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9月28日12:15am (Stratford)

 市内観光の前にまず次の町への交通手段を決めようと、それぞれのTimetableを比較したのち、翌日のバスで移動することにした。

 さて、いよいよShakespeareめぐりの始まりだ。初陣を飾るのはやはりShakespeareの生家。文学史の知識が皆無の私がそこで彼についてたくさん勉強させてもらった。周知のことと思うが、一応紹介しとくと、

 Shakespeare家は手袋の職人だったJohn Shakespeareからはじまる。2人の子どもを生んだが、幼児死にをして、文豪のWilliam Shakespeareが実質長男として生まれたのである。若いとき、Stratfordに来た劇団の公演を見たのがきっかけで、役者を目指そうとのちにLondonに上京し、有名なGlobe Theatre入りし、役者と脚本作家(後者の方が当然有名だが)として活躍した。それと同時に、故郷Stratfordで土地投資し、大家持ちでもある。晩年Stratfordに戻り、自分の誕生日の日に亡くなった。子どもは多分(私の勉強不足で確信できないので)全員娘で、一人だけ結婚したが、孫娘が子どもを残せずに亡くなったため、Shakespeare家はここで絶った。
 次に訪れたのはNash‘s House(別名New Place)。そこはShakespeareの孫娘と孫婿の家でShakespeare本人もここで死んだらしい。現地のガイドさんは私に気を遣ってくれて、非常にゆっくりでわかりやすい英語で解説してくれて、とてもありがたかった。市内にある3つの重要なShakespeareゆかりの建物のうち最後に訪れたのはHall’s Croft。Shakespeareの娘Susanna夫婦の故居で、内装はいかにもチューダー朝風(らしいが、わたしにはわからん)。あそこのおばさんもわたしのためにゆっくりと解説をしてくれたが、所詮内容自体が難しくて、聞こうとしたが、6割が精いっぱいだった。

 前夜止まったのは£20のB&Bだったが、もっと安い宿がまわりにあることを知ってTourist Informationのホテルリストを持って、安宿探しを始めた。すぐにも見つかろうと思って、前の宿のおばさんに「電車に乗るから」と言って、チェックアウトして(しかも、玄関先まで見送ってもらって)、全荷物を背負って歩き回った。皮肉にも悪夢はここからstartした。15分もあれば徒歩で端から端まで横断できるほどの小さな町なのに、一時間近くかかって無数の宿に当ってみたが、All満員御礼。疲れ果てて、もう安宿と言わず前の宿以外ならどこでもよくなった。が、それでもいっこうに見つからん。挙げ句の果て、やっぱり元のところに戻ってしまった(最悪な結末!)。「電車に遅れちゃった」とうそをついたが、なんとあそこまで私が宿を捜していた間に部屋が埋まって、No Vacancies!(さっきのが最悪な結末ならまだよかったが、結末じゃなかった!)もう、これこそ天からの罰だろうと思い、懺悔の気持ちでいっぱいだった。しかし、そこがやさしいイングリッシュオバサン、困っていた私をみて、友達の家を紹介してくれた。行ってみると、私に貸してくれた部屋は普通ではとても£20では泊まれる部屋じゃなかった。しかも、そこはむかし宿経営をしていて、今は停営中らしい。「すっげー」と感激しつつも、卑劣な自分と心やさしいおばさんとの正対照に思わず赤面してしまった。「私はサイテーな人間だ」と改めて認識した瞬間だった。(反省!)

 新しい大家さんに、もう劇場へ行ったかと聞かれ、初めて自分が劇の国イギリスに来て、まだ一度もシアターへ行こうと思ったことがないことに気づいた。しかもShakespeareの町で劇を見なかったら笑い話だ。そう思って、夕食のあとチケットを買いに行った。Ticket OfficeでVolphoneという喜劇は初心者向けと紹介されたので、わけのわからないままそれに決めた。待ち合い時間の間、人々が続々と集まって私は驚いた。観客層はお年寄りだけではなく、むしろ日本で言う男女子高生である若者の方が多かった。日本では、コギャルらがそろって劇や歌舞伎を見に行く光景は私にはどうしても想像できない。(というか、不可能だろう、あいつらには!)開演直前になると、もうプログラムを買ったり、ワインを飲んだり、談笑したりしている人でいっぱいだった。この小さな町にこんなに人がいたのかなというぐらいだ。またもやイギリス人の教養の高さを思い知らされた。

 さて、いよいよ開演だ。私の横に、スッゲーきれいなキンパツの女性が座っていたので、結局大半の時間、目がそっちの方に行っていた。―というのはうそで、まぁ、とにかく気分は悪くなかった。劇の方というと、最初からわけわからん。I can make nothing of what they sayってカンジだ。喜劇なのに全く笑えん!前半はまだ我慢できていたが、Interval(休憩時間)が過ぎて、後半開始30分になると、ついに例の睡魔に負けてしまった。まぁ、幸いにもEndingにはちゃんと起きてたからめでたし、めでたし。(じゃねーょ!)

 Anywayこの3時間強の劇は私にとって、とても貴重な体験でした。(?)

注:Shakespeareの故郷の名はStratford-Upon-Avonというが、なぜそのような  長い名前になっているかというと、実はイギリスにはStratfordがいくつもあ  って、それらを区別するために後ろに何かをつけなければならないのだ。その町の横にはAvonという川があって、Upon-AvonとはAvon川沿いという意味である。実際に町付近一帯だけの地図や鉄道の時刻表には単にStratfordと記すことが多く、この日記に登場するStratfordも同じことを指す。
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