しょうもな文

しょうもない雑文っす。どうしようもないっす。

■2001/02/12 (月) 57.絶妙のタイミング

 日常的に時事ネタの雑文を書いていると、そのネタをどのくらい寝かせておけばよいかの判断に迷うことがままある。あまり寝かせすぎてネタが古くなって発酵しすぎて腐ってしまってもしょうがないし、新しすぎても、読者の理解が追いつかない可能性がある。このような悩みは、他人の褌で相撲を取るスタイルの芸人は等しく持っているものであろう。例えばモノマネ芸人の類である。

 その点、関根勤がするモノマネは特にマニアックになることもなく、さりとて他の芸人が使い古したネタに堕することなく、微妙にツボを押さえた対象が多い。おそらく彼は幾つものネタのストックを持っており、そのモノマネの対象人物が有名である間は研究に徹して公表を避け、人気が低下してからも暫くは公表せず、忘れ去られるか埋没するかの瀬戸際になって初めて公表するのであろう。その点、昔でんでんが花菱アチャコの真似を、「むちゃくちゃでござりまするがなあ、どうだ古すぎて似てるかどうかも分かんねえだろ?」と、もう誰もモノマネ対象の人物を覚えていなくなってから公表したようなものとは若干異なる。丁度、「いたよね、そんな人」という反応が返ってくるギリギリのタイミングで公表するというのは、雑文執筆時における日常のネタふりにも通ずる鉄則なのかも知れない。

 今、ここに水森亜土という人がいる。あの30年ほど前に、透明アクリルボードに両手で絵を描きながら歌を歌うスタイルの芸で一世を風靡した、あの水森亜土である。関根勤のモノマネにより、彼女の存在は忘れられようとするギリギリの絶妙のタイミングで、我々の意識上に再浮上した。その特徴ある話し方は、基本的に誰でもモノマネしやすそうに見えるのだが、何故今水森亜土なのか、というタイミングだけは、「今が一番ウケそうだから」としか言いようがないであろう。関根勤は、そのような意味で天才である。

 さて、その水森亜土だが、今はジャズ歌手などをしているらしい。ジャズ歌手シャンソン歌手のジャズ歌手だ。他に私が知っているのは、彼女は江戸っ子だということである。親子三代江戸っ子と言うからいわゆるチャキチャキの江戸っ子である。しかし、彼女の出身地は何となくもっと西のような気がしていた。例えば石川県とか奈良県とか。

 だって、亜土は能登なれ大和なれと言うんだから。


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