- パナマ国一般情報 -
作者が赴任したパナマの魅力を求めて
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世界貿易の重要な関所

パナマ運河
CANAL DE PANAMA


 



 大西洋と大平洋の最も狭い境界部分に位置するパナマ運河は、今世紀の大半、世界経済および商業開発に顕著な効果を波及してきました。
 この二つの偉大な海洋をつなぐ比較的経済的な短距離の航行路を提供することにより、運河は世界貿易の形態を変え、発展国の成長を促進し、また、世界のかけ離れた地域の経済拡張の主要な起動剤的な役割をはたしてきています。
 



 世界の発展に大きく貢献した人類最大の土木建造物であるパナマ運河は、1534年スペインのチャールス一世がパナマ地峡を通る運河案の最初の調査を命令しました。 それから最初の建設が始まるまで3世紀以上が経ち、1880年からフランスが20年間にわたり労力を費やしましたが、病気や経済的な理由で中断せざるを得なくなり、1903年にアメリカが引き継いで10年の歳月をかけて完成させました。
 そしてこの運河は当初に考えられていたスエズ運河に使われた海面式運河とは異なる「閘門式運河」となりました。 これは水門で水位を変え、船を中央の人造湖に上げて通行させたのちまた別の水門で船を海の水位まで下ろすという大掛かりな技術を要する運河です。そしてこの水路を閉める水門のようなものが閘門と呼ばれるパナマ運河の代表的技術部分です。

 この”世紀の大事業”には、青山士(あきら)という日本人技術者が参加しています。青山士(1878〜1963)は、東京帝国大学工学部土木工学科を卒業後 直ちに渡米し、ただ一人の日本人として、過酷な熱帯の自然環境と人種差別に耐えな がら、パナマ運河の開削工事に関わりました。8年間これに従事したのち帰国し、内務省 に入省、地方で土木工事に従事し、荒川放水路と信濃川・大河津分水という二大国家 プロジェクトを現場で指揮し、完成させています。 パナマ運河建設に反映された当時の世界最先端土木技術は彼によって日本にも持ち込まれ活かされているのです。 (参考までの情報: 青山士氏とパナマ運河




 パナマはコロンビアからの独立を支持してもらうことで、米国に運河建設の権利とその広大な流域エリアを米国領土として認める協定を結び、これによってパナマの国土は、この運河流域により二つに分かれた状態になりました。 またこの運河により南北大陸も二つに分かれており、この二つの大陸を唯一つなぐのが、1962年に米国が建造したアーチ式の美しい「アメリカ橋」です。
 パナマ運河は、米国所有でありながら、運河地帯への財・サービスの提供および雇用の面でもパナマ経済に大きな影響力を持ってきました。
 しかし、1977年9月に結ばれた協定によって、アメリカの持っていた運河地帯の管轄権はパナマに返還されることが合意されました。 数年の準備期間を置いた後、米国領土だった地域の段階的な返還が始まり、それに応じてパナマ側では返還エリアの利用計画が立てられ公共事業とするところ や、民間に払い下げしたり、賃貸したりさまざまな事業に当てられていますが、運河地帯に対するパナマの主権は今世紀末の1999年12月30日をもって完全返還されることになっています。 (参考までの情報:「変貌を遂げる世界物流の要所:パナマ運河」

 運河沿いの自然が保護されている地域は主に観光開発地域に指定されすでにリゾート開発事業の工事があちこちで進められていますが、米軍基地だったところは基本的に教育研究エリアに指定し、外国の大学や民間企業の研究所や研修センター等の設立を奨励誘致しています。 パナマ政府の政策としては、研究教育施設の誘致は欧米及び特に日本のような技術先進国からの投資を期待し、これによってパナマへおとされる学術的及び技術的影響を狙っています。



 近年は1日平均37隻、年13,000隻以上の船舶が運河を通航しています。運河通航の最大のメリットは輸送時間の短縮です。南米大陸南端のホーン岬を廻って太平洋から大西洋に航行するかわりに、運河を通航すると約21日も短縮できるのです。全長約80kmの運河通航の所要時間は約9時間です。現在、日本はアメリカに次ぐ量の貨物を運河経由で輸送しており、日本にとっても最重要航路の一つです。
 しかし1914年の運河開通以来、85年が経過し、建設時には予想だにしなかったほど世界の海運業は発達しました。新聞などに時々掲載される第二パナマ運河構想では、スーパータンカーの通航が可能なように海面と同じ高さの水平式運河が考えられています。しかし、太平洋と大西洋との水面の高さが異なる(満潮時は太平洋が約3m高い。干潮時は大西洋が約3m高い。)ことから強い潮流発生の危険性、さらには両洋間での生態系の変化が危惧されています。さらには運河周辺の熱帯雨林の保護も課題に挙げられています。
 自然環境と人間の利便性との共生が時代的要請であることは、世界流通の要であるパナマ運河であっても、決して避けては通れない大きな問題なのです。
こういったパナマ運河の抱える課題や日本が重要な利用者としての関係から、日本はパナマへの国際協力で運河関連支援を行ってきました。 その一環としてパナマ森林保全技術開発プロジェクト とパナマ航海学校強化プロジェクトなどがあります。



パナマ運河基本データー

    全長: 約 80 km
    運河の構成: 大西洋 - クリストバル港 - ガツン閘門 - 大ダム (ガトゥン湖) - ゲイラード水路 - ペドロ・ミゲル閘門 - 小ダム (ミラフローレス湖)- ミラフローレス閘門 - バルボア港 - 大平洋
    通行料金:  貨物船 搭載ネットトン当たり us$2.39
    平均通行料: 一隻当たり 4万ドル
    主な積載貨物: 穀物23.2%、石油と石油製品14.4%、燐酸鉱物と種々肥料13.1%、その他49.3%
    運河運営費: 年間4億5千万ドル

参考となる情報サイト:<パナマ運河通峡/船の生活より> 

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