電子雲(軌道)の形状については分かってもらったと思います。
これを元にして、化学結合に付いて考えてみましょう。
まず、一番簡単なのは、水素原子が二個合体してできる水素分子でしょう。
この場合は、水素原子が接近して、1s軌道が交じり合います。そして新しい大きな電子雲ができます。この中を、二個の電子が漂うんですね。
これが共有結合の一つの形です。
これはいいですね。
では、次は水分子を説明しましょう。
ここでややこしい問題が生じます。
酸素原子は、L殻に6個の電子が入っている訳ですが、L殻は2s軌道1個、2p軌道3個からできているんでしょ? じゃぁ、6個って、どこに何個入っているんでしょう?
まず知識として、この事を知って下さい。s軌道の方がp軌道よりも、エネルギーが低いんです。
ですから、L殻というのは、エネルギーの低い2s軌道一個と、少し高い2p軌道3個からできている訳です。
当然電子はエネルギーを低くしたいので、2sに優先的に入ります。
結果的に6個の電子は、2sに二個、3個の2pに合計4個入ります。
また、電子はできるだけ散らばって入りたい性質がありますので、2pに入る電子は、2個、1個、1個の電子として入ります。
その結果、2s軌道は埋まっています(電子は1軌道に二個しか入れないから)、2p軌道も3つの内、1つが埋まっています。これらが「非共有電子対」ですね。
そして、2p軌道の2つが、電子一個だけの状態になっているので、これが「不対電子」です。
そこで、その不対電子に、水素の1s軌道が交じり合う形で結合します。
こうしてできた分子が水分子です。ですから水分子が折れ線型分子である事が理解出来ますね。
今の理屈だけで言えば、水素−酸素−水素のなす角度は90度になるはずです。
が、実際は別な理由から、すこし角度がずれて、110度位になります。
ま、その細かい事は良いとして、水分子の構造に関しては理解出来ましたね?
以上が、もっとも基本的な結合の場合です。
これだけで全てが説明出来れば良いんですが、残念ながら、そうはいかないんですね。
では、次のステップに進みましょう。