HOME 東急不動産とイーホームズ、耐震強度偽装問題 耐震強度偽装問題、日本ERI、アトラス設計渡辺朋幸代表

イーホームズ、偽造構造計算書を承認

イーホームズ株式会社(東京都新宿区、代表取締役藤田東吾)は姉歯(あねは)建築設計事務所(千葉県市川市、姉歯秀次一級建築士)による耐震強度偽装構造計算書を承認した指定確認検査機関である。イーホームズが偽装を知っていたのならば荷担したも同じであり、知らなければ怠慢を問われる。利用者や居住者の安全を守るはずの検査機関がチェック機能を果たしていない実態が明らかになった。

姉歯建築設計事務所による偽造物件のほとんどはイーホームズ株式会社が建築確認を代行した。当初発表の偽装物件21棟のうち20棟がイーホームズで、その後の調査で26棟がイーホームズであることが判明した。朝日新聞のまとめでは2005年12月15日までに偽造が確認された81物件のうち、イーホームズが建築確認した建物が35件ある(「イーホームズも捜索へ、見逃しの経緯解明 捜査本部方針」朝日新聞2005年12月16日)。

姉歯建築設計事務所は下請け等で建物の構造計算を行ったが、耐震に関するプログラムを意図的に変更し、強度などが低くなるよう設定したとされる。姉歯建築設計事務所がイーホームズに提出された構造計算プログラムの出力データを再計算したところ、偽造が行われたことが確実であることが判明した。加えて、偽造された構造計算に基づく設計によって、そのまま施工された場合、構造上耐震性に大きな問題がある可能性が高いことも判明した。建築基準法は新築の建物について、地震などに対する構造上の安全を確保するよう義務付けている。

偽装発覚経緯

構造計算書の偽造は、内部監査で未完成マンションの建築確認書類を調査したことにより、発覚したとされる(2005年10月20日)。同様の事例の有無を社内調査した結果、20棟についてのみ偽造が判明したとしていた。しかし11月21日には第三者検査機関によって、新たにビジネスホテル「プレッソイン五反田」(東京都品川区)についても、姉歯建築士の偽造計算書が発見されたことが明らかになった(「<耐震偽造>イーホームズを週内にも立ち入り検査 国交省」毎日新聞2005年11月23日)。

イーホームズ側は定期的なチェックで偽造を発見したと主張するが、本審査を手抜きしている会社が過去の事例を再チェックすることは考えられない。ましてや見逃した偽造を見つけることもあり得ない。構造計算書類の再点検が日常業務として行われているのであれば、ここまで拡大する前に露見していた筈である。新入社員研修でサンプルとして入力して偶然見つかったとする見解も出た。

偽装公表までの不明朗な経緯

イーホームズが偽装を確認してから、偽装問題が公表されるまでの経緯は不明朗である。イーホームズは自治体(特定行政庁)に通報せず、国土交通省に連絡している。加えて公表前に偽装物件の建築主であるヒューザーと協議している。藤田東吾・イーホームズ社長は問題公表をめぐり、小嶋進・ヒューザー社長から「正義を貫いて何の意味がある。徹底的にたたく」などと圧力を受けたと証言した(「公表したら「徹底的にたたく」=ヒューザー社長の圧力証言−参考人質疑でイ社社長」時事通信2005年11月29日)。

小嶋社長を悪者に仕立て上げることで自らを被害者ぶろうとする魂胆が明白である。小嶋社長に脅されて公表を見送ったのが事実なら、イーホームズにはコンプライアンスがないということを自ら示したも同然である。圧力という言葉は、警察が暴力団から圧力を受け、怖くて逮捕できないと言っているようなものである。住民の生命の安全を考えれば一刻も早く公表すべきであるにもかかわらず、不動産会社の恫喝に影響を受けてしまったならば検査機関として失格である。

イーホームズ、検査を怠る

姉歯建築設計事務所が提出した構造計算書は極めて杜撰なものであった。強度が基準を満たしている場合に印字される「認定番号」(ローマ字と洋数字計八桁)が欠けていた。国土交通省では違法な手順が社内で常態化していた疑いがあるとみている(「強度偽装、イーホームズに国交省立ち入り検査」読売新聞2005年11月24日)。

偽造物件「コンアルマーディオ横浜鶴見」(横浜市鶴見区小野町)は構造計算書の偽造だけでなく、構造図も杜撰であったことが判明した。構造図は、鉄筋や柱の数が構造計算書に比べて少ない所、多い所が入り乱れ「めちゃくちゃな内容」であった(横浜市建築調整課)。計算書と構造図の食い違いは「通常の検査で分かる」(同)としており、イーホームズの検査体制が改めて問われる(堀智行「<耐震偽造>計算書に加え構造図もずさん 検査体制問題に」毎日新聞2005年11月26日)。

イーホームズは偽造物件について中間検査や完了検査も実施したが、鉄筋の不足など不備を見つけられなかった。「建築確認時の書類審査と異なり現物を確認するため、鉄骨の量が少ない点などに注目すれば不備を発見できた可能性はある」と指摘する建設業界関係者もいる(「着工後検査でも発見できず 耐震強度の偽造問題」共同通信2005年11月21日)。

イーホームズ、図書省略制度について説明が矛盾

図書省略制度をめぐってはイーホームズの説明に矛盾がある。イーホームズは首尾一貫しない対応をすることにより、自ら墓穴を掘った。姉歯事務所の申請図書には使ったプログラムが国交相の認可を受けたものであることを示す大臣印入りの「認定書」が添付されていなかった。代わりに計算用ソフトの販売会社が姉歯事務所に発行した利用者証明書(利用許可書)が添付されていた。

建築基準法の省令では、「認定書」がある場合には、計算書類の検算を省略できる。大臣認定書の不存在が追及されると、イーホームズは、利用者証明書を大臣認定書と実質的に同等と考えたと説明した。「「利用許可書」で実質的には認定書に事足りる」と勝手に解釈し、認定書がないのに勝手に検算を省略していた。構造計算書の審査にかかわった同社の確認検査員全員が同様の判断をしていた。

これに対し「認定書がないのに、計算過程の審査を勝手に省略していいのか」と批判が相次いだ。「姉歯建築設計事務所から出された書類に大臣認定書などがなかったにもかかわらず、点検を省いていた」(「検査機関、手続き不備」朝日新聞2005年11月19日)。「書類に認定番号がない場合、検査機関は審査を省略せずに綿密に点検する必要があるが、イーホームズが怠っていたため、不正は見過ごされた」(「耐震不足なぜ見抜けぬ」朝日新聞2005年11月19日)。

その後、偽造問題に関する緊急調査委員会(2006年12月26日)で、イーホームズの藤田東吾社長は説明を一転させた。「偽造された計算書は図書省略制度を利用していなかった。大臣認定書が添付されていたかといった議論とは無関係だ」。

しかし藤田社長の説明通り、図書省略されていないのなら、認定プログラムであるかどうかに関係なく、計算プロセスをきちんと審査しなければならなかった筈である。国土交通省の小川富由・建築指導課長も緊急調査委員会での質疑で、「一貫計算ではない場合、計算プロセスをすべて追ってチェックするのが基本だ」と回答した(「図書省略制度を巡って混乱、矛盾するイーホームズの説明」建設総合サイトKEN-Platz 2005年12月28日)。

