アルカン

鎖状炭化水素


CとHが単結合だけで繋がってできている化合物を、「アルカン」と言います。「メタン系炭化水素」や「パラフィン」とも言います。

代表的な具体的例を示性式で書いてみますと、

メタン:CH4

エタン:CH3−CH3

プロパン:CH3−CH2−CH3

ブタン:CH3−CH2−CH2−CH3

ペンタン:CH3−CH2−CH2−CH2−CH3

等があります。

(これらは名前も覚えて下さい)

知っている物もありますよね。メタンと言えば、「メタンガス」のメタンです。ドブ川や腐敗物から出る臭いガスです。

プロパンと言えば、ガスコンロで使っているガスですね。(違うガスの場合もあります)

これらから分かりますように、アルカンは基本的には無色、可燃性の気体です。

単結合だけでできていますから、基本的には「CH3−」と「−CH2−」が繋がって出来ているんですね。

唯、単結合でできていればいいだけなので、必ずしもそうとも限りません。

例えばブタン C410 は、上に書いたように、CH3-CH2-CH2-CH3 でも良いのですが、

こんな風に、枝分かれしていても構いません。どちらもC410ですので、ブタンです。

唯、枝分かれしているブタンとしていないブタンは若干性質が違いますので、名前を区別する必要があります。そこで枝分かれの無い化合物を「n」と言う字を頭に付け「n−ブタン」(「ノルマルブタン」と読みます)、枝分かれしている物に「i」を付けて「i−ブタン」(「イソブタン」と読みます)として区別する場合もあります。

後、単結合だけでできていますから、枝分かれの有無に関わらず、分子式はn2n+2と書けます。


アルカンの性質

さて、アルカンと一まとめにする位ですから、共通した性質が有るんですね。

それについて説明してみましょう。

まず、基本的には非常に安定しており、反応性は乏しいです。ただ、ハロゲンとの置換反応をしますので、それを押さえる必要があります。

ハロゲンとの置換反応

例えば、メタンと塩素を混ぜて、光を当ててやります。すると、光のエネルギーを利用して、メタンの水素と塩素が入れ替わります。

CH4 + Cl2 →(光)→ CH3Cl + HCl

この様な入れ替わり反応を「置換反応」と言います。

ところでClの事を化学ではクロロと言います。ですから、CH3Clは「モノクロロメタン」と言います。(「モノ」は「1」です。ですから「モノクロロ」は「一つ塩素が付いた」の意味です)

この場合は、「モノ」は分かりきっているので省略して構わなくて、「クロロメタン」でも良いです。

覚える事が多くて大変ですが、覚えて下さいね。

ところで、このしかん反応ですが、Clが一個置換したらもうお終いかといえば、そうとも限りません。

塩素の濃度、光のエネルギー次第では、もっと置換が進み、

CH3Cl → CH2Cl2 → CHCl3 → CCl4

と置換します。

CH2Cl2は、二つ(ジ)の塩素(クロロ)が付いたメタンなので「ジクロロメタン」と言います。

この要領で、CHCl3は「トリクロロメタン」・・・・でも良いのですが、こいつはニックネームがありまして、そっちで呼ぶ事が多いです。ニックネームは皆さんご存知の「クロロホルム」です。昔、麻酔薬として使われたガスですね。

CCl4も「テトラクロロメタン」でも良いですが、「四塩化炭素」と呼ぶ事が多いです。これは「消化剤」としてよく使われます。

この様に、アルカンの水素は、塩素等のハロゲンと混合してエネルギーを加えると、置換反応を起こす性質を持っています。

ハロゲンなら良いので、Brでも良いです。


アルカンでまず知らなくてはならない事は、この位でしょうか。

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