お祭りは風に乗って聞こえたお囃子だけ

駅のホームを歩いていると、風に乗ってお囃子の音が聞こえてきました。
近くでお祭りをやっっているんだと、思いながら改札に向かっていると、後ろを歩く人の会話が耳に入ってきました。
若い感じの男の人の声で、隣にいるらしい友人に話しかける声です。
「祭りってさぁ、要するに、要するに、要するに、」と、要領を得ない内容です。
私は、要するに、の続きが知りたい、と耳をそばだてました。でも
「要するに、まぁいいや」と声は終わってしまいました。
何だそれは。不完全燃焼です。私は思わず振り返って声の主を探しました。
ひょろりと背の高い大学生らしいお兄さん人がにこやかに歩いていました。
要するに、私もそのお兄さんもお祭りとは逆の改札に向かっていて、まぁいいか、なのでしょう。

This article was updated on May 26, 2022