一目でわかる偽装

偽装構造計算書には書類の前半と後半で異なった数値が使われるなど、あり得ないはずの内容も記載されていた。柱や梁が不自然に小さい上に、地震時にかかる力を示す数値が、計算書の途中から半分程度の数値にすり替わるといった問題が各所に存在していた。

国土交通省は「正規の体裁と異なる書類で、簡単に見破られたはず」とする(「<構造計算書偽造>国交省が民間検査の監視機能強化へ」毎日新聞2005年11月18日)。「認定書や図書省略の範囲の確認など、法令通りの審査をしていれば偽造は防げたはずだ」とも語る。イーホームズが「巧妙」と表現する偽造の手法についても「プログラムの改ざんなどと違い、単純で稚拙なものだ」と話す。

読売新聞が分析を依頼した一級建築士は「巧妙どころかあからさまな偽装。検査機関などの専門家が気づかないとは考えられない」と話す(「姉歯の計算書「一目でわかる偽装」、専門家が指摘」読売新聞2005年11月24日)。

朝日新聞が依頼した一級建築士も「前後半の数値が違うから、丹念に数値を追っていけばチェックできるはずです」と語る(「「地震の力」を小さく入力 姉歯事務所の構造計算書」朝日新聞2005年11月22日)。

佐藤賢典・建築Gメンの会理事は「本来ならあるべき認定番号が今回の構造計算書にはなかった。「改ざんしています」と自らいってるも同然なのに、これまでなぜチェックできなかったのか」と呆れる(「髪型も偽造 姉歯一級建築士「ゴミ屋敷に愛車はベンツ」」週刊文春2005年12月1日号28頁)。

木村一彦・仙台都市整備センター常務は「資格と知識を持った者が自分の目でデータを追えば、たいていの間違いは分かる」と語る(「耐震強度偽造“審査の鬼”どう見る 木村一彦氏に聞く」河北新報2005年12月7日)。

不十分なマニュアル

イーホームズの検査マニュアルも不十分な内容であることが判明した。国土交通省令で義務づけている「認定書添付の確認」がはっきり記されていなかった。国交省は「認可ソフトの記述が複数ページにとびとびに記載されるなど、イーホームズのマニュアルは指定確認検査機関の講習会の資料をつぎはぎしたような分かりにくい内容」と指摘する(「検査マニュアルに不備 イーホームズ」東京新聞2005年11月24日)。

一連の問題が発覚する12日前の11月5日付で、公認プログラムであることを示す「認定書」の添付の有無や、計算書の左上に印字される英数字八桁の「認定番号」などを確認するよう定めるマニュアルを追加していたことも判明した。イーホームズは2005年10月の社内監査で姉歯事務所の構造計算書の偽造に気づいており、問題発覚後、責任追及を免れるために手順を追加した可能性もある(「イーホームズ、検査の9割で手順無視」読売新聞2005年11月26日)。

イーホームズの杜撰さ

姉歯建築士は検査の甘いイーホームズを念頭に偽造していた。検査機関(イーホームズ)が規定通りの審査をしていれば建築確認されることはなかった。検査機関が最大の癌である。

姉歯建築士はイーホームズの審査の甘さを指摘する。「イーホームズは検算すれば簡単に見抜ける偽造も見逃していたので、チェックが甘いと思った。イーホームズ以外の会社はチェックが厳しく数字は変えていない」(「「コスト削減、圧力感じた」姉歯建築士一問一答」読売新聞2005年11月18日)。「ノーチェック状態だった」とも語る(「天声人語」朝日新聞2005年11月19日)。

姉歯元建築士は以前、必要な鉄筋量を10%ほど減らした構造計算書を作成し、イーホームズに提出した。当然、イーホームズ側から変更を求められると考え、差し替え用の計算書を準備していた。しかし、イーホームズが変更を求めることになく承認したため、チェックの甘さを感じたという(「耐震偽造 「取引先から圧力」 建築士、現金渡し受注確保」産経新聞2005年11月24日)。承認される筈がない構造計算書がスルーしてしまい、建築基準法に違反した建物が平気で建ってしまった。これが姉歯元建築士の心にどれだけ衝撃を与えたか。姉歯元建築士の心が壊れ始めたとしたら、この時点からであろう。

実際に姉歯建築士は以前確認申請していた日本ERI(東京都港区)のチェックが厳しいとの理由で、イーホームズに変更していた(「「イーホームズがいい」=民間検査機関を変更−姉歯建築士「チェック厳しい」と」時事通信2005年11月20日)。これは姉歯事務所から建物のデザインを請け負っている設計士が千葉県船橋市内で記者会見し、明らかにした。国土交通省も上記事実を把握しており、姉歯建築士がイーホームズを選んだ理由に注目している(「姉歯建築士「イーホームズがいい」・検査省略狙う?」日本経済新聞2005年11月21日)。

審査機関に応じて偽造手口を使い分け

イーホームズが見抜けなかった偽造物件の大半は一目で分かる偽装であった。一方で姉歯建築士は再計算しなければ判別できないような高度に偽造した計算書も作成している。関係者によると、機関により審査能力やチェックの厳格さにバラつきがあるといい、姉歯建築士は事情に応じて「単純」と「巧妙」の手口を使い分けていたとみられる(「姉歯建築士、偽造手口使い分け ソフト巧妙利用/書類単純混在」産経新聞2005年12月4日)。

別の関係者は「最初は巧妙に改ざんした計算書で試し、審査が甘いと判断すると、次からは改ざん手口を簡略化し鉄筋量も大胆に減らしたのでは」と指摘する(「巧妙偽造で審査試す?簡単手口と使い分け」東京新聞2005年12月2日)。

証人喚問でもイーホームズの杜撰さを指摘

衆院国土交通委員会の証人喚問(2005年12月14日)では「民間検査機関が安易に偽装を見過ごしていた異常さも改めて印象付けられた」(「疑惑の焦点は絞られた」朝日新聞2005年12月15日)。姉歯元建築士は「民間検査機関に出した時点で、すぐにばれると思った」と証言する(「耐震偽造 関与を否定、鉄筋指示文書で釈明 総研社長」毎日新聞2005年12月15日)。

姉歯元建築士は「イーホームズの質疑は単純な内容ばかり。(確認申請の中身を)見ていないというのが実情だと思う。あえて申し上げれば、検査機関にはプロがいる。見てわからないのはおかしい」と証言した(「耐震偽装三者三論」朝日新聞2005年12月15日)。「検査機関で発見されなかったのは、図面を見ていなかったのではないか。即ち検査をやっていなかったのではないか」と語る。

「姉歯証人が証言した「偽装の手口はプロが見れば分かる」はずなのに、なぜ検査機関が見抜けなかったのか疑問は多い」(「耐震偽装証人喚問/真相・核心に迫れたのか」東奥日報2005年12月15日)。検査機関(行政の建築確認窓口、日本ERI、イーホームズ)は、偽装するような設計士はいないという前提で、それこそ経済検査をしていたのだろう。全く情けない限りである。

