ハロー効果

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ハロー効果とは

ハロー効果とは初めて会った人の外見や話し方あるいは服装や行動をざっと見ただけで、その人を分類すること。

つまり、ハロー効果とは第一印象だけその人物を全体的に判断することです。

例えば、身だしなみが整っている人はできるビジネスマンをという印象を与え、容姿が優れている人は知的で性格が良いと思うでしょう。

また、初めて会った人がとても笑顔で親しみやすい人だったら、話しかけてみたり、仲良くなってみようと思うかもしれません。

一目惚れもハロー効果の一種と言えるでしょう。

これらはすべてハロー効果による思い込みになります。

ハロー効果の由来

ハロー効果は後光効果とも言われます。

後光という言葉は、宗教的な概念で聖人の頭上に浮かぶように見える光り輝く円というイメージで使われています。

円は善良で欠点のない人の性格を表すと思われがちです。

これがハロー効果という言葉の歴史的な由来です。

ハロー効果の実験

エドワード・L・ソーンダイクは、ハロー効果という言葉を最初に作った心理学者です。

ソーンダイクは、軍の指揮官が部下の兵士をリーダーシップの資質、身体能力、知性、忠誠心などを評価するよう求めました。

その結果、指揮官からの肯定的・否定的な判断は、兵士の外見に影響される傾向があると結論づけました。

例えば、背が高く容姿がいい兵士は、知的であるとみなされるのです。

指揮官が兵士の外見を見て、部下の性格を総合的に判断していると、ソーンダイクは考えました。

ハロー効果の事例

チップを多くもらえる

海外の事例ですが、レストランでイケメンのウェイターは、そうでないウェイターよりも平均して年間約1,200米ドル多くチップを稼いでいることが分かったそうです。

採用面接

面接官が応募者を魅力的だと感じれば、たとえそれがざっとした印象であったとしても、その人を知的で有能、職場でうまくやっていける人物だと判断する可能性が高くなります。また信頼できる人から推薦があった人は、面接をする前から印象が良くなります。

仕事内容

ある社員が特定の分野で優れた業績を上げた場合、経営者は異なる分野の仕事を与えても、それまでの仕事と同じように成果が得られると考えます。

医療

ハロー効果は医療の世界でも起こります。医師は第一印象でその人の健康状態を判断することがあります。医師であっても理想的な体重の人は健康で、太っている人は不健康ではないかと思いがちです。

マーケティング

多くの企業はテレビCMに好感度が高い芸能人を起用します。そうすることで自社の商品が売れます。なぜならその芸能人に対するポジティブな感情は、その芸能人に関連するすべての物事をポジティブに認識させることにつながるからです。

ハロー効果のデメリット

ハロー効果にとらわれると面接で優秀な人材を落としたり、優良な顧客を見誤ったりするなど判断ミスにつながることがあります。

評価の偏り

職場ではハロー効果によって上司の部下に対する評価が偏ることが分かっています。

上司の部下に対する評価は、全体的な業績や会社への貢献度よりも、ある一つの特徴に対する認識により影響を受ける傾向があります。

上司は部下の熱意や長所を見て、部下の知識やスキルの不足を見過ごすことがあります。

ハロー効果を防ぐ方法

第一印象ですぐ結論を出すのはやめましょう。

例えば、職場でスーツを着ているから仕事ができるとは限りません。私服を着ている人のほうが仕事ができることだってあります。

ある人を見たときにネガティブな印象を持ったら「もし私が彼だったら、誰かにそう思われたら絶対に怒るだろうし、受け入れられないだろう」と思って、自分に言い聞かせてみてください。

広い心を持って、長く付き合ったあとで判断しても遅くはありません。

関連心理学用語

ステレオタイプ

ステレオタイプとは、社会心理学用語である集団全員を一般化して見ること。

プラシーボ効果

プラシーボ効果とはプラシーボ(偽薬)偽薬でも効果があると信じて飲むことで病気が良くなること。

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは、期待が大きいと特定の分野でのパフォーマンスが向上する心理現象のこと。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分に都合の良い情報を求め、自分に都合よく情報を解釈する傾向のこと。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは感情の7%は言葉、38%は声のトーン、55%は表情で相手に伝わるというもの。

ホーン効果

ホーン効果とはある人のネガティブな一面を見ただけでその人の他の面もネガティブに思い込むこと。