しょうもな文

しょうもない雑文っす。どうしようもないっす。

■2001/01/23 (火) 54.明智と金城

 カプコンがPS2用の3Dアクションゲーム「鬼武者」を発売する。主人公は明智左馬介秀満と言うことだ。顔の造型のモデルと音声は金城武が演るらしい。何度もTVCMが流れるので気になってカプコンの公式サイトを読んでみたところ、彼のことを「明智光秀の十歳年下の甥」としていた。あれっ確か彼は光秀の従兄弟にして女婿ではなかったか?
 彼は講談などでは弥兵次光春と呼ばれる。司馬遼太郎も光春としている。どうも江戸時代からそのような呼ばれ方を(特にフィクションの分野で)されている。そんなこんなで資料が混乱しているが、確実な資料を追えば本名は左馬介秀満で間違いないらしい。但し光秀の従兄弟かどうかは不明である。一般に小説では従兄弟にして娘婿となっているが、娘婿になって明智になったと言う資料(旧姓三宅)もあるので、実は光秀とは全くの赤の他人だったかもしれない訳である。分からない。
 彼が主人公であることを知って覚えた違和感はそれだけではない。次に思ったのは、よくもまあこんなマイナーな武将を主人公にするなあと言う点であった。しかも信長が悪役であるらしい。史実とは180度違う設定に実在の人物を使うのは如何なものか。歴史物と言うのは、小説、コミック、ゲームを問わず「これが真実である」と言う誤解を与えやすいのだ。今なお吉川英治や山岡荘八、司馬遼太郎の作品を事実と思っている人は絶えない。
 なお、余談だが坂本龍馬は秀満の子孫であるという伝説がある。うーん、カプコンの意図としては第2弾として坂本龍馬を使うつもりなのだろうか。龍馬には未だにコアなファンが多く、マニアックな人達から苦情が寄せられはしないだろうか?
 歴史ファンでゲーム好きにしてみれば、自分がその虚像に引きずられる可能性が十分にあるだけに悩んでしまうのだ。史実を知らないで金城武を気に入っただけでこのゲームをプレイした人が、信長を悪役だと決めつけるのもイヤだし(悪役でないと強弁するつもりはないが)明智秀満が忍者と仲がよいと信じ込まれてもイヤである。
 いらぬ心配なのだろう。たぶん。単純にゲームとして楽しめば良いのかも知れない。もしかしたら明智秀満を主人公に選んだのは、絶対負けそうもない強いキャラクターだったからかもしれない。有名な詩があるので紹介してオチにしよう。
 明智モマケズ金城マケズ雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ…


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