「姉歯元建築士から「審査が通りやすいというか、見ていないのではないか」と、その存在意義まで指摘された検査機関の問題も深刻である。民間だから甘いのか、そもそも検査方法に根本的な欠陥があるのか、早急に検討が必要だ」(「偽造証人喚問 「ぐるみ」の疑惑は強まった」毎日新聞2005年12月15日)。

「プロが見抜けないのはおかしい」とまで言われた確認検査機関の在り方も問われなければならない」(「【耐震偽装喚問】また疑惑が広がった 」高知新聞2005年12月15日)。「検査機関の驚くべき倫理観の欠如とチェック機能の喪失ぶりと言える」(「証人喚問 「偽装の構図」闇の深さ」中国新聞2005年12月15日)。

姉歯元建築士の期待

耐震強度偽装で、最初の一歩を踏み出した姉歯元建築士は、自分の偽装が見破られることを期待していたものと思われる。姉歯元建築士は下請という弱い立場で、発注側からの違法な要請を断り切れなかったものと思われる。そのため、専門家がチェックすれば容易に見抜くことができる偽装を施した構造計算書を作成した。単純な、誰でも専門家であれば見破れる程度の偽装であった。

イーホームズら検査機関が偽装を見抜いて建築確認申請を差し戻せば「これ以上、鉄筋量を下げるのは無理だ」という自分の立場を説明できた筈である。元請けも諦めてくれるものと考えたのだろう。しかしイーホームズは偽装を見抜かず、建築確認されてしまった。再三に及ぶ注文が法律の基準を満たさないことを確認申請で立証しようとした姉歯元建築士の願いは砕かれた。自分の間違いは誰かに発見される。それを期待している。しかし発見されなかった。その間違いは後日、重大な結果をもたらしてしまう。

検査機関の審査が不十分であったために建築確認されたという事実が確定し、一連のシステムの中で偽装は隠された。違法な鉄筋削減も建築主・施工者・元請設計者らによりコスト削減策として正当化されてしまった。偽装は続けられ、被害は拡大した。敢えて姉歯建築士の視点に立てば偽装を見抜かなかった検査機関の杜撰さに怒りを抱くのも無理はない。

イーホームズの無反省

偽装構造設計書を承認したことは民間検査機関イーホームズ株式会社の粗末なミスである。否、ミス以前の問題である。人の生命を何だと思っているのであろうか。無論、人間のやることだから色々な状況でミスもある。しかしイーホームズでは20件も判明している。偶々とは思えない。杜撰な審査は日常的なことである可能性が高い。偽造やミスに対するチェック機能は全く働いていない。審査という仕事に携わる以上は、データや書類には「間違いがあるもの」という前提で見ることが常識である。

イーホームズ株式会社は無反省にも、読売新聞の取材に対し、「偽造は巧妙で、簡単には見破れないものだった。当社としては適切な業務を行っていたと思っている」と強弁する(「検査機関、ずさん計算書を見落とし…耐震強度偽装」読売新聞2005年11月18日)。しかし、イーホームズの審査が杜撰なものであったことは明白である。

イーホームズは自ら検査能力の無さを表明したにもかかわらず、何の謝罪もしていない。イーホームズは「検査でミスはあったが、本質的な問題ではない。検査は適正に行われており、当社に過失はない」と強弁する。イーホームズ従業員は日本語も覚束ないようである。ミスがあったのに検査は適性に行われたと主張する。単なるミスで20棟分もの偽造書類を通過させたとでも主張したいのであろうか。適正な検査が行われたとは思わないのが自然である。発覚後に国土交通省が20数棟の再計算を数日間でこなしているところから考えても、真面目にやればすぐに分かる筈である。

偽装を見抜けなかった検査機関イーホームズの罪は重い。イーホームズのWebサイトではトップページに「安心して暮らせる21世紀型の住環境に貢献します」と記載されいる。厚顔無恥な企業である。イーホームズにとっては耐震基準を満たさず震度五で倒壊する建物が21世紀型の住宅のようである。イーホームズならば、それでもOKらしい。

イーホームズ確認物件への不安

イーホームズは建築確認制度を食い物にした企業である。イーホームズ職員に責任がある。イーホームズには「みなし公務員」としての資格はない。検査機関の認定を剥奪すべきである。担当者全員の全財産を補償費に回して欲しい、そのような怒りの気分である。イーホームズが確認をした全ての建物の構造計算を行い、基準に満たない建物の損害賠償を彼らの資産から、差し押さえるべきである。

イーホームズは「偽造は巧妙」と弁解するが、確認すべき物の確認を怠った者に主張する資格はない。イーホームズも偽装の片棒を担いでいたのではないかと疑いたくなる程、チェックが杜撰である。杜撰な審査しかできないイーホームズが建築確認を代行した建物では不安で仕方がない。姉歯物件以外のイーホームズの仕事も信頼できない。

危ないのはイーホームズの建築確認物件である。建築確認番号が「eHo」で始まるものがイーホームズの物件である。イーホームズが検査した物件は入念な再確認検査を実施すべきである。姉歯建築士が関係した設計を全て再調査するだけでなく、イーホームズが確認した建物も全て調査すべきである。イーホームズの仕事は全部再確認する必要がある。「国の指示を受けた自治体や検査機関は一斉点検して、きちんとデータを示さねばなるまい」(「天地人」東奥日報2005年11月19日)。

イーホームズが検査した物件に消費者から厳しい目が向けられることは当然である。検査機関がイーホームズの物件と別の機関の物件があれば間違いなく別の機関の物件を選択するだろう。検査機関の信頼性が失われたというのは、大きな問題である。別の機関に、再チェックを依頼し、証明する必要が売主にある。

イーホームズはWebサイトで「当社の調査では姉歯設計が構造関与した以外の物件では偽造は発見されていません」と発表したが、疑わしい。偽造公表後、早い時期に発表しており、キチンと調べた結果なのか怪しい。「やっぱり、ありました」になる予感がする。審査が甘いと姉歯建築士に評価された会社である。他からも誤魔化されている可能性は高い。検査機関が発見できないのだから、多くの偽造が転がっていても全く不思議ではない。

いい加減な審査体制

「イーホームズは元公務員や建築士など約20人の担当社員で月間約1千件を審査していた」(「耐震不足なぜ見抜けぬ」朝日新聞2005年11月19日)。平均して一人が月50件審査する計算になる。一月の営業日を20日とすると、一日2.5件処理しなければならない。常識的に考えて真剣に審査することは不可能である。

同社は2004年度、構造計算が必要な建物の建築確認を約2000件行ったが、構造計算に詳しい確認検査員は本社に1人、全社でも2人しかいなかった。デザインなどを担当する検査員を合わせてもわずか22人。国土交通省では、「正確な審査を行うには少なすぎる」とする(「イーホームズ、検査の9割で手順無視」読売新聞2005年11月26日)。

建築業界では「イーホームズはどこよりも審査スピードが早く、甘い」との噂が既にたっていた。何も審査していないのだから。早いのは当然である。ごまかしが横行する検査機関である。国交省の聞き取りに対し、検査スタッフの多くは「計算過程はほとんどチェックしていなかった」と明かす。一連の問題発覚前にイーホームズが検査の実施状況を記録する台帳の管理の不備を国土交通省から指摘されていたことも判明している。

