緊急赴任 ようこそペナンへ
 

2001212日、S氏が緊急赴任した。前任者の「葱氏」が健康上の理由により、赴任3ヶ月目にして急遽帰国が決まったのである。これで私は赴任者を迎えるのは3人目、帰任者を見送るのは5人目という事になる。赴任者を迎え入れるのは総務担当の私の仕事である。

 

就労許可の取得

なにはともあれ就労許可の取得を急がなくてはならない。私の勤める会社はMIDAより、5名の無期限キーポスト枠を割り当てられおり、就労許可取得は容易である。赴任者には在日中に推薦状、卒業証明書、等を揃えてもらい、現地では申請書を作成して待ち構える。赴任者はソシアルパスで入国、速やかに申請書にサインしてもらい翌日移民局へ提出。待つ事約1週間、厳密に言うとこの間は不法就労になる。「認可」の連絡を受け次第移民局に出向き、パスポートにエンドース。めでたく就労許可取得である。そして数ヶ月後にExpatriate Identification Cardが発行される。


「現地給与の支給」

に給料を支給しなくてはならない。駐在員の給与はUSD給与をRMに換算して月末に支給される。個人所得税は会社負担で駐在員は国内の手取額が保証される。「王様の生活が待っている」と言いたいところだが、現地物価水準に減額されての支給となる。給与は消費者物価指数や為替レートをで年2回の調整がある。支払方法は銀行口座振り込みである。MaybankのSaving Account(普通預金口座)の開設は即日だが、ATMカードは口座開設後5週間後かかる。尚、クレジットカード申込には3ヶ月分の給与明細が必要なので、手元に届くのは半年後である。


「住宅の手配」

駐在員住居として単身者はスンガイペタニ、家族帯同者はペナンに会社契約の社宅を準備する。3LDKで150u、家具電器製品付き、セキュリティー完備が前提である。とりあえずホテルに宿泊、前任者が帰任次第入居する。公共料金(電気、ガス、水道料金)は個人負担。掃除洗濯が面倒くさくて、アマさんを雇いたければ自己負担である。社宅に電話は無く、運転中の緊急連絡をかねた携帯電話を支給する。ハード、保証料及び基本料金は会社負担、回線使用料は個人負担である。やたらとカラオケのお姉さんに電話番号を教えないで欲しいものである。


「通勤用車両の支給」

工業団地に路線バスなど無いので、各人に通勤用自動車(プロトンWire1.6AT)を支給する。就労許可取得後、日本の運転免許証を現地運転免許証へ切り替える。保険料、税金、ガソリン代はすべて会社負担である。ただし交通違反は当然ながら自己負担である。マレーシアは東南アジアで日本人が運転できる「比較的運転マナーの良い」数少ない国のひとつである。ところがそれは嘘である。やがて現地の運転マナーに青筋を立て、半年後にはあうんの呼吸を身に付ける事だろう。しかし休日も使いたい放題だからといって、隣の国にばかり行かないで欲しいものである。


「医療ケア」

駐在員は赴任前に健康診断(人間ドック)を実施する。赴任後は定期健康診断を年1回の一時帰国休暇の際、もしくは現地(アイランドホスピタル)にて受診する。予防接種はB型肝炎のみアレンジする。効果が出るまで3回(入国時、1ヶ月後、6ヶ月後)の接種が必要である。会社によってはこれに加え破傷風、狂犬病、等を接種する例もあるが、きりの無い話である。医療費は海外駐在員総合保険でカバーされ、保険料は会社負担である。



「その他」

食生活や日用品で困る事は無い(と私は思っている)ので、ほとんどケアする必要は無い。マクドナルド、KFCはどこにでもある。日本食にしても(彼等の給料では)それほど高くは無い。家の水道から泥水が出たり、屋台は蝿だらけだが日本が無菌室の様なものなんだから。とにかく後任者が神経質な人で無いことを祈るのみである。

 

2001212日)

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