■2000/09/23 (土) ９．ルールとは何だ？

　シドニー五輪、柔道の男子１００kg超級の決勝戦、篠原が銀メダルに終わったのは、素人目に見ても誤審ではないかと思える勝負だった。
　ＮＨＫのアナも解説者も「おかしい」を連発するばかりで要領を得ないので、一旦、審判の立場に立って今回の勝負を検証してみよう。

　相手のフランスのドイエは内股を篠原に仕掛けた。この時篠原はその内股をすかした。そして両者勢い余って倒れ、篠原は俯せ気味に、ドイエは半身で幾分背中から落ちた。
　これをどのように解釈するか？
　篠原の内股すかしが決まったと見れば、当然技ありか一本で篠原のポイントである。しかし、この時、一旦はドイエの内股は篠原を捕らえかけていたのである。問題は捕らえかけた内股の勢いで篠原が倒れたのか、その内股をすかしたために倒れたドイエに引きずられる形で篠原が倒れたのか、だ。
　内股すかしという技を知っていればまず確実に篠原のポイントと見たであろう。しかし国際柔道のルールに技の説明はないのだ。
　国際柔道のルールでは単に「背中から落ちれば一本」などと書かれているだけである。

　あの勝負は、明らかに国内であれば篠原の勝ちである。
　しかし、柔道のルールには、もう一つ「審判が畳を下りた時点で判定は確定する」とある。
　いくら抗議しようと、判定は覆らない。残念ではあるが。

　最後に篠原が「弱かったから負けた。」と言ったのには、身震いするほど感動した。
　対するに最後まで未練たらたらの解説をしていた解説者には腹立たしかった。
　日本人は、やっぱりこういう場面で潔さに感動するものだなあ、俺も日本人だ、などと不思議に思った。

　ところで、ささいなことかもしれないが、ＮＨＫだと言うのに興奮した解説者は「見れない」などと「ら抜き言葉」を連発していた。
　こっちの方が気になる。ＮＨＫなら日本語のルールをまもらんかい！

　ってな訳で、少々興奮してしまって困ったものである。
　私もこのままでは悔しくて寝れないじゃないか。
　あっ、「ら」忘れた。

(c)Rou@Shoumona,2000 　
since 08.Sep,2000