イーホームズの収益が急上昇し始める時期と計算書偽造が行われた時期が一致すると指摘されている。チェックのスピードを上げれば受注が増える、即ち、収益が上がることになる。チェックのスピードを上げる方向が非効率な役所仕事の無駄をなくす分ならば歓迎されるが、必要なチェックすら省くことになっていたら問題である。

担当者全員が天下り

偽装物件の検査を担当したイーホームズの10人は、全て都府県の建築主事からの天下りで構成されていた。元は公務員である。年齢は50〜60歳代が多い。審査の際、10人は、国交省令で定められた文書が添付されていなかったり、各ページの仕様が通常と異なったりする点を見過ごし、耐震強度が基準を大幅に下回る建物に建築確認を出していた(「偽造見過ごしのイーホームズ、担当者全員が天下り社員」朝日新聞2005年11月26日)。

民主党の長妻昭「次の内閣」国土交通担当は「イーホームズの確認検査員29人のうち24人が地方自治体のOBだ」と指摘する(「国交省OBが検査機関に天下り、民主・長妻氏が明かす」読売新聞2005年12月4日)。杜撰な偽造も発見できない手抜き検査で給料が貰えるのだから、これほど楽な勤めはない。

検査員が天下りであることについてイーホームズは開き直っている。「イーホームズの検査員は全て行政出身の検査員です(偽装物件の審査時において)。審査のレベルは行政と同等との自負があります」(イーホームズ株式会社「国土交通省、耐震偽装事件の緊急調査委員会に提出する資料」2006年1月15日6頁)。

国土交通省、イーホームズの検査機関指定取り消しへ

国土交通省は検査機関イーホームズに対し、単純で重大な不備を見落としたとして建築基準法に基づく行政処分を行う予定。処分内容は検査機関指定の取り消しとする方針である(「偽装見逃す、イーホームズの検査機関指定取り消しへ」読売新聞2005年11月28日)。

先に実施した立ち入り検査の分析を待って処分手続きに入るが、杜撰な審査による26棟もの偽装見落としが判明しており、厳しい処分は避けられないと判断した。確認検査機関の指定取り消しは初めてである。同省は、立ち入り検査の分析がまとまり次第、イーホームズに処分を通告し、弁明書の提出を受けて最終的な処分を決定する。

イーホームズは2003年2月から2005年10月にかけて、姉歯事務所が構造計算を請け負ったマンションやホテルの建築確認を行った際、必要な検査を省略した。建築基準法に適合していれば書類に印字されていたはずの認定番号がないことも見落としていた。国交省への「見落とし」の報告でも杜撰な点が明らかになっており、同省では、同社の審査状況に問題があったとして業務内容を詳しく調べる(「国交省、検査機関「イーホームズ」を立ち入り検査へ」読売新聞2005年11月24日)。

国交省はイーホームズに対して、偽造が発覚した経緯や耐震強度が不足していた物件の構造計算書の審査方法などについて、確認書を送付した。確認書では11月22日までの回答を求めていた。

国土交通省、イーホームズに立ち入り検査

国土交通省は、構造計算書の偽造を見逃した民間の指定確認検査機関「イーホームズ」本社を建築基準法に基づき立ち入り検査した(「イーホームズを立ち入り検査」日刊スポーツ2005年11月24日)。検査では、建築確認の関連書類のほか、同社の担当者の人数や、審査の手順などを調べる(「イーホームズに立ち入り検査 国交省 耐震強度偽装」朝日新聞2005年11月24日)。

2005年11月24日午前10時頃、国交省建築指導課の担当官三人が四階にある確認検査本部を中心に検査した。午後は担当官を13人に増員して審査の経緯を詳しく調べた(「イーホームズ立ち入り検査=確認審査で不備見落とし−耐震強度偽装・国交省」時事通信2005年11月24日)。

立ち入り検査は、25日未明まで続いた。日付をまたいで行われるという、行政官庁の立ち入り検査としては異例の長さとなった。国交省によると、イーホームズが扱った建築確認の物件数が非常に多く、その中から不適切な審査が行われているものがないかどうか、構造計算書などを一つひとつチェックしているため、検査に時間がかかるとする(「「イーホームズ」立ち入り検査、未明まで続く」読売新聞2005年11月25日)。

国交省は25日も引き続き検査を行う(「建築主3社からきょう聴取=瑕疵担保責任など確認−耐震強度偽装問題で・国交省」時事通信2005年11月25日)。都内や横浜、大阪、仙台市にある同社の各支店についても立ち入り検査を実施する方針である。イーホームズ側は「業務は適正に行われた」との主張を繰り返しており、支店にも検査に入ることでさらに審査方法の実態を調査する(長谷川豊「<耐震偽造>イーホームズの支店にも立ち入り方針 国交省」毎日新聞2005年11月25日)。

国交省は審査が適切に行われれば、構造計算書の偽造を見抜くことは可能だったとみており、立ち入り検査で業務実態を確認した上で、指定取り消しや改善命令などの処分を検討する(「イーホームズ立ち入り検査 国交省、行政処分へ」共同通信2005年11月24日)。杜撰な業務実態の解明を急ぎ、建築基準法に基づき、指定取り消しも含めた厳しい処分を行う方針である。偽造を見逃した背景には同業者と比べ杜撰な審査態勢があり、適正な審査をしていれば偽造を早期発見できたとする(「手続き守らず審査簡略化 イーホームズ、検査で判明」共同通信2005年11月27日)。

イーホームズ、検査の九割で手順無視

イーホームズが法令上の手続きを守らず独自の解釈で簡略化した審査を続けていたことが国交省の立ち入り検査で判明した。イーホームズが扱った物件の九割以上で、建築基準法に定められた建築確認の手順が守られていなかった疑いがある。その結果、イーホームズは、姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)による強度偽装を見逃していた。

国交省の立ち入り検査(2005年11月24-25日)では、イーホームズが建築確認をした10階以上のビル約500件のうち、姉歯建築士が関与していない98件の構造計算書を抽出。このうち、90%以上にあたる89件で、建築基準法に違反していた。公認プログラムに関する「認定書」が構造計算書に添付されておらず、本来は計算過程の審査を省略できないのに、これを省いていたという。この結果、計算過程がチェックされずに承認されていた。

同社の構造計算担当の検査員や補助員など計6人は同省の事情聴取に対し、当初は「すべての計算過程をチェックしている」と説明していた。しかし、その後の個別の聞き取りには、いずれも「実はほとんど見ていない。一級建築士が公認プログラムを使って構造計算しているのだから、問題があるとは思わなかった」と回答した(「イーホームズ、検査の9割で手順無視」読売新聞2005年11月26日)。

イーホームズ、確認検査員名義借り

イーホームズは社外の国家資格保持の名義を借りて、国土交通省に指定確認検査機関の指定を行った(2001年11月)。建築基準適合判定資格者の国家資格を持つ2人以上の確認検査員が必要だったが、社内に資格保持者がいなかったため、社外の保持者3人に頼み、名義を借りて申請していた。検査補助員についても同社従業員5人を登録していたが、登録時に本人の了解を得ていたのは1人だけで、他は勝手に登録していた(「確認検査員“名義借り”」読売新聞5月18日)。

