ペナンの未来(2)
 

私はスンガイペタニまで通勤する為、毎朝午前7時にプラウティクスの家を出発する。空いていればペナンブリッジまでは78分の距離だが、グリーンレーン(ステートモスク)に到着すると渋滞が始まる。通常1520分、事故や故障車があれば30分以上かかる。渋滞の主な原因は、通学バスと割り込み運転である。帰宅の際は逆にペナン大橋を渡り、湾岸バイパス「バヤンレパスエキスプレスウェー」を北上しグリーンレーンに向かう。ところがバイパス終点でいつも渋滞が発生し、路肩に殺到する車両で2車線の道路は5車線になり、割り込み運転が横行する。かように毎日の通勤で少なからず不愉快な思いをする。

PORR開通で慢性的渋滞が緩和される?」

20018月頃、連邦政府はセカンドリンク(第2のペナン大橋)北部ルート計画とペナン外環道路(Penang Outer Ring Road/以下PORR)を発表した。しかしこれらのビッグプロジェクトは連邦政府主導で進められ、ペナン市民には計画詳細は未だ公開されていない。

そんなある日、ガソリンスタンドで興味深い記事を目にした。それは消費者団体CAPが独自に入手したPORRに関する情報である。右の写真(地図)はPackage-Aと呼ばれる計画図であり、連邦政府の公式発表ではないが、計画概要は理解できる。PORRは湾岸バイパスから内陸部にそれ、グリーンレーンの渋滞を迂回しガーニードライブ及びタンジュントコンに接続する事になる。

湾岸道路をそれたPORRはまずペナン島を南北に貫通する幹線道路を横断した後、グリーンレーン内陸部を平行して走る。そして更に内陸部へ入りアイルイタム通りを横断しペナンターフクラブの裏を通過し、ユースパークをかすめてガーニードライブへ向かうルートとタンジュントコンに向かうルートに分岐する。一方ジョージタウン中心部へのアクセスは湾岸バイパス延長によりスムーズになる。 Photo : Copy right Consumer's Association of Penang 10, Apr. 02

PORRが完成すればプラウティクスやタンジュントコンに住む人は、朝のグリーンレーンの渋滞や、夕刻の湾岸バイパスの渋滞に巻き込まれること無く、通勤時間は10分以上短縮されることだろう。そして半島側北部のクリムやスンガイペタに通勤する人はセカンドリンク北部ルートが完成すれば通勤時間が更に短縮されることだろう。まあ私の赴任期間中に完成する事は無いだろうが・・・・・。

「ただし未解決の問題点が山積」

一方でPORRの建設に伴い、様々な影響が懸念されている。交通量の増加に伴う騒音、j排気ガス、駐車場不足問題。ターフクラブ、ユースパーク、更には華人墓地の移転もしくは縮小。更に湾岸バイパスの延長で埋め立てによる水上生活者村(Clan-Jetty)立ち退き、ガーニードライブ海岸遊歩道の消滅等など。CAPは連邦政府に対し計画詳細の早期開示、ペナン市民の参加による環境影響評価を提言している。

また連邦政府のセカンドリンク北部ルートに対し、ペナン州政府は南部ルートを陳情しているようだ。理由は過密化するジョージタウンより南部地区の開発を優先したいそうだ。そしてセカンドリンク同様、何より重要なのは建設資金である。このプロジェクトまたしても日本政府(国際協力事業団/JAICA)が関与しているそうですよ。

2002410日)

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