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ファシリテーテッド・コミュニケーション研究に関する報告書

ファシリテイテッド・コミュニケーション(FC)研究の概観
Gena Privitera
言語療法アドバイザー・セラピー・サービス

この記事はTalkabout 誌第10巻第1号(1997年5月)に掲載されたものです

 この20年の間に、補助代替コミュニケーション(Augmentative & Alternative Communication, 以下AACと略します)の分野が発達し、重いコミュニケーション障害を持つ人達にとって、自然な発話や筆記が難しいときに、それを補足する手段、またはその代替手段を提供するためでした。重度のコミュニケーション障害の原因には、身体、知能、聴力、視力、またはその他の障害などがあります。補助コミュニケーションシステムの多くは、タイプライター、コンピューター、代替キーボード、発話合成装置、そして音声認識装置などを使います。AACでは、個々の障害者の補助コミュニケーションシステムを向上させるために、そのほかにも多くの方法(手話、記号、技術、方法)を使って、障害者のコミュニケーション能力を最大限に引き出そうとします。ファイリテイテッド・コミュニケーション(Facilitated Communication, 以下FCと略します)は、そのような方法のうちの一つですが、その使用に関して大きな議論がある点において、ほかのどの方法とも異なっています。FCが有効かつ信頼できる手段であることを否定する見解(Fried-Oken, Paul, & Fay, 1995; Prior & Cummins, 1992; Calculator, 1992)がある一方で、FCは自閉症を克服する画期的な方法であると賞賛する見解(Duchan, 1993; Berger, C. 1992; Biklen & Schubert, 1991)もあります。
 FCとは、重度のコミュニケーション障害を持つ人が絵、物体、印刷された文字や言葉を指し示すときや、キーボードを使用するときに「ファシリテイター(介助者)」が物理的または他の方法で補助する技法です。(ASHA, 1995)

FCの始まり

 オーストラリアでFCが使用されたことが最初に記録されているのは、1984年のCrossleyの研究です。Crossleyは、Anne McDonaldという少女と1977年にFCを使用しました。この少女は脳性麻痺で施設に収容されており、重度の知能障害を持っているとされていました。Anne McDonaldが後に施設を去るまでの法廷での争いは、『Annie's Coming Out』という本につづられています(Crossley 1988)。その後Crossley は、FCをもっと広い範囲で使用し、ダウン症やその他の発達障害の人々のコミュニケーション手段として有効であったと報告(Crossley 1992)しています。オーストラリアでのFCの進展とは別個に、Johnson (1989)はデンマークの知的・身体障害者向け宿泊施設で、重度の知的障害または身体的障害を持ち、発話障害のある14人の若者が読み書きをできたという発見を伝えています。米国においては、Biklen(1990)がFCを最初に紹介したとして、シラキュース大学でFCを使用したこととともに広く認識されています。(Dwyer, 1996; Clarkson, 1994)
 1990年代初期から、FCについて多くの論文が書かれてきました。成功を報告する事例研究(Biklen, 1992; Clarkson, 1994; Crossley, 1988, 1992; Schubert, 1992) がある一方で、統制された研究ではFCの有効性の実証が不成功に終わっています(Calculator & Hatch, 1995; Hudson, Melita, & Arnold, 1993; Wheeler, Jacobson, Paglieri, & Schwartz, 1993)。FCを巡る議論は主に、FCを用いて伝えられているメッセージは、誰から発せられているのかという問題です。つまりメッセージは被介助者(障害者)のものなのか、それともファシリテイターが意識的に発しているものなのかということです。FCに関する議論は、Journal of Speech & Hearing Research (1995, 38(2))、Mental Retardation (1994, 32(4))、Topics in Language Disorders (1992, 12(4))、および the American Journal of Speech Language Pathology (1992, 1 (2))などの専門誌や、Exceptional Parent (May 1995 & July 1995)などの親のための雑誌で盛んに行われています。また、大衆向け出版物(Maslen 1994)や、マイナーな出版社の出版物(Crossley 1994; Joseph, 1994)で取り上げられたことや、テレビ・ラジオの時事問題番組での取り扱いがさらなる議論と憶測を呼んでいます。
 Biklen (1992) と Crossley (1988) は、FCを通して自閉症の人が健常人と同じレベルの認知的、社会的、および感情的な能力を実証したとされる具体的な事例を挙げています。Biklen と Schubert (1991) はFCを用い、予想を超える識字能力と数量的思考能力を見せた20人の生徒について報告しています。Biklen (1992)は7歳の少年に関して、次のように述べています。
 「FCなしでは、Markは、物をつかんだり、興味がある物の方向に人を引っ張っていくことや、時折かんしゃくを起こしたりすること以外は効果的なコミュニケーション手段がない。マークは、FCを使って思っていることを言うことができ、他の生徒と会話することや、学校の課題で平均かそれ以上の成績を取っている。(p 15)」
 FCを採用したことによって生活の質が非常に向上した事例もいくつかあります。Johnson (1989)は、FCが彼らの日常生活にどのような影響を与えているかを述べ、Clarkson (1996)は、ある若者がFCを使って国政選挙で投票したことや、住居の変更を申し出たこと、および音楽療法に参加する度合いが増えたことを報告しています。