新宿区、イーホームズ業務引き継ぎ拒否

耐震強度偽装事件で、指定確認検査機関「イーホームズ」が2006年5月末に廃業する方針を決めたことを受け、省令で一部の業務引き継ぎが義務付けられている新宿区は、「承服できない」とする要請書を国土交通省と東京都に提出した(2006年5月2日)。「イーホームズはきちんと検査していない恐れがあり、今後の証明書発行業務などの際、書類の内容に責任が持てない」と主張する(「イーホームズの書類引き継ぎ、新宿区「責任持てぬ」」読売新聞2006年5月2日)。

建築基準法に基づく同省令では、指定確認検査機関が業務を廃止した場合(廃業や指定取り消し)、建築物のある特定行政庁(都道府県、建築主事がいる市区など)が書類を引き継ぐと規定している。今後、建築物が売買されれば、その際の証明書発行など、建築物を巡る手続きは区が行うことになる。同区では、万一の場合は「区民の不利益にもつながる」とし、民間の検査業務が頓挫した場合の国の対応策に不備があると指摘している。

新宿区が引き継ぐのは建築確認だけで約700件に上るといい「財政的にも人的にも保管スペース確保の面からも、過大な負担を強いられる」として、国交省と都に「適切な対応」を求めている(「業務引き継ぎ承服できず イーホームズ廃業で新宿区」共同通信2006年5月2日)。同省によると、自治体からのこのような要請は初めてだが、今後、他の自治体から同様の訴えが出てくる可能性もあるとみられる。

偽装物件は氷山の一角

一連の欠陥建築物の問題は氷山の一角に過ぎない。明らかになっていないだけで他にも偽装物件は存在する。震度五強の地震で倒壊する恐れのあるマンション、ホテル等の建物が日本中に建てられている。同じような形で同じような工法で建てられた建物は全国に散らばっている。建築費をカットするために行われたいわゆる手抜き工事のマンションやビルは数千棟はあるだろう。

問題のある建物が続々と明るみに出ている。問題発覚の遅れが被害を拡大させた。偽造物件は姉歯建築設計事務所が認めただけでも首都圏のマンションやホテル21棟ある(グランドステージ川崎大師(川崎市川崎区中瀬3)、グランドステージ北千住、湊町中央ビル、京王プレッソイン茅場町)。その後、100件近くまで増加した。

姉歯建築士が偽造を認めていなかった物件でも偽造が判明している。姉歯建築設計事務所は過去10年間に22都府県で計194件の構造設計にかかわっていた(千葉県調査)。その後、姉歯秀次建築士がかかわった建築物は、計201件に増加した(「「姉歯物件」201件に拡大=偽装36件、近く耐震性確認−国交省」時事通信2005年11月28日)。

「行政官庁が耐力に問題ないとの結果を出しながら、実際には耐力不足のマンションが他にも水面下でかなりあるのではないかと疑っている」(山岡俊介「本当に単純ミスなのか? 不可解な横浜市の構造耐力不足マンション見落とし」ストレイ・ドッグ2006年3月20日)。

偽装物件の危険性

偽造物件は耐震基準を満たしておらず、震度五の地震で倒壊する可能性が高い。建築基準法では、震度五強程度で損傷せず、震度六強以上で倒壊しない耐震強度を最低基準として定めている。しかし、偽装物件の耐震性能は基準の三−七割しかない。

偽造物件は巨大地震が来れば倒壊する。「阪神・淡路大震災に重ねれば、ことごとくつぶれていておかしくない」(「正平調」神戸新聞2005年11月22日)。日本は古来より、幾たびもの震災に見舞われてきた。活断層が縦横に走る地震大国であるが故、いつどこで大地震が起きてもおかしくはない。最近でも震度四の地震は起きている。この先、近い将来に震度五を越える地震が起こる可能性は否定できない。

五年後には、何も起きていなくても柱や梁が折れ曲がる恐れがある(「強度偽装マンション、2棟は自壊の恐れも」読売新聞2005年11月20日)。専門家は「上の階が落ちる可能性がある」と指摘する(「暗転「上の階が落ちる」」読売新聞2005年11月29日)。

財産どころか生命まで危険に晒す建物である。まさに殺人マンションである。現実に倒壊する前に発覚したのがせめてもの救いと言える。建物は破壊しなければならず、他の用途にも使用不可能である。専門家は「補強の入れようがないし、建て替えも容易じゃない」と語る(「<耐震偽造>専門家「取り壊すしかない」」毎日新聞2005年11月22日)。

六千四百人を超える阪神・淡路大震災の犠牲者の死因は、警察の検視などを経た「直接死」の七割以上が住宅倒壊などによる窒息・圧死が占める(「耐震診断 地域で格差 補助必須」神戸新聞2006年1月5日)。

イーホームズ確認マンションで新たに偽装発覚

姉歯秀次・元一級建築士が関与した物件について国土交通省が行った全国調査で、自治体から当初「偽造なし」と報告された物件が、再調査で「偽造あり」と訂正されるケースが相次いでいる(長谷川豊「[耐震偽造]自治体再調査、一転「偽造あり」次々」毎日新聞2005年12月8日)。自治体が設計数値を確認せず書類様式をみただけで、異常なく安心と発表したことが明らかとなった。仕事をしない役人がのさばったり業者に天下りしたりして甘い汁を吸い続けるのを根絶しなければならない。

姉歯建築設計事務所による耐震データ偽造問題で、横浜市保土ケ谷区のマンション「レジーナ和田町エスタシオン」(六階建て)の構造計算書に偽造された部分があることが判明した(2005年12月5日)。横浜市が、千葉県が通告した姉歯建築士が関与した建物を調査して発覚した。マンションの元請け設計は井上建築企画研究所(東京都渋谷区)で、イーホームズ(東京都新宿区)が確認検査業務を担当した(内橋寿明「<耐震偽造>新たに発覚 横浜・保土ケ谷区のマンションで」毎日新聞2005年12月5日)。

耐震強度偽装問題で、東京都練馬区は姉歯建築設計事務所が構造計算した物件を再計算した結果、同区栄町の分譲マンション「ロセットROSSET江古田」(鉄筋5階建て)で偽装が判明したと発表した(2005年12月9日)。 建築確認したイーホームズ(東京・新宿)から同区が構造計算書などを取り寄せたところ、普段の状態で梁にかかる力の値が実際の半分で計算されていた。一部の柱や梁で鉄筋数が基準に満たず、建物の重みで梁などにひび割れが生じる恐れがあり、補強の必要がある(「東京都練馬区でも分譲マンション1件の耐震偽装判明」日本経済新聞2005年12月9日)。

イーホームズ、問題発覚後の再調査でも偽造を見抜けず(グランドステージ千歳烏山)

イーホームズが問題発覚後の再調査でも見抜けなかった物件が、東京都世田谷区の再々調査で偽造が判明した。イーホームズの調査能力のなさを物語る事実である。再調査で見抜けぬとは。調査する資格そのものがないということである。あるいは調査しなかったか。問題のマンションは姉歯建築設計事務所が関与した分譲マンション「グランドステージ千歳烏山」(5階建て、31戸)である。

