フェノール

芳香族化合物


芳香族化合物の中でも特に重要な物の一つが、このフェノールです。

フェノールも油の一種で、ベンゼンに水酸基が付いた構造をしています。

「あれ?水酸基が付いたものはアルコールだって言っていたじゃない?」

と思った人。なかなかよく覚えていますね。でも違いますよ。

アルコールのページを、よく読んで見てください。「アルコールっていうのは、アルキル基に(正しくは、「ベンゼン環以外に」)、アルコール性水酸基「−OH」がくっついた物の事です。」と書きました。ですから、ベンゼン環に直接水酸基がついているコイツはアルコールではありません。性質もかなり違います。


フェノールの性質

  1. 酸性である

    非常に弱い弱酸ですが、酸です。

    アルコールは中性ですから、これは大きな違いです。


フェノールの製法

フェノールは、例えば樹脂の合成等、化学工業的に非常に重要なので、その製法が重要になります。

製法は主に3系統あります。いずれも極めて重要なので、しっかりマスターして下さい。

  1. アニリンを経由する方法

    ベンゼンからニトロベンゼンを経由してアニリンを合成。それをジアゾ化して塩化ベンゼンジアゾニウムを合成した後、加水分解する方法です。

    くわしくはココを読んで下さい。

     + NaNO2 + 2HCl →(cool)→  + NaCl + 2H2

    and

     →  + N2

  2. ベンゼンスルホン酸を経由する方法

    ベンゼンをスルホン化してベンゼンスルホン酸を合成して、NaOHでアルカリ融解し、得られたナトリウムフェノラートを中和する方法です。

     →(NaOH,300℃)→  → 

  3. クメン法

    ベンゼンにクメンを付加してから酸化して、加水分解する方法です。

    詳しくはココを読んで下さい。


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