しょうもな文

しょうもない雑文っす。どうしようもないっす。

 
■2000/09/11 (月) 3.観光地

 観光地で働くというのは奇妙な感じがするものである。
 いや、明確な観光地だったら不思議でもなんでもなく、むしろ働きだしたときに「おおっ、俺は観光地で働いているのだな!」と感じもしようが、そんな普通の観光地ではなく、むしろ穴場、しかも海外からの観光客の来る観光地であると面白い。
 海外に旅行に行ったことのある人、とくにツアーなんぞに参加した人なら少しはおわかりのことと思うが、海外ツアーというものには、「日本語が通じる、おみやげを買うのに最適の穴場のお店」ってのが付いていて、意外とガイドや旅行会社などがマージンを貰っていたりするのだが、日本においてそんな店があって、実は外面的にはなんの変哲もない店だったりすると不思議な気がするのである。

 ここに、普通の宝石店がある。真珠などがメインらしく、そこんとこはかえって他の宝石店と比べると地味だったりする。
 たぶん、日本のおみやげと言えば真珠なのであろうか?そこの店の前には毎朝通勤時に、漢字ばかりが並んだ、どうも「○○会様御一行」とでも書かれているであろう、紙が貼られた観光バスが停まっている。
 で、バスから降りてくるのは日本人と何ら変わりのしない、だがTシャツの柄などにちょっとした違和感のある新婚カップルらしき人達や、定年後らしき夫婦の人とかである。皆、朝早くから私服で集団でその宝石店に入っていく。
 たぶん、いや、きっと、その宝石店では、ヨーロッパなどで「日本語話せます」という名札をつけた店員がいるように、「広東語話せます」とか「香港語話せます」「韓国語話せます」といったことを、それぞれの言葉で書いた名札をつけた店員がいるのだ。

 私たちが普段何気なく生活していて気づきもしないところに、そんな観光地があるというのは、何やら奇妙なものである。
 きっと、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアその他私たちが行く観光地においても、当然、そこには普通に生活している人がいて、私たち観光客を見て不思議に思ったりしているのかもしれない。
 特にいわゆる観光地ではない、単なる大都市であったりする場所では、むしろ観光地だと自覚している人の方が少ないのではないだろうか?
 きっとフランスの田舎からパリに来て働いている人たちは私たち観光客を見て思っているのかもしれない。「すごいな、世界中から観光客が来る。やっぱりパリっや」


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