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* * おばあちゃんの思い出 * *

おばあちゃんのバターディッシュ

これは祖母が愛用していたバターディッシュです。

父方の祖母は、スラッと背が高く和服が似合うとてもステキな女性でした。
でもライフスタイルは洋風で、私は子供の頃からその“どこか日本離れしたような”生活に憧れていました。
横浜へ遊びに行くと、「今晩は何が食べたい?」と祖母。「ハンバーグ!」「かぼちゃのスープ!」と私たち。
リクエストも全て洋風メニュー。キッチンには大きな古いオーブンがあって、いつもこれでおいしいお料理を作って
くれました。ボリュームたっぷりのハンバーグも、ジューシーでやわらかくてと〜ってもおいしくて・・・!
また私は「かぼちゃのスープ」も大好きで、メモを片手に一緒にキッチンに立ったこともあります。
そのとき、ホワイトソースの作り方も教わりました。私のスープ好きは、ここから始まったかもしれません。

そして朝になると、一年中気持ちのいい朝日が射し込むサンルームでの朝食。
ミルクを入れて作るふんわりとしたスクランブルエッグ、目玉焼きのときは必ずといっていいほど炒めたセロリの葉
も添えて。紅茶にはたっぷりのミルクと角砂糖が1つ入って・・・ そんなテーブルにいつも置いてあったのが、この
バターディッシュ。もともとは“祖父専用のバター”が入っていたそうです。(笑)普段、マーガリンだった私は横浜
で食べるこのバターの味、おいしさに感動したのを今でもはっきり覚えています。
祖母が他界し家を建て直すことになったとき、私は思い出いっぱいのこのバターディッシュをもらいました。


このバターディッシュ、いつのモノか、どこのモノかは全く分かりません。クリーム色のプラスチックの蓋、厚みのあ
るガラス、そして使っていたバターナイフもこれまたかなり古そうな“森永バター”のロゴ&エンジェルマーク入り。
(写真ではよく見えませんが、蓋のつまみはお花のモチーフになっているのです)

見るたびに長い間愛用し続けていた祖母の温もりと共に、あの朝食の光景が蘇ってきます。
誤って落としてしまい縁の破片を接着しているため、現在はバターディッシュとして使っていません。コレクティブ
ルを収納しているキャビネットに大切にしまっています。アメリカンな食器たちともよく似合って・・・。
横浜の家には、ファイヤーキングやオールドパイレックスはなかったけれど、もしかして祖母は知っていたかも・・・
と今になって思うこともあったり。あれから10年・・レシピを含め、もっといろんなことを教えてもらいたかったなぁ。

今年も大好きなおばあちゃんの味、かぼちゃのスープをいっぱい作ろうと思っています。

2001-7-22

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