浸透圧の演習(続き)


問3の説明 

さて、ここがメインです。

与えられたデータから、浸透圧を求めるんですね。

最近、長い問題文を読めない生徒が増えているので、馬鹿馬鹿しいですが、読み方も軽く説明しましょうか。(あほらしいなぁ・・・)

まず、問題は何を聞いているのか?

国語力ですよ。

問題文は二つの文章からできていて、メインは最初の方ですね。

「1気圧に相当する水柱の高さを H cm 、気体定数をR 気圧・ml/(K・モル) としたとき液面の差 h を H、n、 R、S、T、v で表せ。

赤色表示している部分が、問題の核ですね。だから問題は「液面の差 h を表せ」なんですよ。

他の部分は、修飾部分です。英語で言う「that節」や「which節」です。

後半の「H、n、 R、S、T、v で」の部分は、「表せ」に掛かる部分ですね。(「表せ」が先行詞なんです)表し方を指定している訳です。

だから、答には「H、n、 R、S、T、v」の文字は入るんです。

で、出だしの「1気圧に相当する水柱の高さを H cm 、気体定数をR 気圧・ml/(K・モル) としたとき」ですが、文末が「****したとき」で終わっているんですから、条件文です。

文章が読みにくいので、単位をはずしてみますね。

「1気圧に相当する水柱の高さを H、気体定数をRとしたとき」

単にそれだけの事です。

「気体定数をRとしたとき」は、そのままの意味です。「1気圧に相当する水柱の高さを H」は、この問題のポイントなので、後で説明します。

これで、何を答えれば良いか分かりましたよね。

・・・またくだらない説明をしてしまった・・・。分かっていた人、ゴメンネ。

さて、やっと解説に入ります。

浸透圧のページで書いた理由で、水面の差による重さの差で生じる、「水溶液が落下する力」は、

水溶液の質量 = (水溶液密度)・(体積)

= (水溶液密度)・(h・S)

ここで h も S も、cm単位でできていますから、h・Sはcm3の次元です。

水溶液は、薄いショ糖溶液ですから、水と同じと考えて良いでしょう。だから

水溶液密度 = 1 g/cm3

です。ですから、

水溶液の質量 = 1・(h・S)

と言えます。

ですから、(質量1gに働く重力による重さは、1gwなので)

砂糖水が落ちようとする力 = 1・(h・S)

です。単位は、gから換算したので、gw(グラム重)です。

でも、今求めるのは「浸透圧」。つまり「圧力」であり「力」ではありません。

だから圧力に換算するために、面積Sで割ります。

砂糖水が落ちようとする圧力 = 1・(h・S)/S

= h

ですね。Sがcm2単位ですから、この圧力の単位は gw/cm2 です。

で、これが浸透圧に一致するので、

浸透圧 = h

になる訳です。

うん?

物理は別ですが、圧力の単位にgw/cm2ですか?

圧力て言ったら、atm か mmHg じゃないの?

うん、いい質問です。

それを頭に置いておいて下さい。

長くなったので、次のページへ行きますね。

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