鎖状カルボン酸は「脂肪酸」とも呼ばれ、特に分子量が大きいものを「高級脂肪酸」と言います。
(「高級」というのは、値段や品質が高級という事ではありませんよ。単に、分子量が大きいという事です)
その代表選手がさっき出てきました、
C15H31COOH:パルミチン酸
C17H35COOH:ステアリン酸
C17H33COOH:オレイン酸
C17H31COOH:リノール酸
C17H29COOH:リノレン酸
です。聞き覚えが有る名前が多くありませんか?
TVコマーシャルですよ。食用油やマーガリンの成分です。中学校の理科(高校受験理科)を思い出して下さい。
脂肪 →(消化)→ 脂肪酸 + グリセリン
デンプン →(消化)→ 糖
タンパク質 →(消化)→ アミノ酸
あの「脂肪酸」ですよ。
これから分かるように、「グリセリン」と反応(エステル化)すると、「油脂(=脂肪)」になります。これは後で、詳しくやりますので気に留めて下さい。
ところで分子式から分かるとおり、パルミチン酸とステアリン酸は単結合からだけ出来ている「飽和高級脂肪酸」なのに対して、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸は、二重結合を持つ「不飽和高級脂肪酸」です。これは、油脂のところで再びポイントになりますので、頭の片隅に入れておいて下さい。
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