虐待の疑い

 しかし、FCの妥当性と有効性には、当事者側からの疑問の声があがっています。肉体的虐待や性的虐待、近親相姦を受けたり、果ては殺されかけたと、障害者が施設職員や家族を非難する声も聞かれています。Dwyer (1996)、Maslen (1994)、および Jones (1994) は、このような申し立てによって、精神的にも経済的にも負担の大きい裁判という結果になったケースについて詳細な報告をしています。性的虐待の被疑者となった人々の多くは、その後の人生に取り返しのつかない損害を受けたとされています。(Johnson, 1995、Maslen, 1994)
 このような場合、虐待があった事実を示す医学的な証拠を立証できるケースは少数で、証拠のないケースが多数です。FCの擁護者は、虐待を裏付ける医学的証拠が得られにくいことを説明するために、虐待の告発がFCで行われたからといって必ずしも真実とは限らないと主張しています(Dwyer, 1996、Maslen, 1994)。 Remington-Gurney (1996)は、FC使用者78人のうち、微妙な、あるいは議論を呼ぶ可能性のある情報が得られたケースを少なくとも10例あげています。Remington-Gurneyは、こうしたケースでは、FC使用者側が発したメッセージの内容と意図を明らかにすることが、FCの技法を評価することよりも大事だと述べています。

統制された研究

 FCの使用を巡る問題の中心は、この技術を支持する実証的証拠がないことです。FCを使用する以前はコミュニケーションの手段がほとんど皆無であった人が、FCを覚えたことで突然に識字能力やコミュニケーション能力を発揮したというような逸話的証拠は報告されていますが、この主張を裏付けるような個別研究が成功した例はありません。次々と行われる研究によっても、FCの有効性を立証することはいまだできていません。科学的な研究による一般的な結論としては、ファシリテイターが被介助者に投げかけられた質問に関する情報を持っていない場合、被介助者が一人でそれに答えられるという証拠はないというものです。いくつかの研究はファシリテイターが意識的に、あるいは無意識的に被介助者の回答に影響を与えていると結論付けました。.(Bebko, Perry, & Bryson, 1996; Boynton 1995; Braman, Brady, Lineham, Williams 1994; Cabay, 1994; Hirshoren, & Gregory,1995; Montee, Miltenberger & Wittrock, 1995; Wheeler, Jacobson, Paglieri, & Schartz, 1993)
 Green (1994)の研究では、よく統制された評価を25例扱いました。そのうち17例は学術専門誌に掲載されたか、掲載許可がでたもので、その他の例は専門的な学会で発表されました。ファシリテイターが必要な情報を知らないときに被介助者がFCによって妥当な回答を示したという証拠が何らかの形で認められたのは、25例のうちわずか4例でした。この結果からは、偶然の一致や、元々持っていた知識によって回答した可能性は排除されています。このような証拠は評価対象者233人のうち7人についてだけ当てはまるもので、この7人についても高度なコミュニケーションは示されませんでした。
 こうした研究の中には、ファシリテイターを視覚的または聴覚的に隔離しておき、一重または二重盲験法によって、短い言葉で答えられる質問か、あるいは物体や絵を識別する質問を用いたものがありました(Bomba, O'Donnell, Markowitz, & Holmes, 1996; Vasquez, 1994; Wheeler et al, 1993) 。Szempruch & Jacobson (1993) の研究は、メッセージ・パッシングという手法を用いました。ファシリテイターが部屋を出ている間に、被介助者は何らかのできごと(絵を見せるなど)を経験します。次にファシリテイターが部屋に戻り、ファシリテイターが不在の間に行われたことをFCで回答するというものです。Cabay (1994)は、空欄を埋めるか、短い言葉で答える質問が書かれているか、または白紙のカードを使用しました。これらの研究では、一回だけのテストが行われましたが、FCを支持するような結果は得られませんでした。一方、最近Sheehan & Matuozzi (1996) によって行われた研究では、ファシリテイターにとって未知の情報を明らかにするために、複数のセッションでメッセージ・パッシング法が採用されましたが、3人の被験者のそれぞれが、一貫性はないものの有効なFCによるコミュニケーションを示したとされました。

