「アンモニア性硝酸銀水溶液を、還元力のある物質に加えて加熱すると、銀が析出する」という反応が、銀鏡反応です。
もっぱらアルデヒドの検出に使われます。
アンモニア性硝酸銀水溶液をアルデヒドを加えて加熱すると、ピシ!っと音を立てるかの様にして、試験管の内壁に銀が付着します。
アルデヒド R−CHO との反応式を示してみますと、
1) R−CHO + H2O → R−COOH + 2H+ +2e-
2) 2Ag+ +2e- → 2Ag↓
それぞれの半反応式は、上の通りです。
上の二本の式を足し合せますと、
R−CHO + 2Ag+ + H2O → R−COOH + 2H+ +2Ag
ですね。で「アンモニア性」で分かりますとおり、塩基性で実験しますので、−3OH-を加えますと、
R−CHO + 2Ag+ + 3OH- → R−COOH + 2H2O +2Ag
になります。
これが反応式ですね。
銀の酸化数が +1→0 と変化しているので、還元されている事が分かるし、これが反応のメインである事も言える。
で、なぜ「アンモニア性硝酸銀」を使うのかというと、水酸化銀AgOH(正しくはAgOH自身は不安定なので、酸化銀 Ag2O というべきか)が難水溶性なので、反応に使えないからなのだ。
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