私にとって赤毛のアンとは
「赤毛のアン」が大好きな日本人の女の子、私もそんな一人。けれど、大人になってようやく、アンを好きになれたのです。児童書やテレビアニメで、「赤毛のアン」を幼い頃に見たことはあります。けれど、訳の分からない事を言うアン、大人の言うことを捻じ曲げるアンに、腹が立っていました。なんで普通の子供じゃないの?って。大人になって、先生という職業に付いた時、自分自身が、大人の言うことをキチンと聞く子供だったので、そうではない子供を理解出来ずに、腹が立ってしまったこともあります。なんで普通になれないの?って。そんな時、「赤毛のアン」を読みました。そして子供たちとの問題が解決。先生って、「今日はこれを教えるぞ」っていうのがあって、毎日どう教えるかっていうのを勉強してきています。けれど、子供たちは毎日何かを新しいことを発見して、それを先生に教えたがっている。先生は残念だけど、今日教える分を少し削ってでも、子供が話したいことを聞いてあげる余裕が大事なんですね。アンは大人が参ってしまうくらいのおしゃべりだったから、大人が気が付いたのかも知れない。たまに、子供に返りたい貴方へ、子供に思わず腹が立ってしまう貴方へ、明日のことも分からない程思い詰めてしまっている貴方にも、「赤毛のアン」をお奨めします。
プリンスエドワード島の人たち
プリンスエドワードのなまり
「不思議なことを聞いたな」と思ったら,地元に人に、その場で聞くのが一番だと思う。その土地の「なまり」を素早く覚える方法だ。しかし、今回の1週間の旅行で、その土地の「なまり」をマスターするのは不可能だった。次の機会に増やそうと思っていますが、今回覚えた3つを紹介します。
「Dinner」
プリンスエドワードでは、「お昼」のことを指します。それでは夕食は?「Supper」と言います。中華レストランで、お昼なのに「Dinner Special」を頼んだグレッグに、私は「今はお昼なのに、頼めるの?」と聞いたら,キョトンとしていた彼。それで知りました。
「eh?」
これはカナダ英語です。発音は「えぃ?」。「聞こえた?」「聞いてる?」「そうだよね?」などの意味があります。
「slippy」
「slippery」(スリッパリー)をPEI人は(スリッピー)と発音します。「すべる」という意味です。
おしゃべりな人たち
「赤毛のアン」の中でもよく登場する人物は大抵おしゃべり。アンだけおしゃべりでは無い。私のPEI人のイメージは,「おしゃべり好き」だった。このイメージは、ぴったり当たった。PEIの人たちは、噂好きで、おしゃべりだ。こう話すのは,生まれも育ちのPEIのグレッグ。そういう彼も、おしゃべりである。彼曰く、PEIの人はほとんど知り合いだからだそうだ。外で知り合いに会うと、必ず声を掛ける。そして話をする。「人間、コミュニケーションをするのは大切だよ。それが無くては,人間として生きられない」。PEIの人は,基本的なコミュニケーションを、極当たり前のようにやっているだけだ、と彼は話してくれた。PEIには町ごとに「Woman Institute」という、女性だけの集会があるらしい。(これも彼に聞いた。)そこでは、キルトを縫いながら,おしゃべりをするという。「アン」でも登場した集会だ。噂話に花が咲いているご婦人たちが目に浮かぶ。グレッグは,結婚式で使うブーケを探している時に、ケンジントン駅前でお店を開いている友達を紹介してくれた。店の人も色々話をしてくれたが、お客さんで来ていたおばあさんさえも、私に話し掛けてくれたのだ。正直、90歳を越えたおばあさんの英語は何を言っているのか、さっぱり分からなかった。(グレッグさえも分かっていなかった。)けれど、そんなフレンドリーなところが、PEIゆえの良いところだと思う。
PEIの食べ物は美味しい!
