と言うように、セッケンにはいくつかの問題点があります。
それを改善するために生まれたのが、「洗剤」です。
まず第一アルコールを用意して下さい。それをエステル化してから、強塩基で中和します。
例えば、n-ラウリルアルコール:C11H23OHを混ぜて、エステル化してみますと、
硫酸水素ラウリルが生じます。これも「酸のOHをORで置換した化合物」を満たしますので、エステルです。これをさらにNaOHで中和しまして、
ラウリル硫酸ナトリウムが生じます。
スルホン酸(強酸)と強塩基の塩なので、こいつは中性です。
ですから、変性の問題はOKです。
また、強酸強塩基の塩なので、加水分解の心配もなく、沈殿しません。
これが洗剤です。
同様な洗剤にアルキルベンゼンスルホン酸等もあります。
独学ための有機化学の「次のページ」へ:独学ための有機化学へ:目次へ