イーホームズ及び世田谷区による問題発覚後の再検査で偽造はないとされていたが、世田谷区は2005年12月12日に構造計算書が偽装されていたと発表した。耐震性は建築基準法に基づく最低基準の34%しかなく、震度五強の地震で倒壊の恐れがある。その後の調査で姉歯秀次元一級建築士が構造計算書に加え、構造図も偽造した疑いの強いことが判明している。

グランドステージ千歳烏山は、ヒューザーが建築主で、エスエスエー建築都市設計事務所が設計を担当。施工は木村建設である。民間のイーホームズが建築確認をし、2003年5月に完成した(「東京で新たに1件強度不足 ヒューザーのマンション」共同通信2005年12月12日)。

イーホームズと世田谷区が問題発覚後の再検査でも偽造を見抜けなかったことに対し、入居者から「あまりにずさん」と非難の声が上がっている。再調査でも偽造を見抜けなかったことについて、区は「もっと慎重に調査すべきで、混乱させて申し訳ない」と住民側に謝罪した。しかし、入居者の30代の主婦は「一度は問題ないと言われたのに。こんな耐震性では転居するしかなく、区の対応は許せない」と怒りが収まりそうにない(「<耐震偽造>世田谷のマンション、姉歯氏が構造図も偽造か」毎日新聞2005年12月12日)。

イーホームズは、偽装事件発覚後に設計会社から提出を受けて再検査した姉歯物件の複数物件について、偽造の有無を判断できずに送り返していた。「問題なし」と回答したものの、後に偽造と発覚した物件もある(「<耐震偽造>イーホームズ、再検査物件も偽造の判断できず」毎日新聞2005年12月29日)。

不信の広がり

耐震強度偽装事件から、自分達のマンションの耐震性に不安を抱いたマンション住人や管理組合は数多い。同様の問題が他でも発覚するのではないかと、分譲マンションに住む者としては、安心できない日々が続く。

市民の多くは「我が家は大丈夫だろうか」という不安に襲われたに違いない(高田浩之「信用の砦“倒壊”の責任は」読売新聞2005年11月24日)。「何しろこれだけの大問題。うちのマンションは大丈夫かと考えるのが自然だろう」(「一日一言」四国新聞2005年12月7日)。

「偽造への不安は、まだ名前が公表されていないマンションの住人とともに、全国のマンション購入者などにも広がっているのではないか」(「[耐震強度偽造] 一斉点検を早急に」沖縄タイムス2005年11月20日)。

「他の設計事務所でも同じような手抜きや偽造が行われているのではないかという建築確認の制度そのものについての不信感も強まっている」(渡辺智衛「欠陥マンション 信頼回復は国の責任で」福島民報2005年11月24日)。

「姉歯秀次元建築士とは無関係の物件に住んでいるからと言って、安心できる筈がない」(藤後野里子「「無料耐震」チェックに引っかかるな!」サンデー毎日2005年12月25日号27頁)。

「<姉歯>は平成の世のごまかしの代名詞になるだろうが、それだけでなく、類似の欠陥建築物が際限なくあるのではないか、という切迫した不安が日本列島を覆うことになった」(石見隆夫「サンデー時評」サンデー毎日2005年12月25日号41頁)。

耐震強度の偽装問題で、既に名前の挙がっている業者や設計士だけでなく、他でも偽装が行われている、との疑いを持つ人は93%に達する。朝日新聞社が2005年12月17、18の両日に実施した全国世論調査で明らかになった(「分譲マンション居住者「強度調べたい」62% 世論調査」朝日新聞2005年12月20日)。

安全性は断言できない

耐震強度偽装事件は大きな話題になったが、調査・確認はしても「当社の建物は大丈夫です。御安心ください。」と積極的に図面を出して安全性をアピールする会社はない。どこの会社も程度の差こそあれ、同じようなことをしていると考えるのが妥当である。「一連の事件関係者とは無関係との説明が分譲会社からあったが、それだけでは不十分。耐震面で安心であることをきちんと説明してほしい」との住民の思いからは乖離している。

大手不動産会社の広報担当者は「安全と言い切るのは、そう簡単なことではない」「1棟残らず大丈夫と言うには膨大な作業が必要」と語る(「業者 不安解消に懸命」朝日新聞夕刊2005年12月5日)。

シーエス設計の小林晃社長は「信頼できる第三者が計算をし直さない限り、本当に危なくないのかどうか断定はできない」と指摘する(臼井昭仁「「非姉歯」物件の強度」AERA 2006年1月2-9日号24頁)。

分譲した全マンションの構造計算を再確認、ゼファー

ゼファーは創業以来、自社で分譲したマンションなど約150棟の構造計画書を再確認すると発表した(2005年11月29日)。設計時にかかわった設計事務所以外の会社に再確認を依頼する。依頼先は未定だが、複数社になる模様だ。費用はゼファーが全額負担し、結果はマンション管理組合や購入者などに通知する。

ゼファーはこれまで分譲した物件について、姉歯建築設計事務所とは取引がなかったことを確認済みだ。今回、購入者や契約者に安心してもらう目的で、自主的な再確認を実施する(「分譲した全マンションの構造計算を再確認、ゼファー」建設総合サイトKEN-Platz 2005年11月30日)。

相談が殺到

耐震強度偽装事件発覚後、自治体や業界団体に相談や問い合わせが相次いでいる。蓄積されていた建築・不動産業界に対する不信が噴出した形である。目の前の危機に目をつぶってしまうような人は救いようがない。放置するしかない。しかし、自分が住む住居の危険を知ろうとし、何らかの対処をしたいと考える人に対しては、各方面からのサポートを行っていくべきである。

社団法人「東京都建築士事務所協会」(新宿区、電話03-5339-8288)では、職員が午前9時から午後5時まで、無料相談に応じている。問題発覚後、「ウチのマンションは大丈夫か」といった相談が1日約60件ある(「マンション住民に不安、建築士団体へ相談殺到」読売新聞2005年11月25日)。「来年入居予定だが、確認検査機関が(姉歯事務所の偽造を見逃した)イーホームズなので不安だ」という相談もある(「<耐震偽造>「ウチは大丈夫か?」 相談、問い合わせ殺到」毎日新聞2005年11月24日)。

NPO法人「福岡マンション管理組合連合会」(杉本典夫理事長)は2006年1月10日、耐震データ偽造問題に絡み、分譲マンションを対象にした建物構造の総点検を求める要望書を福岡県に提出した(「耐震計算偽造:分譲マンション総点検を 管理組合連合会、県に要望書提出 /福岡」毎日新聞2006年1月11日)。

宮城県の団体は統一相談窓口を設置

耐震強度偽装問題を受け、宮城県建築設計事務所協会と日本建築構造技術者協会東北支部、仙台建築構造事務所協会は、マンションの管理組合などを対象とした統一の相談窓口を設置した(2005年12月12日)。竣工図や構造計算書を預かって、偽装などがないかを無料で検証する。場合によっては、有料で現場確認も行う考えとする(「耐震偽装の不安解消 建築設計3者が無料検証」河北新報2005年12月13日)。 統一相談窓口にはマンション管理組合からの相談が殺到している。設置から一カ月足らずで、58棟の相談が持ち込まれ、居住者の不安を浮き彫りにした。県建築設計事務所協会の松田純也専務理事は「相談件数は予想以上で、それだけ入居者の不安が大きいという証拠だ。事件の節目ごとに、相談はさらに増えるのではないか」と指摘する(「マンション相談殺到 耐震強度偽装事件引き金」河北新報1月13日)。

