハロー効果とは初めて会った人の外見や話し方あるいは服装や行動をざっと見ただけで、その人を分類すること。

正常性バイアス

正常性バイアスとは異常事態が起きているのに軽く考えて落ち着こうとする心理。

認知的不協和

認知的不協和とは自分が認知していることの中で考えと行動が一致しないこと。