ヘリテイジ ツアー
 

不思議な雰囲気を持つペナンの建物に関心を持った私は、次第に様々な好奇心が湧いてきた。「あの荒れ果てた建物は誰の所有なのだろう? 何で修復しないんだろう? 建物の中はどうなってるんだろう?」 その疑問を解くために歴史的建築物の保存活動を推進するPHTPenang Heritage Trastに次第に接近していった。なぜならPHTはその啓蒙活動の一環として会員を募り、毎月一般に公開されていない建物を見学できるツアーを企画しているからである。PHTの活動全般に関しては機会があれば紹介するとして、今回は毎月最終日曜に開催されるサイトビジットツアーを紹介しよう。

2002331日(日)午後3時半、集合場所であるBeach Street Standerd Charterd Bank 前にPHTメンバーが集まりだした。今回のサイトビジットはBeach Street の主要ビルの訪問である。参加メンバーは総勢約30名、華人中心で西洋人をはじめとする外国人も10名以上いる。原則メンバー以外は参加できないが、参加料(RM10)を支払えば友人や家族を連れて行くことも出来る。PHTには日本人メンバーが23名いるが、今回参加は私だけであった。(←さびしい。)

サイトビジットツアーの解説はPHTの秘書役で「Streets of George Town Penag」の著者でもあるMs. Khoo Su Nin が中心になり、時には家主、歴史家、等が担当する。解説はもちろん英語である・・・・・。デジカメ片手に遠足気分で参加した私は、いきなり緊張することになった。

さてさてBeach-Street から路地裏を回り建物の中に入ると、そこは近代的なコムターやペナンブリッジ、そしてビーチリゾートのバトゥフェリンギとは全く違う古のペナンの姿がある。しかしそこは想像をはるかに超えた荒廃ぶりである。壁や柱の漆喰は崩れ落ち煉瓦が剥き出しになり、梁は歪み床は今にも抜け落ちそうな状態である。屋根瓦は崩れ落ち天井越しに空が見える。数ヶ月前に起こった倒壊事故がいつ起きても不思議は無い。そして・・・・そんなところにも住人がおり、皆貧しい生活をしている。Ms. Khoo は建物の歴史的価値を解説した上で、修繕が進まぬ様々な問題点を解説する。

昨今ジョージタウンのあちこちで古い建物が修復されている。エキゾチックな姿を売り物にして客を集める商業ビルは、その広報的価値が引き合うだろうう。政府機関の入居するビルはそれなりの修繕予算が付き、中華寺院、モスク、等は信者の奉納金があるだろう。ただし資金力の無い賃貸人である一般市民や個人商店主は、荒れ果てた住居に住んでいる。それは歴史的使命を終えた建物の自然な姿なのかもしれない。

     

Beach Street も一歩入ると別世界
歴史的建築物が荒れ果てた姿を・・

朽ち果てた歴史的建築物を
見るにつけ複雑な心境が過る。

Streets of George Town Penag
の著者
Ms. Khoo Su Ninの説明
     
     
     
Beach-Streetを後にしたメンバーは、リトルインディアの路地を通り、China-Street に向かった。お待ちかねティータイムである。訪れたのはショップハウスを改造した「清荷人文空間 / Ching Lotus Humanist Space 」である。

周囲の廃墟とは対象的にエレガントな姿に蘇ったこのショップハウス、ペナン在住の芸術家Mr. Ching により20017月に修復された。商売というよりは芸術と文化の発信拠点としての位置付けである。この修復工事で特筆すべきは中庭、吹き抜け、階段、等のショップハウスの内部構造がほぼ忠実に再現されている点である。裕福な華人でであり、尚且つ文化人であるが故に成せる技であろう。修復の模様は2階レストランにパネル展示されいる。

  清荷人文空間 / Ching Lotus Humanist Space
  83, China Street, 10200 Penang TEL 04-2618001
  Business Hours 10:00-23:00  Close on Thurthday

ここは1階はギャラリー、2階がレストランになっており、一般の方も自由に出入りできるので是非一度訪れていただきたい。洗練されたインテリアの2階レストランでは、リーズナブルプライスで中華料理が味わえる。今回のサイトビジットツアーはここでのティータイムの後、午後6時には流れ解散となった。

     

採光と換気の為の中庭などSHOP
HOUSEの基本構造はそのまま保存

1階はギャラリー、2階が喫茶室。オリジ
ナルを生かしつつも洗練されたインテリア




←見事に修復されたSHOP HOUSE「清荷人文空間」 CHAINA St.では異彩を放つ。
 
     
     
2002年3月31日)

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