強酸として有名な硫酸で、塩酸とごっちゃに考えている人も多いようですが、かなり性質が違います。
また、希硫酸と濃硫酸では性質が違う事も大切です。
では、順番に説明しましょう。
硫酸は不揮発性の液体です。
「塩酸だって液体だろ」と思うかもしれません。ま、確かにそうなんですが、でも違うんです。硫酸はもともとドロっとした液体です。
一方で塩酸は「塩化水素水溶液」が名称です。 つまり塩化水素という「気体」を、水に吹き込んで溶かしたものです。
ですから塩酸に「濃度99%の濃塩酸」は有り得ません。(そんなに溶けないから)
しかし硫酸は、もともと「水に溶かした訳ではない」ので、「濃度99%」も可能です。(理屈では100%も可能ですが、技術的には無理です)
これも硫酸の重要な性質です。
濃硫酸に限りますが、かなり強い「酸化剤」です。基本的には希硫酸は酸化剤としては使いません。
半反応式は、
で、二酸化硫黄のガスを発生します。
工業的な製法として接触法が重要。