芳香族化合物の中でも特に重要な物の一つが、このフェノールです。
フェノールも油の一種で、ベンゼンに水酸基が付いた構造をしています。
「あれ?水酸基が付いたものはアルコールだって言っていたじゃない?」
と思った人。なかなかよく覚えていますね。でも違いますよ。
アルコールのページを、よく読んで見てください。「アルコールっていうのは、アルキル基に(正しくは、「ベンゼン環以外に」)、アルコール性水酸基「−OH」がくっついた物の事です。」と書きました。ですから、ベンゼン環に直接水酸基がついているコイツはアルコールではありません。性質もかなり違います。
非常に弱い弱酸ですが、酸です。
アルコールは中性ですから、これは大きな違いです。
フェノールは、例えば樹脂の合成等、化学工業的に非常に重要なので、その製法が重要になります。
製法は主に3系統あります。いずれも極めて重要なので、しっかりマスターして下さい。
ベンゼンからニトロベンゼンを経由してアニリンを合成。それをジアゾ化して塩化ベンゼンジアゾニウムを合成した後、加水分解する方法です。
くわしくはココを読んで下さい。
and
→ + N2
ベンゼンをスルホン化してベンゼンスルホン酸を合成して、NaOHでアルカリ融解し、得られたナトリウムフェノラートを中和する方法です。
ベンゼンにクメンを付加してから酸化して、加水分解する方法です。
詳しくはココを読んで下さい。