質的研究

 FCを支持する人は、初期のFC研究は人工的な環境で行われていたために妥当ではないと批判した上で、FCで伝えられるメッセージの出所を確認するには、自然な検証方法が必要だとしています。1992年に、クイーンズランド州政府の家族サービス・原住民担当局(Queensl& Department of Family Services & Aboriginal & Isl&er Affairs, DFSAIA)は、1年間に渡ってFCの使用とその意義に関する定性的な研究を行いました。調査は20人の発話のない大人と4人の重度の知的障害を持った就学年齢前の幼児を対象に行われました。この研究の結果は、Queensl& Report on Facilitated Communication (1993)に発表されました。調査から引き出された結論は、「得られたデータを内容分析および構造解析した結果、対象集団のうち21人(87.5%)について、FCが有効であった」(DFSAIA, 1993, p.32)ということでした。Green (1994)は、この研究に関して、内容と調査方法ともに厳しく批判しています。
 Beck, Warburg, Parving, Jansen, Arendt-Nielsen, Elbro, & Klewe (1992) の研究は「言葉の指紋をとる」ことを試みました。つまり、FCが本当に被介助者の言葉を語るならば、ファシリテイターが変わっても発せられる情報の文体には一貫性があるはずであるという仮説を立てたのです。彼らの所見によると、被験者のコミュニケーションに含まれた文の構造はファシリテイターによって変化し、さらに同じファシリテイターが別の被介助者のFCを介助した場合には、類似した文構造が使われていたということです。
 FCの推進者達は、ファシリテイターに目隠しをして子供達を「試験」し、FCで発せられた言葉の出所を探るという行為は子供達を傷つけ侮辱するものであると主張しています。つまり、FC使用者が自ら「証明」することを強要されることによって、被介助者とファシリテイターの信頼の絆が断ち切られるというのです。(Biklen & Schubert, 1991; Crossley, 1988) FCを推進する研究者達は二重盲験での芳しくない結果を説明するために、この「検証不可能な」仮説に言及するのです。

自然な検証

 自然な検証法とは、文脈の中での言語使用と、通常のコミュニケーションの発達介入に関する理論を基盤としています。まず、非介助者は予備知識のないファシリテイターにFCを使った会話で情報伝達するように求められます。その情報とは検証可能で、ファシリテイターに事前に知らされていないものでなくてはなりません。FCで伝えられる情報がファシリテイターから発せられているなら、起きることのない事柄(例えば、ファシリテーターをののしること)を被介助者がつづることがままあります。次に、得られた「発話」を根気よく書き起こします。そして耳で聞いて考えたであろう単語のつづり方や単語のつづり方の独特な間違いを詳細に記録します。このように記録されたコミュニケーションは、科学的な検証の対象になるだけ確実な形式を持たないことが欠点です。記述を中心とした多くの事例研究では、この「自然な検証法」が採用されています。