高層マンションの危険

最近、雨後の筍の如く、次々と建築されている高層マンションは大丈夫だろうか。近頃、妙にニョキニョキとマンションが建ちだしたと思っていたが、このようなインチキが裏に隠されていたとは衝撃である。少なくとも密集地域に建てられた高層建築は直ぐにでも再確認を行う必要があるように思われる。

今後建築予定の建物は徹底した検証が不可欠である。鉄筋がキッチリ入っていたとしても、コンクリート強度などはどうなってるか全く信用できない。事が起きた後の対応では、余計な市民の血税を使うことになる可能性が極めて高い。

偽装物件の近隣も被害

耐震強度偽装物件の近隣住民も倒壊の恐怖に脅えている。マンション外壁から自宅の塀まで50cmしか離れていない家もあり、住民は「いつ建物が崩れてくるか、不安でたまらない」と訴える(「<耐震偽造>近隣住民が悲鳴 「いつ崩れてくるか不安」と」毎日新聞2005年11月25日)。大地震が起きた場合、損害は偽装マンション住民に限らず、耐震基準に満たない建物のある都市そのものに、甚大な被害を及ぼすことになる。

木村建設が、熊本市で建設していたマンションのすぐ隣にある居酒屋兼食堂「肥後」が閉店した(2005年12月22日)。松本佐知子・店主は「工事再開の見通しが立たず、耐震性にも不安がぬぐえない」と話す。33年間続いてきた店は、事件の影響をもろにかぶった。

「肥後」は市中心部にあり、9階建てのマンションの工期は2005年6月〜2006年2月の予定であったが、11月下旬から工事が中断した。マンションとの境は最も狭い所で数十センチしかなく、足場などはそのままになっている。工事が始まってから店の床や壁がひび割れたり、基礎や作り付けの棚がずれたりした。工事関係者に申し入れ、ようやく木村建設から修理の約束を取り付けた直後に問題が発覚した。

工事の騒音などで客足は遠のき、ここ数カ月は赤字が続いていた。松本店主は「市は『耐震性は大丈夫』と言うけれど、実際に壁などの中を調べたわけではない。徹底調査をお願いしたが、結果が分かるのは何カ月も先。その間、万一のことが起きたらお客さんに申し訳ない」と話す(平野美紀「耐震偽造:「不安ぬぐえない」木村物件隣接店が閉店 熊本」毎日新聞2005年12月24日)。

被害者の怒り

建物付近に住む住民と購入した方々が不憫で仕方がない。被害者の無念は筆舌に尽くし難い。何千万円も出して入居した新築マンションなのに、「震度五で倒壊する恐れがあります」と言われたら、たまったものではない。購入されたマンションから追い立てられるように退去した方々には心休まる日々はないだろう。

構造計算書偽造事件によって大地震並みの難民が発生しつつある。何の過失もない幸せに暮らしていた家族が、路頭に迷うかもしれない局面に立たされている。住民は難民と化し、ローンをかかえたまま二重債務状態になって人生破綻の危機にある。仮住まい家賃とローンの二重負担、建替えとなると二重ローンに苦しむことになる。

耐震性に不安があることが判明した各地のマンション住民には、不安の声が広がった(「<構造計算書偽造>住民に広がる不安 ホテルは営業中止」毎日新聞2005年11月18日)。寝耳に水の住民は、ぞっとしたことだろう。住民が何時起きるとも知れない地震への恐怖に生きた心地がしないことは想像に難くない。

「何十年ものローンを組むなどしてマイホームを購入した住民らの怒りと不安は察するに余りある」(「耐震強度偽造 許されない背信行為だ」徳島新聞2005年11月11日)。

「不安と怒りは頂点に達しているだろうが、それ以前に信じられないという気持ちでいっぱいに違いない」(「国原譜」奈良新聞2005年11月25日)。

「偽装マンションを買った人は引っ越し、新たな借金、心労の三重苦に直面している」(「小社会」高知新聞2006年1月18日)。

「見かけは立派なマンション、ホテル。しかし、中の鉄骨などはか細いもの。強い地震でビル倒壊の危険をはらむ。マンション購入に大枚払った住民はたまったものではない」(「天地人」東奥日報2005年11月23日)。

東京都墨田区の11階建てマンションの一室を2005年1月に約4千万円で購入した住民は「半端じゃない大借金、多額のローンを抱えて・・・・・・悔しい」と怒る(「ローン抱え「悔しい」」朝日新聞2005年11月19日)。

都内下町の偽装マンション住民は「怖くて眠れない。家族を想うと仕事も手につかない。なのに、姉歯やヒューザーたちは“安全な場所”でぐっすり眠っているかと思うと、正直腹立たしい」と嘆く(「「やっぱり安過ぎたかも」居住者500世帯がローン難民に」週刊文春2005年12月1日号30頁)。

偽装物件の一つ「グランドステージ住吉」の八住庸平・管理組合理事長は「検査機関の確認が、存在意義もないほどずさんだったと、がく然とした」と話す(「耐震偽造 証人喚問見た住民は「無責任」「真相隠してる」」毎日新聞2005年12月15日)。

自己責任論の誤り

「耐震強度偽装の問題は、誰でも被害者になる可能性があった。「安物買いするから」と非難するのはおかしい」(長嶋修「劇場化進み繊細さ失う」朝日新聞埼玉版2006年1月1日)。自己責任論は一歩間違えれば、とてもアナーキーな無責任論となる。自己責任論は全て買う側がチェックし、自分の行動に責任を持ち、不利益を被ればそれは自己の責任として対処しなければならないという結論に行き着く。現代日本において「自己責任」という言葉は、強者が自分たちの所得の再分配を拒むための論理として濫用されている。

被害者が胸中を漢字一文字で表現

毎日新聞はグランドステージ各マンションの住民計10人に事件が発覚してから年末までの一カ月半の思いを、漢字一文字で表現してもらった。人生設計の激変を味わい「激」を挙げる住民や、「慌」「恨」など事件に振り回され苦しんだ住民たちの胸中が浮かび上がった。グランドステージ茅場町の男性は「止」の字。「11月17日から家族の時間が止まってしまった。平穏を取り戻したい」と言葉に詰まりながら語った。

グランドステージ千歳烏山の男性は、いつ地震が来るか怯える現状から「死」を選ぶ。GS池上の男性は、12月22日になってやっと大田区が現地調査を実施した現状を憤り、「遅」を挙げた。「不安のままの年を越すしかなく、ストレスが相当たまっている」といら立つ心境を語った(桐野耕一「<耐震偽造>「激」「慌」「恨」など住民が胸中を1文字で」毎日新聞2005年12月31日)。

被害者救済は進まず

耐震強度偽装事件の被害者住民への補償や救済の内容に進展は見られない。被害者住民は支援ではなく国の責任における賠償、補償を求めている。これは北側国交大臣の行政責任を認める発言からも、道理に適う主張である。実態の解明もなく、つかみ金の50億円を出せば済むと思っている政府のいい加減な対応を許すわけにはいかない。

