ココナッツジュース
 

あなたはココナツジュースが好きだろうか? 私はほとんど飲む事は無い。そのジュースは甘くて味わいのある物でなく、ミネラルウォーターと大差ない液体だからである。果肉も味も素っ気もない代物である。

ただしゲストの中には「せっかくペナンに来たんだから、ココナッツの実から中のジュースをストローですすって南国情緒を味わいたい」という方もいる。「そうですか、解りましたよ。南国情緒はもちろん異国情緒も味わって頂きましょう。」 マカリスタロードからバーマーロードに抜ける路地がある。この通りのバーマーロードに出る直前に「ココナッツ問屋」と思われるインド人経営のショップハウスがある。店の名前は知らないが、店先には常に大量のココナッツを山積みしてあるのですぐ解るだろう。

ここではローカルが車を停め、ココナッツジュースを手軽に味わってゆく。注文するとおじさんがナタで器用にココナッツの殻を削り取り、ストローを差し込んでくれる。椅子などは無く、路上で立ち飲みである。ジュースを飲み干すと、これまた殻を器用に削り取りスプーンを作ってくれる。これで果肉をすくい取って食べるわけである。多くのゲストは飲みきれず残してしまい、果肉をすくって食べる人は稀である。「ほらねっ、だから言ったでしょ。」 大切なゲストにはレストランで冷えたココナッツジュースを召し上がっていただいた方が良い。

ペナンでは1個RM1(日本円換算約30円)程度の手軽なドリンクとしても庶民間で定着しているが、カレーなどの調味料(ココナツミルク)としての存在の方が重要である。一方でヒンドゥー教では神聖なかつ重要な貢物として使われる。タイプ-サムにおけるココナッツクラッシュはあまりに有名である。この時期になるとマレーシア国内では需要が満たせず、インドネシアやタイからの輸入が急増する。上記ショップハウスでは2階近くまでココナッツが山積みされる事になる。

(2001年8月29日)

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