しょうもない雑文っす。どうしようもないっす。
■2001/07/25 (水) 84.あたしの仔猫ちゃん☆ これをお読みになる前に、次の各作品をお読みになることをお勧めします。
1.下条義晴さん ・ 「猫が行く」
2.ジャッキー大西さん ・ 「招く猫」
3.徳田雨窓さん ・ 「お隣の猫」
4.竜騎さん ・ 「患者の猫」
5.あいばまことさん ・ 「マダム・バタフライ」あのこはあたしの可愛い仔猫ちゃん。
まっ白いふわふわした毛並みのいい男の子。
背中と右の目元に茶色い斑があるのが、ちょっと不思議な印象だけど。
でも不思議なのは、毛色だけじゃないのよ。名前はタック。
あたしがつけたの。
Catを逆にしただけなんだけど。最初に会ったのは、実家の近所の誰もいない神社の境内だった。
鳴き声が気になって見に行ったあたしの姿を見ても逃げなかったただ一匹の仔猫。叔母さんの危篤のとき、あのこはいつの間にか車に入り込んでいたの。なんか、慰めてくれているようで、思わず抱きしめて、そのまま病院に連れていっちゃった。
叔母さんが亡くなった、そのとき、あたしは気が付いたの。
あのこがおかしな動きをしたの。
いつも庭でよくやっているように、空を漂うなにかをつかもうとしているみたいに、ベッドの端っこからとびあがって、なにかをかかえこんで吸い込むような、そんな動き。
あたしは、思わず泣き出したふりをした。だって何か変な感じだったんだもん。
でも、そのとき分かったんだ。
あのこは「叔母さんを捕まえようとしたんだ」あたしが車にはねられたとき、もう終わりだって分かってた。
あのひとはあたしの一本しか残っていない腕をかかえながら泣いていた。
でもあたしには分かってた。奇跡なんか起きないこと。
そのときあたしは、あのこに頼んだの。心の中で力一杯。
「あたしの魂を捕まえて!!あのひとと一緒にいさせて!!!」結局、あのこはあたしを捕まえられなかったと思っているだろう。
でもなぜかあたしはここにいる。
あのこの頭の中に。
そして待っているのだ。あのこがあのひとの魂を拾うのを。
あのひとは分かっていない。あのこから逃げ回っている。
でも…もうすぐ一緒にいられるの。
あのひともきっと分かってくれる。
あのこの中で。
あたしとあのひとはまた。
ひとつになれる。
あたしたちの運命はひとつなんだから。一蓮タック生。
お読みになられた後は、次の各作品をお読みになることをお勧めします。
7.香栃育哉さん ・ 「吸う猫」
8.まさとさん ・ 「キティが行く」
解決編?.下条義晴さん ・ 「猫は行く」