沸点上昇(その2)


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むしろ、こう考えた方が良いと思います。

ビーカーに水を入れます。

分かり易くするために、ビーカーには25個の水分子が入っているとしましょう。

ここで数学の「場合の数」が登場します。

水分子はどれも水分子ですから、水分子の入れ方は、

分子の場合の数 = 2525 = 1

で、一通りの、水の入れ方しかありません。

ここが水分子25粒がではなく、水分子24粒と砂糖分子1粒が入っている場合だったとしましょう。

分子の場合の数 = 251 = 25

場合の数(砂糖分子が入る場所の数)は25通りもあります。

ここで「一般に、場合の数が多い状態の方が安定する」というルールがある事を知っておいて下さい。

と言う事は、「水25分子」よりも「水24+砂糖1」の方が安定です。

安定という事は、水分子にとってみては「(エネルギーが低いから)液体のままいた方が望ましい」という事になりますね。言い換えると「蒸発したくない」、早い話が「蒸気圧が低くなる」訳です。

ですから、100℃では蒸発できません。もう少し高い温度が必要になります。

ですから、沸点が上昇します。

さらに、水分子22粒に砂糖分子3粒が混じったケースを考えて見てください。

分子の場合の数 = 253 = 2300

ね、砂糖の濃度を増すと、安定具合も増す訳です。

ですから沸騰しにくくなります。早い話がもっと蒸気圧が下がり、沸点が上がる訳です。

実際には、こんなに単純に議論してはならないんですけど、おおざっぱにはこの様に考えて良いのではないでしょうか?

詳しい事を知りたい人は、大学で「熱統計力学」の講義で学んで下さい。

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