居住者は不安をぬぐえないでいる。被害者は相変わらず不安定な状態である。「業者は本当に補償してくれるのか。このまま見捨てられるのではないか」(「危険性は同じなのに」朝日新聞2005年12月30日)。「国と都、建築主ら業者は責任の押し付け合いに終始しているように見える」(「偽装すり減る理事長」朝日新聞2005年12月31日)。

不安を募らす住民からは、業者だけでなく自治体の対応についても「緊迫感がなく、消極的だ」と非難が相次いだ(「倒壊危険マンションで説明 「自治体対応遅い」と非難」共同通信2005年11月20日)。「民間に委託するシステムを作ったのは国であり、国の責任は最も重い」と行政に対する不満や怒りが大きい(「所有会社、住民の退去要請=「命と財産を守って」−耐震計算偽造問題で説明会」時事通信2005年11月20日)。

被害者に対する自治体の対応は区々である。国土交通省は関係自治体に対し、震度5強程度の地震で倒壊の恐れのある分譲マンションの居住者に、転居後の家賃の全額を補助するよう要請している。神奈川県や千葉県は県営住宅の家賃を免除する方針を表明している。

転居先の家賃無料化を打ち出した神奈川県内では転居が進む一方、家賃補助が決まらない東京都内では転居が進んでいない。自治体の対応により、転居の進ちょく状況に格差が出ていることも明らかになった(「強度偽装分譲マンション、85%246戸が転居できず」読売新聞2005年12月14日)。

東京都は、強度不足から転居を求められた分譲マンションの住民への支援策として、公営住宅か民間住宅を問わず、移転先の家賃の3分の2を補助するものの、残りの3分の1については自己負担とすることを決めた(「家賃3分の2補助、強度不足で退去の住民向け…東京都」読売新聞2005年12月16日)。

グランドステージ稲城を抱える東京都稲城市は、イーホームズが出した建築確認は都が指導しており、市は偽装問題に責任を負う立場にないと主張する(「稲城市、支援に難色」朝日新聞2006年1月1日)。

北側一雄国土交通相の協力要請

自治体の足並みがそろわない現状に対し、北側国交相は閣議後会見(2005年12月16日)で以下のように述べた。「分譲マンションの建て替えまでは相当な期間がかかる。ぴたっと一致するのは無理かもしれないが、家賃補助額や期間において、結果として自治体間で格差が生じないよう国としても努力を続ける」。

北側一雄国土交通相は6日の閣議後の記者会見(2006年1月6日)で、耐震強度偽装で建て替えが必要なマンション住民への支援策に東京都などが難色を示していることについて「万が一、大きな地震があったときは行政の責任を問われるので理解してほしい」と述べた。改めて関係自治体に協力を求めた(「自治体に協力求める 耐震偽装支援策で国交相」共同通信2006年1月6日)。

損害賠償請求権の引き受け

国土交通省は危険な分譲マンションから退去を求められた住民に対し、行政側が支払った引っ越し代金や家賃補助などを建築主に請求する方法として、建築主に住民が持つ損害賠償請求権の一部を引き受け活用する方向で検討を始めた(2006年1月5日)。

違法マンションを建てた建築主に損害賠償請求できるのは、買い主である住民だが、住民の同意で譲渡が可能となる。引っ越し代金などは本来、建築主が住民に支払うべきだが、早急な退去が必要として政府は2004年12月、国と自治体が解体、建て替えなども含め肩代わりする支援策を決めた(「住民の賠償請求権を活用 偽装マンションで国交省」共同通信2006年1月5日)。

請求権が行政側に譲渡されれば建築主に対する損害賠償訴訟を「買い主(住民)、自治体、国の三者が共同ですることもあり得る」とする(佐藤信秋事務次官)。訴訟の住民負担を軽減するメリットもある。しかし、東京都は「債権が十分に回収できない可能性がある」と反対した(「建築主への損賠請求権…都、譲り受け案に反対」読売新聞2006年1月5日)。

金融機関の負担

被害を受けている分譲マンションの住民支援のため、金融機関にも一定の負担を求めるべきである。耐震強度偽装が確認された分譲マンションの居住者のうち、民間金融機関の住宅ローン利用者は190世帯で、借入金総額は65億円になる(2005年12月1日現在)。金融機関がローンを組む場合、マンションを担保にして貸し付ける。担保物件の資産価値を徹底的に見極められなかった責任も問われなければならない。

金融機関の負担を求める指摘に対し、北側国交相は「法律的には難しい」としながらも、「住民(生活)の安定確保の観点から必要に応じ検討したい」との姿勢を明らかにした(「姉歯氏以外も厳正処分 銀行の負担検討と国交相」共同通信2005年12月21日)。

金融庁は民間金融機関に返済の繰り延べ等の相談に応じるよう要請している。衆院国土交通委員会で日森文尋議員の質問に金融庁の佐藤隆文監督局長が答えた(「偽装分譲マンション住民 民間ローン65億円」朝日新聞夕刊2005年12月21日)。

「公費投入だけでなく、金融機関や不動産業界などに、責任にみあった負担や協力を求めるべきです」(榛田敦行「被害者救済などのために」マンションだより2005年4・5月号、日本共産党・東ひろたか事務所)。

民間基金構想

耐震強度偽装事件で、危険マンションを購入させられた居住者らの救済に向け、ゼネコンなど建設業界や経済界による基金・財団の創設構想が国土交通省内部で浮上した。同省関係筋が非公式に関係業界に打診している。マンション販売会社が倒産し被害回復できなくなった場合の措置で、同省側は民間主導の形をとらせたい意向である。これに対し関係業界は難色を示している(「耐震偽装 民間主導で救済基金 国交省打診、業界は難色」産経新聞2005年1月3日)。

マンション業者の責任で賠償するのが筋である。しかしマンション業者が倒産した場合は賠償できず、被害者は救済されない。この場合は業界全体で負担するという考えには一定の筋が通る。但し業界を一足飛びにして経済界全体に拠出を求めることは無理がある。不動産業界と無縁の企業が負担することになるからである。ニューエコノミーが日本の悪癖ともいうべき旧態依然たるオールドエコノミーの尻拭いをさせられることになる。これは正義公平に反する。基金拠出を求めるならば不動産業界、建設業界、住宅ローンを扱う銀行等に限るべきである。

住民の転居は進まず

耐震強度偽装問題で、震度5強程度の地震で倒壊の恐れがある分譲マンション9棟の計290戸中、約85%にあたる246戸にはまだ住民がとどまっていることが、国土交通省のまとめでわかった(2005年12月13日)。

希望する住宅の抽選に漏れた住民は年の瀬も迫り、「退去を迫られても行き場がない」と困っている(「<耐震偽造>「環境変えず余生を」条件かなう転居先少なく」毎日新聞2005年12月15日)。

「コンアルマーディオ横濱鶴見」管理組合役員は「一番悲惨なのは住民が出て行って、マンションを取り壊したあと、建て直しのめどがたたずに、それで終わりになってしまうことです」(「耐震偽装 被害者の年の瀬」朝日新聞2005年12月17日)。


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