バクテリアからウイルスへ、そして、元へ
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Woody Hamlet
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「形質転換」とは異なり、第三の水平遺伝子転移の形態である「形質導入」は、バクテリアの中では広く発生している現象である。「形質導入」においては、バクテリオファージ(バクテリアを感染させるウイルス)が一つのバクテリア細胞から遺伝物質を拾う。そしてそれを、他のもう一つのバクテリアへ生みつけるのである。

バクテリオファージは、ライフ・サイクルの一部として、バクテリアに取り付き、自らのDNAを注入する。このDNAは、それから、同じバクテリオファージのさらに多くの複製のための設計図として機能する。複製されたバクテリオファージは、感染されたバクテリアの体を突き破って出てきて、また、他のバクテリア細胞を感染させる。だが、時として、新たに出てきた粒子が、ウイルスのDNAでは無くバクテリアのDNAを運ぶのである。実は、バクテリオファージは、宿主間でプラスミドを丸ごと、そしてまた、染色体の断片を転移させる能力がある。(染色体丸ごとというのは、バクテリオファージに取り込むには大きすぎる。)実験室の実験では、バクテリオファージの中には、明らかに、複数の種類のバクテリアを感染させるし、また、幾つかの異なる属のバクテリアをも感染させるものがいる事が明らかにされている。これは、バクテリオファージがバクテリアの遺伝子を、それを始めに拾った場所を超えて外にばら撒くかもしれない事を物語っている。

「形質導入」は遺伝物質を広範囲にわたってばら撒くことになりかねないので、私たちのグループはその研究に専念している。最初に、セラーによって考案された環境抱合ケースのような物にバクテリアを集めて「形質導入」現象を探った。この入れ物は、透明なプラスチックの筒と、その両端を、水と栄養素が入ってくるのは可能だが、バクテリアが外へ漏れ出すのを防ぐ膜の蓋で構成されていた。だが、最近の実験で使っているのは、ガス透過性のプラスチック・バッグである。

我々は調査に基づいて実験室から導入されたバクテリアから自然界のほかのバクテリアへの遺伝物質の「形質導入」を介した伝播というモデルを提唱している。簡単に言うと、ある新しい遺伝子を持ったバクテリアが、ある生息地に入ると、バクテリオファージがその細胞に取り付き、さらに多くのバクテリオファージ粒子を増産する。もし、新遺伝子を含む粒子がいくらかでもあると、その遺伝子は土着のバクテリア集団に伝えられることになる。というのが私たちの提案するモデルである。このモデルは、染色体やプラスミドのDNAの「形質導入」にも同様に適用できる。このところ、私たちは、このシナリオが実際に真水でも起こっていることを証明し様と勤めている。私たちは、様々の湖でバクテリアとバクテリオファージを分離・採取している。そしてこの状況設定の中で、バクテリアが「形質導入」によって遺伝情報を共有していることを立証してきた。

微生物学者の多くは、元々、「形質導入」が自然界での遺伝子転移の手段としては重要であるとは決して思っていなかった。というのも、ウイルスもバクテリアも低濃度の集団として存在していると考えられていたことから、双方の干渉が難しいからである。だが、私たちグループは、バクテリオファージが、真水でも塩水でも、大変高い濃度で(しばし、1ミリ・リットル1千億個のウイルス粒子)存在しているのをこのところ確認している。こうした観察結果は、干渉の頻度について、バクテリオファージとその宿主の間で起こる「形質導入」を含め、再考を促している。

それでも、現在わかっている情報の示すところは、自然界で遺伝子操作をほどこされたバクテリアの遺伝子が「形質導入」する可能性は、多くの因子によっておそらくは、厳しく限られているという事だ。それは一つには、たいていのバクテリオファージは、たった一種類のバクテリアを感染させるだけであって、決して種々の異なったバクテリア種に取り付くわけではない。今ひとつは、たいていの野生のバクテリオファージは、それらと同じ地域に在来のバクテリアのみを感染させるのであって、決して遺伝子操作をほどこした実験室のバクテリアに対してではない。最終的には、分子生物学者は、遺伝子操作をほどこされたバクテリアに、バクテリアのDNAを他の種の中に転移させて存続する能力を、限定する特質を備えさす事ができるはずである。このような抑制機構は既に開発中である。

生物学者は今ではほとんどどんな生物の構造に対してでも操作をほどこす事ができる。この技術は組換体バクテリアの形成への応用に加え、今では、様々の病気に抵抗力をもつ遺伝子組み替え穀物を生産する農家でも用いられている。[サイエンティフィック・アメリカン,1997,11号:「耐病米の生産」パメラ.C.ロナルド 参照] 原産地でのバクテリアについての研究の積み重ねの結果の示すところでは、遺伝子操作を受けた生物を自然界に安全な形で存在させ、また、考慮しなければならない重要なことは、求められた仕事をこなすかどうかである。それでも、警戒すべきであることには変わりはない。水平遺伝子転移について理解が進むにつれ、環境バイオテクノロジー学者は危険率を最小限にまで減じるのに必要な情報も獲得すべきなのだ。


translated by Woody Hamlet
1: 自然界におけるバクテリアの遺伝子交換
2: 運命の釣り旅行
3: 遺伝子接合が確認される
4: おもな「接合」の研究
5: 「形質転換」が起こる危険性はごくわずか
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