運動障害

 FCには科学的な検証もなく、医学的な効果も立証されていません。それに加えて、理論的な枠組みも研究者間での合意が得られていません。Biklen (1990) によれば、自閉症の人々には、それまで気づかれていなかった運動機能の障害があり、このような障害は肉体的な介助によって解消されるものであるために、FCが効果的なのだとしています。Biklenの考えでは、自閉症は認知的な障害よりは、行動不能症(apraxia)を伴うものなのです。Attwood (1992)は自閉症と運動障害に関する研究文献や医学的な事例をまとめ、FCを取り入れることによって、始動障害、衝動性、協応や固執性を克服する可能性を探りました。FC使用者は一般に運動を開始することや、一連の運動を順番に行うこと、または運動を停止することが苦手であるといわれています(Remington-Gurney 1996)。
 FCの使用者の中には、自閉症であるという自分自身の経験からFCを解釈、説明しようとする人たちがおり(Clarkson, 1994, Williams 1994)、効果的なFCのためには、コミュニケーションができるということを前提にする必要があると強調しています。

立場表明

 科学的根拠が乏しいものの、FCを取り入れている家族や実務家がおり、そして専門家の間ではFCについて意見が分かれているなかで、専門の団体いくつかはFCに関する見解を発表しています(American Academy of Child & Adolescent Psychiatry, 1993; American Association on Mental Retardation, 1994; American Psychiatric Association, 1994; cited in Levine & Wharton, 1995; American Speech-Language-Hearing Association, 1994)。どの団体もFCが科学的に証明されていないことと、まだ実験的な段階にあることをあげ、重要な決断や申し立てにFCが使われるべきではないとしています。FCの推進団体もまた自分たちの見解を表明しており、その会員がFCについて十分な情報を収集し、使用に際しては訓練を受けることを推奨しています(The Association for Persons with Severe H&icaps, 1992)。これらの表明に共通しているのは、FCの使用には注意が必要だということです。

