後に登場しますが、
これをエチルアルコールと言います。(エタノールとも言います。アルコールランプに入っている奴です)
これに脱水剤として濃硫酸を加えて加熱しますと、脱水反応が起きます。
ところがその脱水反応は、温度によって結果が違ってくるんです。
高温、具体的には160〜170℃程度で脱水を行いますと、
という様に、分子の内部からH2Oが取れるタイプの脱水が起きます。これを分子内脱水と言います。
これは分子の内部で、かなり無理の有る反応を伴います。
ですから、低温、具体的には130℃では、その反応を起こすにはエネルギーが足りないので、
分子内ではなく、二分子間で脱水が起きます。
この二つの反応はとても重要なので、しっかり覚えて下さいね。
で、前者のエタノールの高温脱水の結果生じるのがエチレンですので、これがエチレンの実験室的製法です。
一方後者は、ジエチルエーテルが生じています。ですからジエチルエーテルの実験室的製法です。
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