[ハイレベル]
多くのカルボニル基はケト型(keto form)とエノール型(enol form)の平衡として存在する。
ま、HがCからOに移るって事ね。
基本的にエノール型の方がエネルギーが高いので、ほとんどがケト型として存在することになる。
アセチレンに水を加えると、ビニルアルコールではなくアセトアルデヒドを生じる理由はここにある。
この中間状態(共鳴状態)を「エノラートアニオン」と言う。
その反応機構から分かるように、平衡状態は、PHに依存する。
つまり、LowPHではケトエノール両型になり、HighPHではエノラートアニオンの存在比が上昇する。
とは言っても、カルボニル基は、水やアルコールと比べても、はるかに弱い酸である。
共役二重結合系のため、エノール型が主になる。
もっと極端な例なのは、フェノール君そのものなのだ。
フェノールの場合、ケト型になると、共鳴安定化が失われ、エネルギーが高くなってしまうから、存在し難いのだ。