まず、ポリビニルアルコールを合成するのは、アセチレンからはじめます。(アセチレンの合成はココを参照)
アセチレンに水を付加すると、ビニルアルコールではなく、酢酸が生じてしまうので、水ではなく酢酸を付加してやります。

こうして生じた酢酸ビニルは、ビニルアルコールとは違って、不安定ではないので、問題ありません。これを付加重合して、ポリ酢酸ビニルを合成します。

さらにこれを加水分解しますと、ポリビニルアルコールができます。

これも一応繊維ですが、これで衣類を作ると大変な事になってしまいます。
なぜなら、ポリビニルアルコールは水に溶けるのです。
といいますのは、この構造を考えて見てください。

水酸基がたくさん付いていますね。ですから水に溶ける訳です。(分からない人はココ)
衣類が水に溶けたら困るでしょ?
では、はじめっから「なぜ水酸基を持つような繊維を合成するのか?」という疑問がありますよね。こんなに無理をしてポリビニルアルコールを作ったのに・・・。
実は、衣類にする繊維は、水酸基が全くないのも困るんです。
だって、衣類は汗等を吸わなくちゃ意味がないでしょ?ですから水酸基が無いと、汗を吸わなくて困るんです。
そこで、「水に溶けてしまわない程度に、水を吸収する」ようでなくてはならないのです。
そこで、このポリビニルアルコールに細工をして、水に溶けてしまいはしないけれど、適当に水分を吸収する様に改造する必要があります。そうして出来たのがビニロンです。