島のロブスター料理を安く食べる
アメリカ東岸は「ロブスター」で有名な場所です。以前、旦那さんがボストンに住んでいた時に、日本に掛けてくる電話でよく話していたのが、「ロブスターを食べた」話でした。その頃、日本のスーパーで一度だけ「カナダ産ロブスター」がラップに包まれて、半額札を付けて売られていました。たった一つのロブスターでしたが、家族4人で十分楽しめたので、一匹まるごとロブスターにかぶりつくことが夢になっていました。
プリンスエドワード島住民は、一週間に一度はロブスターを食べると、グレッグから聞きました。私は茹でてそのままかぶりつくのが最高だと思っているのですが、島住民はそんなのはもう飽きたらしく、色々なロブスターの食べ方があるというのを聞きました。特に島で有名なのは、「ロブスターロール」[Lobster Role](ロブスター肉を解してロールパンに挟んで食べる)と「ロブスタースープ」[Lobster Soup]だそうです。「ロブスターロール」は大した事が無かったですが、「ロブスタースープ」はお奨めです。
プリンスエドワード島には、魚屋さんが海沿いにいくつかあります。けれど新鮮な魚介類を毎日食べる住民にとっては、毎日魚屋さんに出向くのは面倒。そうです。プリンスエドワード島にも、小さなトラックでやってくる、魚屋行商人がいるのです。私が小さい頃には近所によく「♪かわいい、かわいい魚屋さん♪」の音楽を掛けながらやってくる、魚屋行商人がいました。カナダにも居たんですね。
観光客が集まるレストランのロブスターは、ただの茹でロブスターに、20カナダドルはします。もし宿泊先にバーベキューセットが置いてあるなら、レストランでロブスターを食べるのではなく、バーベキューがお奨めです。魚屋さんで茹でロブスターは10カナダドルもしません。はまぐり[quahog](クワホッグと読みます)、あさり[clam]、牡蠣[oyster]なども、購入すれば、レストランより贅沢なのに、値段は安いです。
ムール貝で有名なPEI
プリンスエドワード島産のムール貝は、夏限定のムール貝(養殖)として、アメリカ本土に輸入されています。アメリカで出回っているムール貝は、ニュージーランド産の物がほとんどですが、ニュージーランド産に比べて、PEI産は身は小ぶりですが、海の味がそのままするので、高級レストランでも使用される程美味しいです。
ジャガイモが格別
アメリカのアイダホポテトは有名ですが、北海道ポテトには勝てません。アイダホポテトは、揚げる調理方法には向いているのですが、茹でたり、蒸かしたり、ポテトサラダ向きではありません。蒸かして美味しいポテト、アメリカ大陸には無いと思っていましたが、見つけました。「PEIポテト」です。観光シーズンの夏に取れるジャガイモ。プリンスエドワード島では、ポテトサラダにすることが多いのですが、ぜひ「茹でただけのジャガイモ」[Boiled Potato]を試してください。レストランでも特別注文できますよ。
イチゴ水
「赤毛のアン第1巻」で登場する「いちご水」のエピソードはとても有名です。しかし英語では「いちご」では無く,「ラズベリー」なんですよ。
「ラズベリー水」のエピソード
アンとダイアナは、マニラが出掛けている間、大人の振りをして、二人でお茶会を開きます。アンはダイアナに、マニラ自慢の「ラズベリー水」を出します。しかし実は、それは「ワイン」でした。「ワイン」はアルコールなので、子供は飲むことは許されていません。しかし、ダイアナはその「ワイン」が美味しくて,沢山飲んでしまいます。そして、酔ってしまうのです。ダイアナのお母さんは、アンが「ワイン」を飲ませたことに腹を立てて、二人はしばらく会う事も許されなくなります。ダイアナはこんな事を言っています。"That's awfully nice raspberry cordial, Anne... I didn't know raspberry cordial was so nice."(本当に美味しいラズベリー水よ、アン。こんなに美味しいなんて知らなかったわ。)って。
「ラズベリー水」は、英語で「Raspberry Cordial」(ラズベリーコーディル)と言います。日本語では「水」が付きますが,「アンのラズベリー水」は炭酸飲料です。(一般的にはコーディルはお酒のこと。)プリンスエドワードでは、スーパーマーケットでも、お土産屋さんでも、どこに行っても売っています。ちなみにスーパーの方が安いです。(お土産屋さんでは1.50ドル位。スーパーでは99セント。)またまた、ちなみに、カナダでは瓶はリサイクルされているので、汚れています。でも、プリンスエドワード以外の場所では、どこに行っても買えません。プリンスエドワードだけで売られているものです。そこで、家でも作れる「ラズベリー水」の作り方を、「プリンスエドワード風」「超簡単に作るぞ」「アレンジ編」で紹介します。ちなみに、材料は適量です。日本では、冷凍ラズベリーで代用できます。
プリンスエドワード風
材料:ラズベリー、炭酸水、砂糖、レモン汁
ラズベリーと砂糖とレモン汁を入れて火に掛ける。砂糖が溶けたら冷ます。そこに炭酸水を入れて、出来あがり。
超簡単に作るぞ編
材料:ラズベリー、カナダドライ(またはスプライト)
ラズベリーを潰す。そこにカナダドライ(またはスプライト)を入れて混ぜるだけ。
アレンジ編
ラズベリーの変わりに、苺やブルーベリーを使う。アイスクリームをのせても美味しい。
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NOV. 29, 2005