FCの臨床的使用の意味

 最善の方法は何か? そして誰に対してなのか? FCはどのような状況でどんなふうに効果があるのか? Biklen (1990) と Remington-Gurney (1993)は、FCがすべての人に有効な訳ではないといっていますが、FCに向いている人を選ぶための診断法やグループ分けの基準は提出されていません。Remington-Gurney (1996)は、FCをダウン症、自閉症、レット症候群、発達障害、および後天的な障害の人に取り入れた例を報告しています。どのケースも知的障害があるという診断がされている例です。Remington-Gurney (1993)は、根本的な問題が運動制御と運動協応に関係しているなら、口頭での返答や手話などによる反応を元にした一般的な尺度で知的機能を測定することは疑問だとしています。Remington-Gurney (1993)は、重度のコミュニケーション障害を持ち、従来のAACのやり方では、有意義な結果が得られなかった人たちを対象に評価を行いました。しかし、FC使用についてのこの評価の方法については詳しく触れられていません。FCで成功した人の社会的、運動的、および認知的な特徴についての情報は今のところ明らかになっていません。
 FCは、長年にわたって普通教育や特殊教育の前提とされてきた考え方に挑戦しています。なぜならFCを使う人は正規のカリキュラムで教育を受けたわけではないのに、読解力やその他の知識を保有しているように見えるからです。以前は話し言葉が発達することが、書き言葉を理解するようになるための前提と思われていましたが、今ではその順番は固定しているとは考えられていません(Levary, 1990)。FCの使用者は、どのようにして読み、書き、計算することを学ぶのでしょうか。これからの教授法と学習法はどうすべきでしょうか。このような疑問はFCに限ったことではなく、他の形式の補助代替コミュニケーション(AAC)についても同じです。発達障害を持った小さな子供が電子機器を使用する事例を扱った研究の中で、Iacono & Duncum (1995) は、AACで言葉を組み合わせることができるようになるのは、言語発達が向上したためか、それともすでに存在していたが表面に現れていなかったスキルが発現したためであるのかが、これからの研究課題であるとしています。Beukelman & Mirenda (1992) は、読み書き能力を適切な書記体系なしに学んだ人たちは、見覚えをもとにしてつづりを学んだ可能性があり、そのように学んだつづり能力は、自発的なつづり能力よりも高いこともあるだろうと述べています。Biklen & Schubert (1991)は6歳の自閉症児であるFC使用者が耳で聞いた言葉のつづり(つまり、正しいつづりとはかならずしも一致しない)を記録していますが、間違ったつづりをどのように記録時に修正したのかを明らかにしていません。実際のところ、FCで伝えられるメッセージの出所を確認するために、耳で聞いた言葉のつづりや言葉の指紋を用いるならば、発話されたつづりを修正することはタブーでしょう。
 FCの究極の目標は独立して指さしが行えるようになることです。ファシリテイターは被介助者に対する意識的・無意識的な影響を最小限にするように被介助者を訓練し、物理的介助の程度をだんだん少なくしていくことが要求されるでしょう。Biklen (1990)はFC実践に取り組む姿勢や指導技術に関するリストを作成しています。FCを使用する際には、どのようなときも、妥当性が確認できる例を記録しておくことが必要です。ファシリテイターが変わっても、タイプや指差しを行えるFC使用者もいれば、特定のファシリテイターでなければFCを行うことができない人もいます。FC使用の早いうちから、他のファシリテイターでもFCができるようにすることは、FCのプログラムの必須の要素です。
 Beukelman & Mirenda (1992) が指摘したとおり、重度のコミュニケーション障害を持つ人も、他の人と円滑な意志の疎通を行うことができるようになるべきです。専門家は、障害者とその家族が間違った手続きにさらされないよう配慮し、客観的証拠に従うべきですし、FCを導入するにあたってはインフォームド・コンセントを得るべきです。現在のところ、FCいくつかの研究は否定的ですが、FCが効果的な技術である可能性はあります。教育や臨床にあたる実務家は常に最新の方法に関心を持ち、これらを使用し、またそれと同時に他の効果的な方法も開発する必要があります。FCは、コミュニケーションスキルや学習能力を改善し、伸ばすためのプログラムの一つの要素として用いることができるかもしれません。いつかはFCの有効性について結論を出す必要があるでしょう。そのときには学習面、言語面、社会面、運動面、職業面、そして独立した生活を営む助けになるかどうかについて、FCの有効性を問わなければなりません。現時点では、FCは一般的に受け入れられている専門技術の一つではなく、広く用いられる前に有効性を立証する必要があります。

結論

 FCは10年余り前から話題になってきました。それから現在までの短い間に、世界中の臨床家や研究者、そして家族たちの間で意見の相違を生み出しました。FCとその他のAACの技術との違いを述べると、他のAAC技術が成功したのは「クライアント自身が独立してそのコミュニケーション技術を行うことができ、他者がクライアントの運動、すなわちコミュニケーションをはっきりコントロールするということがない」(Shane, 1994, p. viii)ためです。さらに、Shane はFCの恩恵を受ける人々がいるかもしれないことを認めています。それはどのような人々なのか明らかにされていませんが、Shane によれば「それは、高機能自閉症というサブグループに属す人々かもしれない」と示唆しています (Shane, 1994, p.ix)。専門団体が立場表明を発表してから2、3年しか経っておらず、FCの技術について継続した研究が求められていますが、専門家の中には、FCという時代遅れの方法よりも、他の方法を探るべきだという声もあります(Fried-Oken et al, 1995)。もしFCが妥当であるならば、現在の発達障害者の学習、コミュニケーション、そして運動に関するわれわれの現在の理解に問題を投げかけていることになります。Leary & Hill(1996, p.48)が述べるように「見かけと真実が異なることもある」ということになるでしょう。

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原文:A review of research into Facilitated Communication (The State of Queensland (Department of Education))
翻訳:なかやま
初出サイト:Facilitated Communication と Doman Method 海外文献翻訳資料集
掲載者:「奇跡の詩人」検証文献翻訳班@2ちゃんねる
更新履歴:2002年6月26日 初出

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