土地と建物の話

確かに自分の家があるということは心強いということはありますね。将来にわたり、その土地や建物は自分の持ち物なンですから。私は生まれて物心つくころから住まいは借家でございました。自分の持ち物ではなかったンですね。そうしますと、住む場所はあるンですが、いつもガタガタうるさい大家さんという人がいた。壁に釘をさしたらいけないとか、畳をひっかけないでとか、いろいろうるさい。まだ幼かった私は、家っていうのはそういうものだと思っておりました。ところがですね、学校なンかへ行きますと、そろそろ自分の家と借りている家の区別もつくようになります。私は戸建てに住む友達を羨ましいとさえ思うようになるンですね。「どうしてうちはアパートなの?」母親に訊いても答えてくれませんでした。

This article was updated on May 25, 2022