せりづくし
5月も中旬を過ぎると、庭のセリが、本格的に伸びてくる。
いつからここにあったんだか、はっきりしたことは分からない。どこからか、種が飛んできて、こぼれダネや根で広がっていったのか、それとも、生ゴミでも埋めたときに、スーパーで買ったものの根っこが生き延びて増えたのか。
いずれにしても、セリがある、と気づいてからは、回りの雑草を始末して、広がりやすいようにだけは気を配ってあげていた。そうすると、素直なもので、こちらが期待する以上にどんどんと広がってくれて、今ではその気になれば道の駅にでも出せそうなぐらい繁茂している。
せっかくの、季節の楽しみ、それも庭先で取れるというものを、放っておく手はない。いい加減なところで取って食べないと、花が咲いてしまっては、食味も落ちる。
と、言うわけで、毎年5月には、1度はセリ尽くしをやることにしている。
セリのおひたし、セリの味噌汁、セリごはん、気が向いたら、てんぷらか、胡麻和え、サラダ風や、海苔巻きもよい。風味の強いものだから、セリ尽くしは1度だけ。あとは、日々の惣菜に、思い出したように添える程度で、いつも食べきれていない。まあ、その頃には家人も飽きた顔をするからちょうどいい。
セリ尽くしを終えると、夏が来たなという時期になるのが、我が家の風物詩である。